茨城に台湾からの訪日外国人が多く訪れています。これは今年2018年3月に就航した、茨城と台湾を結ぶチャーター便などの影響もあります。茨城ではこうした流れを受けて訪日台湾人の受け入れ体勢の整備を進めています。また7月からは、7年ぶりとなる韓国との定期便の竣工も予定されています。茨城のこうした状況に関して詳細に見ていきましょう。
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3月に茨城と台湾を結ぶチャーター便が就航
これは台湾に本社を置く格安航空会社の「タイガーエア台湾」のプログラムチャーター便で、10月25日までの期間限定で毎週月、木の週2便の運航スケジュールとなっています。なお、3月26日には第一便が到着。
駐機場で県立大洗高校のマーチングバンド部が演奏するなどして、台湾からの観光客を歓迎しました。なお、式典には茨城県の大井川知事のほか、タイガーエア台湾の黄商務長が出席、就航を祝っています。
7月には茨城と韓国を結ぶ定期便が就航
韓国の格安航空会社(LCC)であるイースター航空による、茨城とソウルを結ぶ定期便が、7月31日から就航を開始しました。火、木、土の週3便の運航スケジュールとなっています。同社は今年2−3月にかけて茨城〜ソウル間のチャーター便を運航していました。
今回の茨城〜ソウル間の定期便の復活は、茨空港の開港時に就航していたアシアナ航空が2011年3月の東日本大震災で運航を停止して以来、約7年ぶりの定期便の復活となります。
茨城を訪れる外国人団体客の6割が台湾人
茨城県内を訪れる台湾からの訪日外国人が増加していますが、これには3月に就航した「タイガーエアー台湾」のプログラムチャーター便が影響しています。茨城を訪れる外国人団体客の6割は台湾人だといい、国営ひたち海浜公園、東京ディズニーランドを目当てに訪れる人がなどが増えています。
一方、茨城県の国際観光課によると、茨城県内を訪れる外国人客数に関しては統計がなく、観光庁の統計から茨城県に宿泊した外国人の推移を見ていくと、2015年の訪日外国人の宿泊数は1万2510人、2016年は2万5140人、2017年は1万9520人となります。
なお、茨城県内の2017年の外国人宿泊客は全体で19万1030人。そのうち中国が最多となる5万2630人、ついで台湾、米国、韓国と続きます。
茨城県で進む訪日外国人のための環境整備
観光メニューの整備
せっかく旅行で訪れた人で旅行先に移動に時間を費やしたいと考える人は少ないため、茨城を訪れる訪日外国人に一箇所で観光や体験型観光を楽しんでもらえる場所、観光メニューが求められています。
訪日外国人には人気の高い花の名所などを結びつけ、訪問したいと思わせる事が必要とされています。また、茨城県は県内で約130コースのゴルフ場が存在するなど、全国的にもゴルフ場が多い県であり、台湾や韓国からの訪日客はゴルフ好きが多いことから、こうした特徴を活かすための観光メニューの整備も必要とされています。
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近年、日本各地で「スポーツツーリズム」が盛り上がりを見せています。この背景には インバウンド市場の急激な成長、インバウンドトレンドの「コト消費」化、さらには地方創生のためのインバウンド地方誘致 などがあると考えられるでしょう。例えば、日本でも最近ブームになったサイクリング。レンタサイクルの普及や日本ならではの風景・自然を楽しめるとして、瀬戸内・しまなみ海道や、先日第一弾の取り組みについてご紹介した中国地方のサクラプロジェクトを始めとして各地でモデルルートを作成、PRを進めています。スポーツ...
言語対応の充実
今までも訪日外国人を多く受け入れてきた東京などと比較して、茨城の場合はまだまだ受け入れ体勢の弱さが指摘されており、県内のホテルでは英語、中国語、韓国語の案内表示をするなどの対応を行っています。しかしながら、まだまだきめ細やかな対応は不足している状態です。
そんな中、大洗町の「大洗ホテル」では、台湾からの宿泊客に対応するため、案内役として台湾出身の従業員を採用。ホテルのロビーも中国からの観光客に対応するための簡体字、台湾や香港出身の観光客に対応するための繁体字のパンフレットなどを用意しています。また、ホテルの従業員に対しても定期的な言語研修を行っており、スタッフの言語対応能力の引き上げも行っています。
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クールジャパン戦略の甲斐もあってか、
高級宿泊施設による富裕層の受け入れ
京都など他の地域では「外国人観光客実態調査」によると、中国からの訪日外国人が最も多く宿泊先として選んだのは「ホテル」、台湾の場合は「旅館」となっています。そのようななか、茨城県では富裕層の受け入れ先となる高級宿、有名ホテルが足りないという危機感をつのらせており、大型の補助金による高級宿泊施設の誘致を進めています。
富裕層インバウンド
訪日外国人観光客の急激な増加を理由に、魅力的な観光地域づくりを推進し地域の「稼ぐ力」を引き出す組織であるDMOの必要性は年々大きなものになってきています。DMOは、広域連携DMO、地域連携DMO、地域DMOの3種類に分けることができ、日本国内には現在、計123 のDMOが存在しています。全国のDMOでは地域に訪日外国人観光客を呼び込むためにどのような取り組みを行っているのでしょうか。新潟県・群馬県・長野県の3県にまたがる地域連携DMOである 一般社団法人雪国観光圏 の取り組みに関してご紹介...
まとめ:国や地域ごとの対策をさらに進める方向性も
訪日外国人向けの環境整備として一般的に言われるのは多言語対応、Wi-Fiの整備、トイレの洋式化などです。茨城県のように台湾とのチャーター便、韓国との定期便が就航するなどの背景がある場合、台湾人が日本観光で求めていること、韓国人が日本観光で求めていることは何か?という視点、すなわち「ユーザーイン(マーケットイン)」の視点が必要で、こうした点を抑えることでさらに綿密な対応が可能となります。
訪日香港人観光客のインバウンド対策事例:ユーザーのニーズ、特徴を捉える「ユーザーイン」の発想
リピーター率が81.9%と高い数値を記録している訪日香港人観光客のインバウンド誘致を考える際、従来の「プロダクトアウト」の考え方から離れた対策をとる必要がある場合があります。今回は、その事例をいくつか挙げながら「ユーザーイン」の視点をご紹介していきます 目次訪日香港人観光客が和歌山県を選ぶワケとは?和歌山県の「ユーザーイン」の視点に学ぶインバウンド対策事例レンタカー観光を好む訪日香港人観光客レンタカービジネス『Rail&Drive』に学ぶ対策事例訪日香港人観光客のニーズを把握し「ユ...
そしてその上で、茨城らしさとは何か?という視点を絡めた受け入れ対策が求めれていくでしょう。
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<参考>
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