前回は、サイト多言語化におけるサイトの作りや構成での落とし穴についてお話をしました。今回は、中国やロシア、中東の国などを例に、多言語化する際に 特定の国の場合考慮しなければならない事情 について解説します。
多言語化サイトを作るときの4つの落とし穴:インバウンド対策でホームページの多言語化対応するなら必ず知っておきたいこととは
さて、前回、訪日外国人向けのウェブサイトの多言語化対応において、サイト制作にも様々なコストがかかるというお話をしました。もし、あなたが多言語サイトを作る際には、元の日本語サイトの時点から気をつけなければいけないことが沢山あります。実際にいくつか紹介したいと思います。今回は、「多言語サイトの作り・構成に関する落とし穴」「アドレス(URL)の作り・構成に関する落とし穴」の観点から、4つの落とし穴について説明したいと思います。目次多言語サイトの作り・構成に関する落とし穴多言語化サイトで気をつける...
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中国向けにサイト多言語化する時に知っておかなければならない中国のインターネット事情
中国のインターネット事情その①:金盾(グレートファイアウォール)の存在
こちらは金盾(グレートファイアウォール)が有名ですね。皆さん知っていても、実は対策はしてないのではないでしょうか?一応説明すると、金盾とは、中国が実施しているインターネット検閲システムで、特定の情報を中国国内でアクセス出来ないようにするシステムです。
中国のインターネット事情その②:「SNSリンク」にご注意
この金盾が存在するがゆえの「サイト中国対応あるある」がいくつかあります。その1つが「SNSリンク」です。よくネットサーフィンをしていると以下のようなボタンがあるサイトに出くわすことはありませんか?
よく見ますよね。でも、実は このリンクがページ上にあるだけで、中国国内からのアクセスがブロックされる可能性 が出てきます。
それはなぜかというと、金盾はアメリカの有名SNSを軒並みブロックしており、リンクが入っているだけで検知されてしまう可能性があるからです。そのため、もし「中国語版」を作るのであれば、中国語版のみSNSリンクを変更しなければいけません。
中国のインターネット事情その③:「Google翻訳キット」はつかえない
よく、以下のように「とりあえずGoogle翻訳キットで多言語対応しています」というサイトを見かけます。これにも落とし穴があります。
これも、先程のリンクブロックと同様の理由で、せっかく中国語対応をしても、Google翻訳キットだと、中国からアクセスされなくなってしまいます。Googleがブロックされているので当然ですね。中国語を用意していても、じつはこれだとほとんど意味がありません。
中国のインターネット事情その④:「政治的文章」にも注意が必要
こちらは、一般的にアルゴリズムが公開されているわけではないのですが、政治的な文言 が入っているかどうかチェックを事前に行う必要があります。
例えば、「チベット」のみであれば問題ありませんが、「チベット」という文章の中に、「人権」などが書かれていると、ブロックされる危険性が高まるようです。
他の国でもサイト多言語化する時に注意が必要な場合も
「ロシア」のインターネット事情:個人情報の取扱に要注意
ロシアは法令によって、個人情報はロシア国内のサーバーに保存しなければいけない という法律があります。つまり、ロシアでショッピングサイトを展開したい場合、購入データは個人情報にあたるので、サイトの表面だけをロシア語にして、データベースを日本に置いておくとロシア政府から注意される可能性が出てきます。
「中東」のインターネット事情:女性の露出に要注意
中東は女性の露出に対してとても厳しいという文化的側面を持っています。スターバックスのロゴですら違うくらいですので、その厳しさが分かると思います。
まとめ
このように、多言語化をして特定の国でサイトを展開するにあたっては、様々な文化的差異を学ばなければいけません。これらはポリティカルコレクトネスとよばれ、各国で何が不適切かは違うことを覚えておきましょう。
【7/9開催】消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント
2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。
これだけ市場が大きく、経済インパクトのある中国インバウンド。 いま多くの企業が「中国向けに本格的な戦略を立てるべきではないか?」と検討を始めています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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