今国会において「カジノ法案」と言われる「統合型リゾート(IR)実施法」が成立しました。日本でも本格的にカジノ開設に向けた準備が始まります。カジノは統合型リゾートを構成する施設群の一部であり、床面積で通常5%未満にすぎません。しかしその売上の80%を生み出す利益性の高い施設です。このカジノの運営の成否が統合型リゾート(IR)全体の成否に繋がると言ってもいいかも知れません。
法案成立を受けてカジノの運営を任されるIRオペレーターと言われる外資企業が本格的に日本参入を始めます。IRを導入する各地方自治体における議論に注目すると同時に、これらIRオペレーターのことを知っておくのはインバウンド業界にとって重要です。
世界最大のエンターテイメント企業群であるIRオペレーターについて、2018年4月27日(金)・28日(土)に行われた『第1回 関西 IR ショーケース 開催レポート』への参加企業を6社を、どーんとまとめてみました。
ついに「カジノ法(IR法)」が成立!なぜ各地方が誘致に挙手?→1箇所で6000億以上の経済効果、2000億の税収が見込めるから:まずは全国3
今国会において統合型リゾート(IR)実施法が成立しました。これを元に政府はカジノの開設に向けた準備を本格的に進めることになります。しかしこの後には実際にIRを導入する各地方自治体における議会承認〜国の認定が必要となりますので、IR導入を検討している各自治体レベルでこうした議論が進んでいくこととなります。それでは今回成立した「カジノ法案」と言われる「統合型リゾート(IR)実施法」によって何がどうなるのかを改めてご説明しましょう。インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる「翻訳・多言語...
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
日本のカジノ市場参入を表明した「外資IRオペレーター」6社のカオスマップ
日本でのカジノ構想が現実的になりはじめ、今回「統合型リゾート(IR)実施法」が実際に成立したことにより、「外資IRオペレーター」が参入を表明しています。まずは6社の勢力図をカオスマップとしてまとめたのでご紹介しましょう。
各社の特徴を見てもわかるように、IRには賭場としてのギャンブルだけでなく、実に総合的なホスピタリティとエンターテイメント力が求められるため、どの事業者が日本版IRを担当するかによって、その様相は大きく様変わりしていくでしょう。
それでは、各社の特長などをみながら、「IRオペレーターとはなんなのか」を把握していきましょう。
シーザーズエンターテイメント
カジノの街・ラスベガスから生まれ、世界で約50のカジノ・ホテル・リゾートを運営している創業80年の老舗IRオペレーター。
シーザーズエンターテイメントが運営しているラスベガスのカジノは世界の人気カジノランキングで3位ぐらいに入ることが多く、非常に評価の高いIRオペレーターです。
第1回関西IRショーケースでは、展示企画の一環として360度体感型のIRシアターを設置するなどエンターテイメント企業としての矜持も高く、世界の一流アーティストをブッキングしたショーも得意としています。
2017年時点ですでに日本法人オフィスを立ち上げ、ホームページも充実しています。
【カジノ法案】いよいよ月内にIR実施法案成立か?日本人の知らない「世界の人気カジノ・ランキング」インバウンド担当者なら知っておきたい人気の秘
IR(統合型リゾート)実施法、いわゆるカジノリゾートをめぐる議論が日本で大詰めを迎えています。今月6日にはギャンブル等依存症対策基本法案も可決・成立し、与党はこの7月22日に参議院本会議でのIR実施法案成立を目指しています。いよいよカジノの日本上陸は秒読みとなりました。IR実施法案では、日本国民のカジノ入場料が6000円となっており、これが高いのか安いのかは議論が分かれるところです。世界のカジノ先行国におけるランキングと入場料を比較し、カジノ入場料6000円は高いのか、安いのかを探っていき...
