こんにちは。トレンドExpress編集部です。
日本にやって来る中国人観光客。その楽しみはショッピングにグルメ、伝統文化体験などが注目されていますが、若者のターゲットとなっているものに「テーマパーク」があります。
謎の国「ニッポン」を知りたい中国人:2018春節 口コミ分析から見える訪日中国人が日本に来て「行きたいとこ・したいこと」とは?
こんにちはトレンドExpress編集部です。今年も春節到来。中国旅游研究院とCtrip共同で制作した『2018 春節海外旅行趨勢予測報告』によると、2018年の春節期間に海外旅行に出かける中国消費者はのべ650万人次と、過去最高を記録するとの見通し が発表されました。今年の春節も多くの観光客が日本へとやってくる見通しです。しかし、その動向は以前「爆買い」と騒がれた時より変化が続いています。その動きを探るべく、トレンドExpressでは春節に先駆け、春節に日本で「買いたい」「行きたい」「〇〇...
今回は日本のテーマパークでどこが中国人観光客をひきつけているのかについてご紹介。クチコミを分析してみると、意外な状況が見えてきます。
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ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
インバウンドでも2大テーマパーク「東京ディズニーランド・ディズニーシー」「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」どちらが人気?
日本におけるテーマパークと言えば、かつては「東京ディズニーランド・ディズニーシー」、2001年には「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」が開園し、人気を二分しています。
しかし訪日中国人観光客の口コミを見てみると、実際には「独り勝ち」状態が続いている模様です。トレンドExpressの最新「行った」ランキングを見てみましょう。
4月18日~4月24日「行った」口コミランキングにおけるテーマパーク・遊園地の順位
順位 | 「行った」先 | 口コミ件数 | 先週順位 |
---|---|---|---|
8 | ユニバーサル・スタジオ・ジャパン | 769 | 7 |
67 | 白い恋人パーク | 364 | 69 |
96 | 東京ディズニーランド | 302 | 126 |
131 | 東京ドイツ村 | 254 | 108 |
158 | サンリオピューロランド | 213 | 139 |
211 | ハウステンボス | 145 | 197 |
223 | としまえん | 128 | 219 |
255 | ちびまる子ちゃんランド(静岡) | 95 | 241 |
284 | 富士急ハイランド | 56 | 309 |
320 | ひらかたパーク | 12 | 323 |
一目瞭然。口コミ件数で見てみると、「USJ」が他を大きく引き離して、トップに立っています。それに比して東京ディズニーランドは100位前後(前週は126位)となっています。さらに驚くのは、「白い恋人パーク」がディズニーランドより上位にランクインしてもいるといった状況です。
続いて両者のランキング推移を見てみましょう。
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」のランキング推移
「東京ディズニーランド」のランキング推移
これを見ると非常に対照的な状況が見て取れます
中国にない「テーマパーク」という存在を求めて
そもそも中国にはこれまで「テーマパーク」というセグメントの娯楽施設がほぼ無い状態でした。2017年に上海ディズニーが開園、2019〜2020年にも北京に「ユニバーサルスタジオ・北京」がオープン予定となっていますが、テーマパークを企画したり運営したりするノウハウが乏しいことから、なかなか増加しないのが現状です。
かつては有名大手企業や地方の成功企業がテーマパーク「的」なものを企画、建設したこともありましたが、経営がうまくいかず放棄したりといったことも報道され、中国におけるテーマパーク運営の難しさを印象付けています。
そのため、中国の消費者は日本をはじめ海外旅行に出かける際に、非常に高い確率でテーマパークへと足を運ぶのです。
ではなぜ「ディズニー」ではなく「USJ」?そこには訪日中国人が「エリア重点型観光」にシフトした背景が
ひとつには中国からの訪日観光客の性質が変化していることにあります。ランキング推移を見てみても、東京ディズニーランドは2015年末までは高い人気だったことが見て取れます。
かつては団体旅行が主流で、さらにルートは東京―大阪を移動する、いわゆるゴールデンルートでした。しかし現在は、消費者のニーズが多様化、個人観光客(FIT)の増加やリピーターも増加していることから、ゴールデンルートに沿う移動ではなく、例えば「関東を遊びつくす」、「関西を遊びつくす」といった、エリア重点型観光へと移っています。
その中で関西エリアは「京都」、「奈良」といった、日本の伝統を体験でき、かつ知名度の高い古都があり、さらに商業都市でショッピングにも便利な「大阪」というコンテンツを抱えています。また、関西空港を利用するLCCも多くあることから、ツアーにも組み込みやすく、同時に個人旅行者にも気軽に訪れられるスポットとなっているようです。
中国映画市場もUSJ人気の要因に
もう一つ、中国の事情からUSJが人気の理由を考察してみましょう。その事情とは「映画」。
中国では大衆娯楽として映画が非常に高い人気を有しており、2017年の興行総収入も日本円で約9500億円と、超巨大市場となっています。
2017年に中国国内で上演された映画の興行収益ランキングを見てみると、『ワイルド・スピード8』(興行収入26.94億元 第2位)や『トランスフォーマー/最後の騎士王』(興行収入15.45億元 第7位)、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(興行収入11.8億元 第11位)、『キングコング: 髑髏島の巨神』(興行収入11.61億元 だい12位)など、アメリカ映画の大作が上位に名前を連ねています。
こうした映画を好むのは、中国でも20代~30代の若者世代(映画に対しエンターテイメント性を重視し、派手なアクションやCGなどを好む)。そしてこの世代は、日本への観光に強い興味を有する世代と重なります。同時にWeiboやWeChatでの情報発信率も高い世代であるので、SNS映えという面でもアクション性の高いUSJを好む傾向が強いでしょう。
とはいうものの、口コミ内容を見てみると、その映画のターゲットが比較的低年齢向け作品が多いことからか、東京ディズニーランドは子供連れによる利用が多く、また「上海ディズニーよりいい」といった口コミも散見されるほど満足度も高い様子。
また「東日本大震災」時のディズニーキャストの緊急対応の模様が、中国のネット上でも広く拡散され、多くの称賛を受けたように、そのサービス、イベントのレベルの高さは認められており、決して東京ディズニーランドが避けられているわけでないようです。
またさらに「東京ディズニーランドには行ったから、今回はUSJに行った」といった書き込みも見られることから、日本にある2大テーマパーク双方を堪能する訪日中国人も現れています。
今後も両パークによって日本のテーマパーク人気を盛り上げてもらいたいものです。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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