2017年の訪日外国人観光客数は史上最多となる2,870万人を突破。国内有数のインバウンド市場は成長市場として注目を集めています。
こうした背景から、国内のあらゆる業界でインバウンド対策が進められています。観光庁の「訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語対応に関するアンケート調査」によると、2017年に訪日した外国人観光客のうち、34.8%が「訪日旅行中に困ったことはなかった」と回答するなど、日本のインバウンド対策は訪日外国人観光客から一定の評価を受けていますが、「多言語表示・コミュニケーション」面に関する不満は未だに大きく、インバウンド業界が解決すべき課題となっています。
神社・仏閣における多言語表示・コミュニケーション対応は、訪日外国人観光客からどのように評価されているのでしょうか。観光庁の同資料から解説していきます。
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神社・仏閣の多言語表示・コミュニケーションに9.8%の訪日外国人が困っている

日本の神社・仏閣を利用した訪日外国人観光客のうち9.8%は、神社・仏閣での多言語表示の少なさ・不正確さ、対話でのコミュニケーションに不満を感じています。今回の調査の対象となった「鉄道駅」「宿泊施設」「飲食店」「小売店」と比較すると、多言語表示・コミュニケーションに関する不満は、4番目に多い結果になりました。
もう日本はコリゴリ!?2017年に訪日客が最も日本に「がっかり」したことと、その対応策とは?2018年に向けてインバウンド業界が踏まえておく
2020年の訪日外国人観光客4,000万人誘致を目指し、これまで官民一体となったインバウンド対策が進められてきました。以前の訪日ラボの記事でもご紹介したように、2016年に訪日した外国人観光客のうち約30%が「訪日旅行中に困ったことはなかった」と感じており、 インバウンド受け入れ環境は年々改善してきている
具体的に神社・仏閣のどのような場面で困っているのだろうか?

城郭・神社・仏閣を訪れる訪日外国人観光客は、その歴史や文化を知ることを楽しみにしています。先述の通り、城郭・神社・仏閣の多言語表示・コミュニケーションに困っている訪日外国人観光客は、9.8%と少ない結果にはなりますが、そのうち68.4%にあたる訪日外国人観光客は「歴史・文化に関する説明を読む際」にもっとも困ったと回答しました。
観光地の魅力を最大限に伝えるためには、多言語での文化・歴史の説明が必要不可欠です。国内には様々な翻訳ツールが存在しており、こういったツールの活用も一つの手でしょう。「参拝方法の説明を読む際(46.2%)」「見学時の注意事項の説明を読む際(32.0%)」の多言語表示・コミュニケーションに不満を持っている訪日外国人観光客も一定数存在しているようです。城郭・神社・仏閣を見学する際、「何をしていいのか・いけないのか」といった注意事項は、運営者側が前もって訪日外国人観光客と共有するべきものです。対策が遅れれば、「観光公害」といった問題にもつながる恐れがあります。
観光公害で世界遺産「厳島神社 大鳥居」を失う恐れ、観光立国を目指す日本が直面する課題とは
以前の記事でもご紹介したように、JTBの資料によると、2018年の訪日外国人観光客数は 3,200万人 に達することが予測されています。2020年の東京オリンピック。パラリンピック開催時に 4,000万人 の訪日外国人観光客誘致を目指す日本では、ここ数年訪日外国人観光客数は順調に伸び続けています。こうした状況の中、大きな問題となっているのが 観光客のマナー違反などを指す「観光公害」。 世界遺産に登録される広島県廿日市市に位置する世界遺産・厳島神社でも近年「観光公害」が深刻化しているようです...
神社・仏閣でどのような多言語表示ツールを欲している?

訪日外国人観光客は、神社・仏閣でどのような多言語表示ツールを必要としているのでしょうか。もっとも声が多かったものは「多言語パンフレット」でした。紙媒体のパンフレットを配布することで、訪日外国人観光客により効果的に神社・仏閣の魅力を伝えることができます。また、観光地の魅力を紹介する資料を作成し、ウェブ上でダウンロードできるようにすることで、旅マエの訪日外国人観光客にもアプローチすることができるでしょう。
神社・仏閣でどのようなコミュニケーションツールを欲している?

神社・仏閣を訪問する際のコミュニケーションツールに関しては、訪日外国人観光客はどのようなものを求めているのでしょうか。もっとも訪日外国人観光客からの要望が多かったものは、「多言語音声ガイド」でした。
イギリスの大英博物館やカンボジアのキリングフィールドなど、多くの外国人観光客が足を運ぶスポットには、必ずと言ってもいいほど多言語の音声ガイドが配布されています。神社や仏閣などの観光地は基本的に目で見て楽しむスポットですが、多言語の音声ガイドを通じて観光客に歴史や文化などの不随する情報を与えてあげることで、訪日外国人観光客の満足度を向上させることもできるでしょう。
まとめ:神社・仏閣で多言語対応したいなら「訪日客の声」を参考にしよう
今回は神社・仏閣でインバウンド向けに多言語表示・コミュニケーション対策をする際に、どのようなポイントに気を付ければいいのかに関して、観光庁の資料をもとにご紹介してきました。押さえておきたい点は以下の3つです。
-訪日客の約10人に1人が神社・仏閣の多言語対応に困っている -訪日客は歴史や文化などの説明を読む際に多言語対応を必要としている -多言語パンフレット・ガイドの導入は必須
神社・仏閣は、今後も多くの訪日外国人観光客の利用が見込まれるものであり、多言語対応・コミュニケーション対策を充実させることは必要不可欠です。これらのポイントを参考にインバウンド受け入れ体制の充実を図るとよいでしょう。
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<参照>
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