初めまして。Vpon Japanの劉と申します。Vpon Japan初の中国人スタッフとして、日々、中国人目線で広告主様のインバウンドプロモーションをサポートしております。
今回は中国で話題の『旅かえる』のアプリから見る、中国の若者事情についてお話しさせていただきます。
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中国で大流行 日本のゲームアプリ『旅かえる』とはどんなゲーム?
最近、中国で大人気、最もSNSモーメンツの話題になるものといえば、日本のゲームアプリ『旅かえる』 です。日本語版しかないにも関わらず、中国アップルストアで2週間以上ランキング1位を記録しました。
『旅かえる』は株式会社ヒットポイントが開発したアプリで、基本的に行動領域は「庭先」と「おうち」の2つのエリアだけ、カエルはおうちの小屋の中で食事や読書をして、プレイヤーは庭でクローバーを収集して食べ物や道具を交換し、カエルはそれを持って旅に出るという放置系ゲームです。
実際プレイヤーのできることは、クローバーを使って、カエルに旅の持ち物を準備するだけで、それ以外はほとんどコントロールできません。カエルは勝手に家を出て、日本各地を自由気ままに旅して回ります。自分のカエルはいつ旅に出るか、いつか戻るか、何を持って帰ってくるか、全く予想できない作りになっています。
なぜ中国語対応していない日本のゲームアプリ『旅かえる』が中国で人気に?
中国語対応してないにも関わらず、なぜ中国人はハマるでしょうか。
中国で『旅かえる』が中国でヒットした理由①:可愛いくて癒される
「イラストが可愛い」が人気の理由の一つとなっており 「癒やし」が現在の中国人の若者に求められていることが伺えます。自然な感じで、シンプルな所がウケています。「カエルがかわいい、持って帰ったお土産や写真もとっても可愛いです」というようなコメントをよく見かけます。次はどんな写真を持って帰ってくるのかという事をユーザーは期待してしまいます。
中国で『旅かえる』が中国でヒットした理由②:親の気持ちがわかったという声も
カエルの荷物を準備して、旅の手伝いをするけれど、一緒に旅をすることができません。私のカエルは今何をやってるの?友達できてるのだろうかと心配してしまい、気が気じゃない思いをしてしまうユーザーが多く、親の気持ちを理解できた という反応もよく聞かれるそうです。
中国で『旅かえる』が中国でヒットした理由③:「仏系生活」への憧れ
経済発展が早い今の中国、みんな一人っ子、「失敗できない」ストレスの中で育った90年代生まれの中国人は、競争社会で育ち、仕事や生活に全力で向き合い、不安と寂しい思いをたくさん感じています。そんな中国人の若者の中で最近、仏教徒のように生きていこう!という意味の「仏系○○」が流行語になっており、「仏系青年」「仏系ママ」など、欲が少ないことや周りを気にしない若者が増えています。
旅かえるは、緑が豊か、静かな庭、雰囲気がよくとても落ち着きます。カエルも仏系で、本を読んだり、食事をしたり、旅を出たり、生活の悩みがありません。「仏系ゲーム」として、多くの中国の若者の心を癒しています。こんな点が流行した要因ではないでしょうか。
中国企業各社や公共団体が『旅かえる』と“コラボ”してブームに乗る
中国では、企業各社や公共団体までもが、この『旅かえる』ブームに乗って”コラボ”する動きを見せています。
例えば、中国消防局 は微博アカウントで旅かえるの画像を使い、「カエルちゃん、住んでるところ(室内)には危険なものが沢山ありますよ」と投稿し、室内防火の注意点を呼びかけました。画像は「ベッドに可燃物を置く」、「柱は可燃物」、「窓に網を取り付ける」、「火を照明に使う」などの注意事項が書いてあり、面白さもあってこの投稿は1日で2万シェア、7万以上のいいね!を獲得し、旅かえるの知名度は更に上昇していきました。
また、シェア自転車サービスの大手「ofo」 や 携帯メーカーの「魅藍」 なども『旅かえる』に関連する投稿を行っており、ブームは更に加速していきました。
これらの”コラボ”は、実際の所『旅かえる』公式のものではない可能性もありますが、「良いものは良いから活用し倒す」という、良くも悪くも中国らしい活用の仕方で在るとも言えるでしょう。
まとめ:消費喚起だけじゃないニーズ
中国人といえば「爆買い」というイメージが強く残っていると思いますが、上記でご説明した通り、最近の中国の若者は仏生活(欲のない生活)への憧れをもつ人も非常に多い ということが、この『旅かえる』ブームと、その背景からご理解いただけたかと思います。
『旅かえる』のアプリには広告枠もあり、現在多くの日系企業の広告も散見されます。中国人向けの広告プロモーションとなるとやはり家電や医薬品などの消費を喚起する訴求が中心となる傾向にありますが、こういった欲のない世代に向けた「癒し」を押し出したプロモーションも、きちんと世代別にリーチできれば非常に効果的かと思います。
このブームに乗って、今こそ地方地自体様がお持ちの大自然を生かし、賑やかな都市と違う「癒しスポット」や「仏系様にオススメ!」などの訴求でプロモーションするチャンスかもしれませんね。
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