ギャラクシー・エンターテインメント・グループ
2002年にとマカオ特別行政区政府からカジノ・ライセンスを取得したマカオのカジノ市場3位のIRオペレーター。高まる中国の消費意欲をバックに高級リゾート路線の経営を進めてきました。
ギャンブルをあえてゲーミングと呼び、拠点であるマカオを「観光とレジャーの世界的な中心地」にすることを公約しています。
【年2.9兆円の経済効果】カジノ入場料「6000円」で合意 全国3箇所へ:IR実施法案に関して自公協議決着 今国会での成立を目指す
2020年に向けて、訪日外国人に日本滞在中により多くの支出をしてもらうことを目指し、カジノを中核とするIR実施法案を巡る動きが加速しています。IR実施法案は、高級ホテル、各種商業施設、MICEなどの開催が可能な会議室、カジノなどを含む統合型リゾート(IR=Integrated Resort)の整備を日本国内で目指すもので、シンガポールなど既にIR施設を導入している観光地に続いて、日本でもこうしたIR施設の導入が議論されていますインバウンド対策なにから始めたら良いかわからない?訪日ラボがまと...
ラスベガス・サンズ
ラスベガスでコンピューター関連の展示会ビジネスに携わっていた起業家・シェルドン・G. アデルソンがギャンブルよりもリゾート色の強いカジノを指向して作ったのがザ・ベネチアンでした。
現代のIR2大要素となっている、ビジネス需要とリゾート需要をカジノ業界に結び付け、IR(統合型リゾート)として具体化したのはサンズであった、と言えるかも知れません。
現在、世界最大のカジノ市場となっているマカオでNo.1カジノザ・ベネチアンを運営しているため、日本のカジノ業界にとっても本命馬といえます。日本版IRのお手本とされているシンガポールのマリーナベイ・サンズも、サンズが運営しているカジノです。
観光庁 田村長官記者会見から伺う、今後のインバウンド…キーワードは「欧米豪・地方誘致・ナイトタイムエコノミー・消費額増大・民泊拡大」
2017年8月16日に国土交通省会見室において、観光庁の田村長官が記者会見を行ない、2017年7月の訪日外国人旅行者数、4-6月期の旅行・観光消費動向調査についてコメントを発表しました。その中から観光庁としての見解をいくつか見ていきましょう。インバウンド受け入れ環境整備についてより詳しい資料のダウンロードはこちら「翻訳・多言語化」に関する詳しい資料のダウンロードはこちら「多言語サイト制作」に関する詳しい資料のダウンロードはこちらバーコードやQRコードを活用した多言語ソリューション「多言語化...
メルコリゾーツ&エンターテインメント
世界で一番人気のあるカジノ・タウンは中国・マカオですが、そのマカオで人気トップ争いを繰り広げているのが、メルコリゾーツ&エンターテインメントが運営するシティ・オブ・ドリームスと、前述のサンズが運営するザ・ベネチアンです。サンズとともに世界カジノ界の頂上をなす一角といえます。
日本法人の設立はやっと2017年11月末に行われたばかりですが、すでに公式ホームページも立ち上がっています。マカオやマニラでトップレベルのカジノを運営している実力のあるIRオペレーターだけに今後の動きは速いかも知れません。
日本でのカジノ導入の争点がギャンブル等依存症対策であることを既に理解して対策も立てており、入退場管理制限システムを構築すると公表しています。
合同会社 日本MGMリゾーツ
1924年に設立された世界的な映画会社MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー・スタジオ)のホテル・カジノ部門がMGMリゾーツのルーツ。
リゾート経営の手腕はもちろん高く、ハリウッドとの繋がりがあったためミュージカル的要素の強いエンターテイメントショーには非常に力を入れています。
日本のIRリゾートではクール・ジャパンや伝統芸能といったメイドインジャパンのコンテンツをエンターテイメントショーに採用することを明言しており、HP上にもそういったイメージ写真が複数見られます。
ゲンティン・シンガポール
2010年1月シンガポールにオープンしたリゾートアイランドセントーサ島を運営しています。マレーシアに拠点を置くリゾート開発グループゲンティン・グループのシンガポールにあるグループ企業です。
セントーサ島のIRの特徴はユニバーサルスタジオシンガポールを中心にファミリー向けエンターテイメントに力を入れていることです。ゲンティン・シンガポールのセントーサ島にかぎっていえばカジノのギャンブルはあまり調子が良くなく、ファミリーリゾートとしては好調なイメージを与えるプレスリリースも見受けられます。
日本でも五輪需要に向け整備進む IR(統合型リゾート)推進法:カジノ、公営賭博、パチンコ店のインバウンド対応ってどうなってるの?
