インバウンドの目玉として動物を使い、地元に訪日観光客を誘致する手法がアニマルツーリズムです。アニマルツーリズムは「動物を可愛がりたい気持ち」に訴えることで「コト消費」を盛り立てる手法です。秋田犬「マサル」など、成功すれば地域の特色ある動物を観光大使にして地方の知名度を上げたり、ひいては訪日外国人観光客を誘致することができそうです。
『コト消費』進む今だからこそ地方の特色が活きる 2018年に404億円の消費を狙う「秋田犬ツーリズム」とは?
近年、買物中心の「モノ消費」から体験型の観光を楽しむ「コト消費」へと需要が移ってきています。実はこうした「コト消費」は比較的似た風景になりがちな大都市圏ではなく、特産品、伝統工芸品、特徴的な気候、風景が魅力となる地方都市に適している とも言えます。今回はそうしたツーリズムの1つである「秋田犬ツーリズム」について詳しく見てみましょう。<関連>目次秋田犬ツーリズムの目的は、ブランド化による交流人口増加による地域経済の活性化と地域社会の持続的な発展大館市・北秋田市・小坂町エリアの観光客の実態は年...
しかし動物愛護精神に適っていないアニマルツーリズムは、クルーエル・アニマルツーリズム(残酷な動物観光)と呼ばれ、批判されることになります。自治体などのDMOが主導することが多くなるアニマルツーリズムの成功例と失敗例から施策へのヒントを学びました。
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秋田犬の「マサル」はDMO主導の地域マーケティングの見事な成功例
少し前になりますが、生後3か月のメスの秋田犬「マサル」が、フィギュアスケート女子の金メダリストアリーナ・ザギトワ選手に贈呈されました。その贈呈式には「秋田犬保存会」遠藤敬会長がわざわざロシアまで付き添いをし、安倍晋三首相も立ち合いました。
五輪のスター選手が秋田犬を気に入り、それを「秋田犬保存会」が受けて立ち、首相もタイミングよくロシアに…今回の一連の動きは天然記念物秋田犬の保護・繁殖のために設立された公益法人「秋田犬保存会」と国がよく連携をとっています。
保存会会長も 「ザギトワ選手にかわいがっていただくのはもちろんのこと、日本とロシアの友好に役立っていただけたら」と会見で語っています。
背景には世界的な日本犬ブームがあり、これにのったDMOの「秋田県保存会」が秋田犬のPRと同時に、ロシアの人々の日本への興味・ひいては秋田県への興味を惹きつけるために「マサル」というアニマル大使を送り出したのです。
最近インバウンドで良く耳にするDMOって何?そもそもDMOとは何なのか、なぜ日本のインバウンドにもDMOが必要なのかを解説
インバウンドビジネスに関わる皆さんも、最近DMOという言葉を耳にする機会が多いのではないでしょうか?でも「そもそもDMOが何なのかわからない。」という方もいるかと思います。そんな方に向けてDMOとは何なのか?日本でのDMOについて解説していきます。目次DMOとは何か?DMOの目的インバウンドにおけるDMO:日本版DMOがなぜ必要なのか?インバウンドで日本版DMOが必要な理由その1:関係者の巻き込みが不十分インバウンドで日本版DMOが必要な理由その2:データの収集・分析が不十分インバウンドで...
「アニマルツーリズム」は諸刃の剣。海外で嫌われる「クルーエル・アニマルツーリズム」
今回のオリンピックスター選手への柴犬「マサル」贈呈は、DMO主導のマーケティング成功例といえます。
しかし、日本国内で人気のある動物を使ったアトラクション、たとえば猿回しやイルカショーなどはインターネットで拡散すると、動物虐待として海外からの激しい批判の対象になる可能性があります。
近年、欧米中心に、動物を観光の道具として使うことに批判的な論調が目立つようになっています。とくに動物に人為的なトレーニングを施した動物ショーに対しては厳しい見方をする人もいます。
国によっては炎上する可能性がありますので、こういった情報発信前にはターゲットしたいエリアのリサーチが必要です。例えばカナダでは、地元のバンクーバー水族館がイルカ・クジラを飼育するのは虐待だとして反対運動が起きています。
海洋生物であるイルカやクジラは広い大海で暮らすべきであり、狭い(といっても日本人から見れば十分な広さですが)プールで飼育するのはかわいそうだという発想です。
「動物虐待」は誤解や私見でSNS拡散され炎上する・世界遺産「宮島」に学ぶアニマルツーリズムの炎上例
現在日本でもアニマルツーリズムをめぐって炎上中の観光地があります。
シカ観光は世界的な知名度がある日本の動物観光資源で、奈良の鹿公園や広島の世界遺産厳島神社・宮島のシカは有名です。しかし「宮島の鹿は虐待されている」との私見がSNS拡散され、世界遺産観光地としてのステータスに傷がつきかねない事態に陥りました。
最近注目の中国インバウンド向けキラーコンテンツ それは「鹿」:そのブームの背景には中国の文化が 一方でトラブル対策も必要に
こんにちはトレンドExpress編集部です。春節も終わり、ホッと一息ついた観光地も多いかと思います。しかし、続いてやってくるのは お花見シーズン、そして5月の小連休に夏休みと、中国からの観光客がやってくるイベントが控えています。早めのニーズ把握、準備を進めていきましょう。さて今回は最近ニュース報道で注目されたあるキーワードを追ってみたいと思います。そのキーワードとは 「鹿」。今年2月に多くのメディアが報じた 「奈良で鹿にかまれる外国人訪日観光客増加、8割が中国人」 というニュースをご覧にな...
