日本のスキー場に外国人が来る3つの理由/これからの欧米豪インバウンドはスノーリゾート目的で東北へ?

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日本国内にあるスキー場では訪日外国人を多く見かけるようになりました。

訪日外国人観光客の消費トレンドが「モノ消費」から「コト消費」に変わりゆく今、スキー、スノーボードに注目が集まっています。

しかしながら日本のスキー場が訪日外国人スキーヤーの人気を集めているのには、他にも理由があります。

現在、北海道ニセコや信州白馬などの大型スキー場を中心に賑わっている状況ですが、他のスキー場・スノーリゾートにもチャンスはあります。

そこで今回は、今後のインバウンド需要を獲得する上で必要なプロモーション戦略や地域との連携について解説します。

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日本のスキー場が外国人に選ばれる理由

ポイントは、パウダースノー、都市からの距離感、費用面が挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

日本のスキー場が外国人に選ばれる理由その1:パウダースノー

パウダースノーが大好きな欧米豪からのスキーヤーは、日本の良質なパウダースノーを目的に訪日している旅行者も多いことはよく知られている事実かと思います。その人気の理由はパウダースノーが味わえる条件の良さが一つの要因です。

欧州のスキー場などでは高いところで3,000m以上の場所にゲレンデがあり、高山病になる方もいるほどです。その代わりスキー場全体の規模は日本よりも巨大なところが多いですが、やはり高山病はスキー中の一つのリスクであることも事実です。

一方日本は高いところでも2,000~2,200m程度の為、スキー場で高山病にかかったということを耳にしたことはまずないと思います。高山病の恐れのない標高に良質なパウダースノーがある日本のスキー場こそ、外国人スキーヤーに人気の一つの要因です。

日本のスキー場が外国人に選ばれる理由その2:都市からの距離感

2つ目は、都市からの距離感です。例えば、パリから最寄のスキー場へ行くには車で4~5時間かかることも普通であったり、特に欧州、北米などはスキー場までの移動距離に多くの時間が使われます。

一方日本のスキー場はどうでしょうか?東京という大都市からスキー場に行くにしても、移動手段によりますが 2~3時間でいける場所も多くある のではないでしょうか。さらに極端な例でいうと、樹氷でも有名な青森八甲田スキー場は青森市内から車でたった1時間程度で自然豊富な素晴らしいスキー場へ行くことが出来ます。このように主要な都市からスキー場までの距離感に驚く欧米豪のスキーヤーも多いということを日本としてはビジネスチャンスと捉えても良いと思います。

日本のスキー場が外国人に選ばれる理由その3:費用面

3つ目は費用面です。例えば 豪州のスキー場などでは、1日リフト券が8,000~10,000円 ほどすることが普通です。日本の約倍程度の費用です。欧州や北米も比較的日本よりはリフト券代は高いです。

またスキー場へ行く際は1~2週間滞在することが普通である欧米豪のスキーヤーにとって、1日のリフト券代や滞在費は大きなウエイトを占めてきます。その為、豪州で2週間スキーをするなら航空券代を考えても日本へ来てスキーをした方が安い というケースが発生します。この費用面のギャップも日本のスキー場が人気の要因の一つであり、訪日スキーヤー獲得のポイントになります。

上記3つのポイントに日本の観光資源の魅力も加わり、現在訪日スキーヤーが多く訪れているのだと推測されます。

東北スキー場に多くの外国人に訪れてもらうには?ビジネスチャンスのつかみ方

そんな中、北海道、信州だけではなく 東北のスキー場 にも訪日スキーヤー獲得のチャンスは拡大してきていると感じます。

人気のスキー場になるためには、バーやレストラン、温泉、体験ツアーなどスキー以外のアクティビティなどを充実させ、長期滞在するスキーヤーにとって滞在の魅力を増すことが重要です。

こうしたニーズに応える、東北エリアならではのメニューを提供し、情報発信していくことで、「札幌、白馬は行ったので他のスキー場へ行きたい!」というニーズをつかみとることができるはずです。

そのためにも空港からの移動手段やスキー場同士の連携、広域で捉えた東北スキーツアーの提案など、バス会社、宿泊業者、旅行会社、飲食業、アクティビティ、観光協会など各種団体のALL TOHOKU」で協力していくことが大切です。

日本とは季節が逆「豪州」最重要ターゲットに?

訪日スキーヤーの獲得で最も重要な市場であるのが 南半球にある豪州 です。豪州の方々の冬は日本の夏にあたる7~9月、逆に夏は12~2月あたりになり夏休みも当然この時期です。

つまり 日本のスキーシーズンが豪州の方々にとっては夏休み となり、ポイントでご説明した要因も重なり、多くのスキーヤーが日本へ訪れるという結果になっています。

特にクリスマス~年末年始の休みと絡めて訪日する豪州人も多いです。豪州の冬の時期に現地のスキー場で日本のスキー場のPRを行ったり、連動したキャンペーンを展開したりすることは、季節が逆であるからこそできるプロモーション方法であると思います。

訪日スキーヤー獲得に向けた地域連携

冬のシーズンに集中する訪日スキーヤーをどのように獲得し、またスキー場とその周辺地を含めた地域全体で旅行者の満足度をどのように高めるかを検討し準備することが重要です。

そのためには、訪日スキーヤーを獲得するという目標の元、様々な事業者が連携する必要があります。

言語やWiFi対応はもちろんのこと、起点となる空港もしくは他のスキー場からスキー場への移動手段の検討や見直し、夜までやっているバーやレストラン、日本文化体験ツアーなどスキー以外のアクティビティなどあらゆる視点からスキー場エリアの魅力をブラッシュアップしていく必要があると思います。

もちろん基本は今ある観光資源を活かす方向で考え、不足していることがあれば事業者連携で補えるか検討、それでも足りなければ新設するとう方向で進めていけることが理想ではないかと思います。

特に、欧米豪からの長期滞在者をターゲットにする場合、受入れの基点となる宿泊施設では日本人スキーヤーも増える週末の予約バランスをどうするか、食事のバリエーションを豊富にして飽きさせない工夫、言語対応など様々な課題も浮き彫りになってくると思います。

そのような課題にこそ地域全体で補完し合える協力体制の構築がとても大切です。

まとめ

日本のスキー場、スノーリゾートは、まだまだインバウンド獲得の伸びしろがある と感じています。

それと同時に、現場レベルでは様々な問題があり、インバウンド誘致は一筋縄ではいかないこともあります。地域全体で一本筋の通った誘致計画を検討することが重要です。宿泊、交通、飲食、ガイド、メーカーなどそれぞれの事業者の取りまとめを行う機関が必要だとも思います。

欧米豪からの訪日スキーヤーは長期滞在をすることになります。「連泊し日本人の宿泊率が低下する平日を埋めてくれる」、「満足度が上がればリピーターになる」可能性があり、観光地を巡るタイプの観光客とは異なる消費傾向があるといえるでしょう。

これからでも遅くはないので各事業者で連携し欧米豪からの訪日スキーヤーの獲得に取り組んではいかがでしょうか?

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この記事の筆者

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