海外では、観光客が立ち寄る場所として一般的な施設という印象が強い カジノに代表される賭博施設 ですが、日本では現時点でこうした合法カジノはありません。その代わりに海外にはない 公営競技という名称で呼ばれる公営賭博 、そして 風営法のもとで遊技とされるパチンコ が存在します。こうした カジノ、公営賭博、パチンコとインバウンドの関係 はどうなっているのでしょうか。インバウンド受け入れ環境整備の資料を無料でダウンロードする「翻訳・多言語化」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料...
まとめ:日本のインバウンド業界で官営カジノに参入する外資IRオペレーター企業・IRには総合的なホスピタリティとエンターテイメント力が求められる
IRには賭場としてのギャンブルだけでなく、実に総合的なホスピタリティとエンターテイメント力が求められます。そのため、どの事業者が日本版IRを担当するかによって、その様相は大きく様変わりしていくでしょう。
訪日外国人をターゲットにしている、とは言いながら、日本国内において日本の税金で建設・運営されることになるIR事業。巨額の税金を投入するからには、誘致自治体へのアプローチと同時に、国民全体への丁寧な説明も欲しいところです。今回参加の名乗りを上げた各社のHP等を見ると、どれぐらいパブリック・コミュニケーションに力を入れているか、各社ごとにその取り組み具合が伝わってきます。今後、IRの行方をインバウンド業界全体として見守る必要がありそうです。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
【その経済効果80兆円】インバウンドにおいて手付かずの成長市場である「ナイトタイムエコノミー関連市場」とは
未開拓の夜間市場の活用 を行うことが、大きな経済的インパクトを発生させるということで、日本でもナイトタイムエコノミーが大きな注目を集めています。 日本政策投資銀行、日本政策投資銀行がアジア8地域、欧米豪4地域の訪日外国人観光客旅行者を対象に行なった調査によると、「日本旅行で不満だった点は何ですか?」という質問に対して、「ナイトライフ(バーやクラブ・ナイトマーケット等)体験」という回答が7番目に多い回答となっています。日本の観光活性化策は昼間にどこを観光してもらうかという視点が中心であり、夕...
観光地も観光客を選ぶ時代に!?外国人観光客向けに「観光税」を課すアムステルダムの取り組みが面白い!世界中で海外旅行ブームの中
訪日ラボの記事でもご紹介している通り、外国人観光客が増加傾向にあるのは日本のインバウンド市場のみならず、他の多くの国でも然り。UNWTOの資料によると、2017年の1月から6月の間に海外旅行をした人の数は、全部で 5億9,800万人 となっており、今年初め6カ月でも 3,600万人の増加 を記録しています。世界中で海外旅行のアクティビティになりつつなる中、外国人観光客が増え過ぎた観光地では観光地の景観整備を目的に新たな取り組みをしています。インバウンド受け入れ環境整備についてより詳しい資料...
<参考>
- 第1回 関西 IR ショーケース 公式HP
- シーザーズ・エンターテインメント 公式HP
- シーザーズ・エンターテインメント、第1回関西IRショーケースにて360度体感型IRシアター設置
- ギャラクシー・エンターテインメント・グループ 公式HP
- ラスベガス・サンズ 公式HP
- メルコリゾーツ&エンターテインメント
- マカオやマニラでIR(統合型リゾート)を展開するメルコリゾーツ&エンターテインメントが日本法人設立
- 合同会社 日本MGMリゾーツ 公式HP
- ゲンティン・シンガポール、日本オフィス開設 セントーサでIR運営
【インバウンド情報まとめ 2024年11月後編】中国、タイの2025年祝日発表 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国、タイの2025年祝日発表 ほか:インバウンド情報まとめ【2024年11月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!