訪日で頭角を現す大阪「夜のインバウンド」発掘に本腰:「大阪府ナイトカルチャー発掘・創出事業補助金」10事業への交付が決定

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日本には、訪日外国人が気楽に楽しむことが出来る夜のエンターテインメントが少ないと言われています。これは、ホテルへのチェックインや、夕食を済ませた後の夜7時以降、8時以降にあまりすることが無いということでもあります。

22時以降出歩く訪日客激減:夜遊びできず 食後すぐホテルへ…ナイトタイムエコノミーの発掘が急がれる結果に 大阪「外国人夜間動向調査」で

訪日外国人が日本で感じる不満点の1つに 「夜間のエンターテインメントが充実していない」 というものがあります。これに対し、実際に現時点で 訪日外国人は夜間にどのような行動をしているのか? といった調査を大阪観光局 マーケティング室が行っています。この大阪観光局が行っている「外国人夜間動向調査」から訪日外国人の夜間の行動を探ってみましょう。なお今回の分析にはJapan Connected‐free Wi-Fiを利用したユーザーが利用を許諾した情報のログデータとなり、分析対象となっているログは...

ホテル、旅館でただ時間を潰してもらうのではなく、訪日外国人に魅力的なショー、エンターテインメントを夜に開催することで、よりアクティブに日本の夜を楽しんでもらう、さらに消費に繋げてもらうという試みが大阪で進んでいます

大阪府では、「安全で安心して楽しめる24時間おもてなし都市」を目指しており、大阪の夜を楽しむことが出来る観光コンテンツとして、「ナイトカルチャー」の創出を進めています。

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大阪府としてナイトカルチャー事業立ち上げ、事業継続に向けた取り組みへの補助を行う

大阪府は「安全で安心して楽しめる24時間おもてなし都市」を目指すという試みの中で、主に外国人旅行者を対象としたナイトカルチャー事業の立ち上げや事業継続に向けた取組みを支援、将来的には大阪の夜の観光コンテンツとして独立して事業運営をしてもらうことを目指しています。

その取組として、大阪府内でナイトカルチャー事業を実施する事業者に対して、新規事業については、1事業につき「補助対象経費」の2分の1以内、上限金額500万円を、継続事業については、1事業につき「補助対象経費」の2分の1以内、上限金額として250万円の補助金を交付する「大阪府ナイトカルチャー発掘・創出事業補助金」事業を実施しています。

大阪

訪日外国人の目線から見ると、諸外国と比較して日本には夕食を食べ終えた8時から0時頃までのエンターテイメントがなく、日本の夜は退屈だと言われることもあります。「日本でもバーやクラブは深夜まで営業しているじゃないか」という声もありますが、この場合のエンターテイメントというのは、美術館や演劇場などを指しています。海外では美術館や演劇場が9時、10時程度まで開いている場合もあり、その土地を訪れた観光客を楽しませています。こうした夜のエンターテイメント、ナイトタイムエコノミーが充実していれば、訪日外...

大阪府のナイトカルチャー事業は、訪日外国人をはじめとする観光客が楽しめるものであることが前提

大阪府が進めているナイトカルチャー事業に関してはインバウンドの観光客が大阪の夜の魅力を体験することができる事業」とされており、具体的には「音楽、演劇、古典芸能、ノンバーバルパフォーマンスなどの舞台芸術事業」、「和楽器、舞踏、伝統衣装、芸道、工芸等の日本・大阪の文化を体験できる事業」、「アニメ・漫画をはじめとするポップカルチャー等の集客イベント事業」、「その他大阪の魅力を体験できる事業」のいずれかに該当する事業である必要があります。

また訪日外国人を始めとする、観光客が夜に楽しめるコンテンツであることが重要とされているため、開始時間に関しては18時以降、終了時間に関しても20時以降であること、年間の実施回数が10回以上かつ実施日数が5日以上であることなどの制限があります。

個性豊かな10事業への補助金交付が決定

さて、この「大阪府ナイトカルチャー発掘・創出事業補助金」事業に関して、平成30年2月20日(火曜日)から平成30年3月27日(火曜日)まで募集をしたところ、18件の事業計画の提出がありました。

事業の実施体制や実現性、計画及び内容、事業の継続性、今までにない新たな取組みであるかどうか、ニーズや規模、インバウンド対応等が十分考慮されていることなどの選定基準をもとに、大阪府はこのうち10事業に補助金の交付を決定しています。どのような事業が集まったのかを簡単にご説明しましょう。

DOTONBORI “ENGEI” FESTIVAL 2018(仮称)

事業主は日本の大手レコード会社である「エイベックス・エンタテインメント株式会社」で、J-POPアーティストによるライヴ・パフォーマンス体験を訪日外国人向けに提供するもの。

日本の芸術文化を体験するJapan Popculture Trial

事業主は「株式会社近鉄百貨店」で、殺陣、和楽器等の芸術文化のパフォーマンス、ワークショップ、写真撮影会を行い、日本の芸術文化を訪日外国人に楽しんでもらうことを目的としています。