![ツイートリスト「#宮島の鹿]。自治体を責めるものも散見される](2018-07/19-ethicalanimaltourism/pic2.jpg)
宮島ではシカへの餌付けは禁止です。これに対し一部の人々が痩せすぎている・かわいそうだ・虐待との論調でTwitterなどSNSで批判をしているのです。
動物好きの人の中には動物が利用されている、虐待されていると感じると、周辺情報を確認せずにSNSを通して拡散をしようとする例がありますので注意が必要です。
宮島のシカを管理している自治体は「鹿の頭数が増えすぎている・野生なので餌付け不要・糞害がひどい」などの理由をもって餌やりを禁止しています。どちらにも主張はあるのですが、しかし批判のほうが炎上し拡散されやすい現状があります。
「エスィカル・アニマルツーリズム(倫理重視の動物観光)」を目指そう。海外のSNSやサイトリサーチを
アニマルツーリズムは自治体やDMOなどとの連携も多くなり、失敗すると地域全体に批判が跳ね返ってきがちです。
「日本の動物園は狭くて動物が檻に閉じ込めているから悲しい気分になる」というコメントはSNSでよく見かける批判です。それぞれの動物園ではなく日本の動物園として批判されてしまうのです。
クルーエル・アニマルツーリズムの反対語としてエスィカル・アニマルツーリズム(倫理重視の動物観光)という言葉が使われます。
動物をただ見世物にして金儲けしているのではなく保護や環境づくりを重視し、そのための収益サイクルとして動物観光があるという主張です。
これからのアニマルツーリズムにおいては、「エスィカル・アニマルツーリズム(倫理重視の動物観光)をサポートしています」というコミュニケーションをすることが非常に大事になってくるのです。
まとめ:アニマルツーリズムは諸刃の剣だが、地方自治体やDMOの意識とコミュニケーション力が問われる
「動物が愛しい」と感じる気持ちを満足させる観光手法がアニマルツーリズムです。動物でお金儲けしているのが透けて見えると手痛いしっぺ返しを受けます。動物は大きな観光資源であることを認識し、動物愛護・環境保護の一環として「エスィカル・アニマルツーリズム(倫理重視の動物観光)をサポートする」という姿勢・コミュニケーションが大事です。
奈良公園の鹿、地獄谷野猿公苑のサル…実は「動物」もインバウンドでは立派な観光資源!訪日客からの人気高まる「アニマルフォト・ツーリズム」が地方
動物を目的に海外旅行することをアニマルツーリズムと言います。「オーストラリアにコアラを見に行く」「タイに象を見に行く」など、日本人も知らず知らずのうちにやっています。海外ではアニマルツーリズムはとても盛んで、日本に来る訪日外国人の間でも、奈良公園の鹿、地獄谷野猿公苑のサル、北海道のキタキツネなどアニマルツーリズムの人気が高まっています。インバウンドの大きな観光資源となる野生動物たち。野生動物と人間はあまり触れ合わない日本の文化の中で、彼らとどう付き合っていけばいいのでしょうか?訪日客の地方...
訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションを資料で詳しくみてみる
【7/9開催】消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント
2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。
これだけ市場が大きく、経済インパクトのある中国インバウンド。 いま多くの企業が「中国向けに本格的な戦略を立てるべきではないか?」と検討を始めています。
しかし中国では、Googleをはじめとする多くのサービスに規制があり、中国現地のSNSや地図サービスを活用するなど、独自のカスタマイズされた対策が必要です。
本セミナーでは、インバウンド戦略の基本を押さえた上で、「中国市場の最新動向」と「具体的な対策」について、わかりやすく解説します。
<本セミナーのポイント>
- インバウンド戦略の基本が学べる!
- 中国インバウンド市場の規模と最新トレンドがわかる!
- 中国特有のSNS・地図アプリを踏まえた対応策を学べる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント【7/9開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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