地方のインバウンド 地域のプレイヤーの連携が重要な鍵〜ワークショップを通じて広がる連携〜:「インバウンドFIT対応力向上ワークショップ in 上天草」2日目 現地レポート

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なぜ地方創生の文脈でインバウンドが語られるのでしょうか。その理由は、以前訪日ラボでもお伝えしたとおり、地域の定住人口が1人減った分の消費額 を賄うには、日帰り日本人旅行者80人分の誘致が必要なのに対し、訪日客の場合1人あたりの消費額が大きいことから 訪日客8人で賄える ためです。このような地方の少子高齢化に伴う人口減および消費縮小という背景もあり、地方へのインバウンド誘致の重要性が高まって います。

また、訪日外国人側のトレンドも、訪日中国人の爆買い現象に見られたような「モノ消費」から、体験やサービスを重視する「コト消費」への変化 が見られます。これは、為替相場が円高にシフトしたというモノ消費を減退させる環境変化も要因の1つではありますが、リピーター客増加などにともなうニーズの多様化 なども大きな影響を及ぼしています。したがって、よりディープな訪日旅行体験を求め、インバウンド需要が地方に流れつつあるという大きな流れ があります。

しかしながら、これまでインバウンドで脚光を浴びてこなかった地方では、インバウンド誘致のためのプロモーションや観光資源発掘、また受け入れ体制整備といったインバウンド対策全般が遅れている のが現状でしょう。そのような地方が抱えがちな課題において、先進的な取り組みを見せる熊本県天草エリア(上天草市、天草市)でのワークショップを活用した事例 をご紹介しましょう。

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「インバウンドFIT対応力向上ワークショップ in 上天草」とは

中小企業基盤整備機構 九州本部は、熊本県天草エリアでインバウンド需要を取り込みたい事業者向けに、今年3月8日、3月15日に「インバウンドFIT対応力向上ワークショップ in 上天草」を開催しました。中小企業基盤整備機構 九州本部では、観光が地域産業の振興にとって重要な要素であるとしており、観光を中心とした面的な産業支援のモデルづくりにチャンレンジをしており、その一環として今回のワークショップが開催されました。

2日目 3月15日のカリキュラム

今回の「インバウンドFIT対応力向上ワークショップ in 上天草」は2日にわたって開催されました。2日目は、中小企業基盤整備機構 九州本部連携推進課 江口課長の開会挨拶からはじまり、同機構の「HPやSNS活用による情報発信」や「活用できる公的支援メニュー」などの情報提供といった講義がおこなわれました。

これらの講義や初日のグループワークを踏まえた上で、各参加者は、インバウンド対策の実施計画の作成や発表をグループワークで実施しました。それぞれの模様についてご紹介しましょう。

開会挨拶:中小企業基盤整備機構 九州本部連携推進課 江口課長

2日目の開会にあたり江口課長の挨拶から始まります。「今回のワークショップで策定した実施計画をぜひ行動に移していただきたい」とのコメントとともに、来年度も引き続き、中小企業基盤整備機構としてフォローをしていくことを案内しました。

情報提供「HPやSNS活用による情報発信」:中小企業基盤整備機構 九州本部 地域活性化支援チーフアドバイザー 足立 貴文 氏

中小企業基盤整備機構 九州本部 地域活性化支援チーフアドバイザー 足立 貴文 氏による講義

中小企業基盤整備機構 九州本部 地域活性化支援チーフアドバイザー 足立 貴文 氏による講義

足立氏からは、HPやSNSを活用したインバウンド向けのマーケティング手法について、国別の傾向やサイトの実例を紹介 しながら、わかりやすく解説がありました。コストをあまりかけずに自社サイトでの情報や内容を充実させる方法や、費用対効果が上がる広告の打ち方 など、具体的で実務に役立つ内容の講義です。

情報提供「活用できる公的支援メニュー」:中小企業基盤整備機構 九州本部 連携推進課 三棹課長代理

中小企業基盤整備機構 九州本部 連携推進課 三棹課長代理による講義

中小企業基盤整備機構 九州本部 連携推進課 三棹課長代理による講義

三棹課長代理からは、初日のワークショップでも多くの参加者が課題として挙げていた 「多言語化」「Wi-Fi環境整備」「クレジット決済」などのインバウンド対策について、活用できそうな公的支援メニュー について情報提供をしました。

グループワーク:実施計画の作成、グループでの相互アドバイス、実施計画の発表

グループワークに取り組む本ワークショップの参加者

グループワークに取り組む本ワークショップの参加者

ワークショップ2日目となる今回のグループワークでは、初日のグループワークで洗い出した「すぐにできそうなこと」の中から 「自社で実施すること」と「地域で連携して実施すること」を絞り込み、参加者それぞれで実施計画を作成 しました。

初日に作成した「ワークシートⅠ」から「ワークシートⅡ」へ具体的な行動計画に落とし込む

初日に作成した「ワークシートⅠ」から「ワークシートⅡ」へ具体的な行動計画に落とし込む

また、グループワークとして、作成した実施計画をグループ内で共有し、実施にあたっての相互アドバイスや連携できそうなことを模索 することで、相互関係の強化やインバウンド対策そのものを洗練していきます。

本ワークショップの参加者による実施計画発表

本ワークショップの参加者による実施計画発表

2日の日程に渡って行われた本ワークショップの総まとめが、各事業者による実施計画の発表です。自社が策定した実施計画について発表し、いつまでに、どのような改善活動に取り組むのかを、参加者が宣言します。発表の様子からは、グループワークの中でお互いにアドバイスしたり、連携を模索したことで、漠然としていた課題が明確になり、具体的な行動計画まで落とし込むことができた ことが見受けられました。

総括:中小企業基盤整備機構 九州本部 地域活性化支援チーフアドバイザー 甲斐 和郎 氏

中小企業基盤整備機構 九州本部 地域活性化支援チーフアドバイザー 甲斐 和郎 氏による総括

中小企業基盤整備機構 九州本部 地域活性化支援チーフアドバイザー 甲斐 和郎 氏による総括

本ワークショップは甲斐氏の総括で締めくくられました。甲斐氏からは「基調講演や事例発表のヒントにしながら、今回のメンバーで連携を図り、本日策定した計画を実行に移してほしい」とのコメントがありました。また、中小企業基盤整備機構では、来年度も引き続き、天草エリアを九州のモデル地域としてフォロー を行っていき、また 他の地域にも展開していくことで、九州におけるインバウンド対応の成功事例創出を図りたい としています。

まとめ:地方のインバウンドは、地域のプレイヤーの連携も重要な鍵

今回、天草で行われた「インバウンドFIT対応力向上ワークショップ in 上天草」について複数回に渡ってご紹介しました。ご紹介した天草エリアでの取り組みから見えることは、以下のポイントでしょう。

  • まず、地域を取り巻く状況を把握すること
  • 自社のインバウンド対応がどこまでできていて、またできていないかを知ること
  • その上で、どのインバウンド対策ならすぐ着手できるか、優先度をつけて行動計画に落とし込むこと
  • さらに、地域のインバウンド事業者間で連携することで、より効果的なインバウンド需要の取り込みを狙うこと

どれも「インバウンド対策とはいうけれども漠然としていて何からやったらいいのかわからない」という地方が抱えがちな悩みを解決するきっかけとなる重要なキーポイントとなります。この事例を参考に、自社の地域での取り組みについても、見直してみてはいかがでしょうか。

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