道頓堀presents フードミュージカルGOTTA~Christmas night party

事業主は「株式会社バイタルアートボックス」で、道頓堀を舞台に繰り広げられるフードスターの観客体感型新感覚エンターテイメントであるフードミュージカルGOTTAは、既に食とライブエンターテイメントの街・道頓堀を堪能出来るショーとしてロングラン公演を続けています。世界最高クラスのプロジェクションマッピングなど、ノンバーバルで楽しめるコンテンツとなっています。

The Japanese Idol Show~ザ・ジャパニーズ・アイドルショー~

事業主は「株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー」で、ジャパニーズポップカルチャーの代表格「アイドル」をテーマに、歌あり、ダンスあり、笑いありの、コメディショーです。アイドルたちがポップス・アニソン・洋楽など様々な曲を歌ったり、お笑いに挑戦したり、芸人パフォーマーが劇中でネタを披露するなど、明るく賑やかで、誰もが楽しめるノンバーバル公演となっています。

ノンバーバルエンターテインメント「REVUE JAPAN」公演

事業主は「株式会社OSK日本歌劇団 」で、和と美を兼ね備えた日本舞踊、刀を着用した殺陣など、ダンスを中心に組み合わせることにより、日本語の分からない外国人も楽しめるノンバーバルのエンターテインメント日舞ショーとなっています。

OSAKAトラディショナル・エンターテイメント

事業主は「関西舞台株式会社」で1公演90分の訪日外国人も楽しめるエンターテイメントショー。伝統芸である文楽を、初めての人にもわかりやすく落語家が文楽の世界を説明、太夫の語りの迫力、太棹三味線の音色の素晴らしさ、間近に見る人形の美しさを楽しめるショーとなっています。

そとばこまち ノンバーバルエンターテインメント

こちらも事業主は「関西舞台株式会社 」で殺陣やダンスに伝統芸などを取り入れたチャンバラ活劇となっており、訪日外国人にも楽しめる内容です。

OSAKA NIGHT REVOLUTION 2018

事業主は「株式会社TryHard Entertainment Japan」でダンスミュージックをコアにアニメソング、アイドル、和楽器など日本独自の音楽性を取り入れ、そこにダンスパフォーマンスや先端映像技術をコラボレーションさせることで、アーティストと観客が一体となって観客参加型で楽しめる新感覚ライブエンターテイメントとなっています。

Ninja Night in OSAKA『忍者竹取物語』

事業主は「ハイ・パートナーズ株式会社」で、日本の昔話「竹取物語」をモチーフにした時代劇です。訪日外国人にも人気が高い忍者が繰り出す忍術や、オタク、鬼、豪商、武者など個性あふれるキャラクターが登場し、迫力ある殺陣が繰り広げられるエンターテインメント時代劇となっています。

Experience True Japanese Culture(上方伝統芸能によるナイトカルチャー創出事業)

事業主は「公益財団法人山本能楽堂」です。大阪は、能、狂言、文楽、上方舞、落語、講談、浪曲、女道楽、お座敷遊びなどの上方伝統芸能が豊かな育まれた「文化集積都市」と言えます。この事業ではこうした、大阪で伝えられてきた能楽、文楽、落語等の「本物の」上方伝統芸能を外国人観光客も一緒に楽しめるよう様々な事業を実施して訪日外国人を楽しませることを目指しています。

実際の訪日外国人の集客、口コミの獲得が重要

今回、大阪府が「平成30年度大阪府ナイトカルチャー発掘・創出事業」として補助金の交付先を10事業に決定しました。しかしあくまでこれはスタート地点であり、この後に重要になってくるのが、こうした訪日外国人向けのエンターテインメントに対して、いかに多くの訪日外国人観光客を呼びこんでいくか、そして参加してくれた訪日外国人観光客から、1つでも多くの良い評価の口コミを獲得出来るかということです。

こうして集まった優良な口コミはさらに多くの訪日外国人観光客を呼び込むコンテンツとなるという意味で重要になってきます。そして、先日の「海外&インバウンド マーケティング2018」での講演で大阪観光局 溝畑宏理事長が力説していたように、最終的には「どれだけカネが落ちたか」が重要になってくるのです。

「データを見よ!何人来たかより、いくら消費されたが重要!」海外&インバウンド マーケティング2018に見た

小売業界をはじめとして日本中を震撼させた、2015年の「爆買い」現象からはや3年。この年を日本のインバウンドビジネスの目覚めとするのであれば、今年2018年は、2020年に向けた跳躍の年と言えるかもしれません。「とにかく、中国人を始めとした訪日外国人を集客し、多言語対応や免税店対応で爆買いを狙う」…そんな時代は終了し、現在ではインバウンド需要の「コト消費」の流れをうけ、インバウンドビジネスも、日本のモノ・コト・文化を体験してもらおうという体験型ツーリズムがメインストリームとなっています。そ...

大阪府はこの他にも、統合型リゾート(IR)の誘致にも名乗りをあげており、訪日外国人向けのナイトカルチャーが醸成された状態で統合型リゾート(IR)の誘致をすることが出来れば、観光収入の大幅増が期待出来ると言えるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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