【海外の反応】「COME ON! 関門!」下関市北九州市PRムービーの再生回数1億回超え

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福岡県北九州市と山口県下関市が共同で制作した2分半ほどの観光PR動画「COME ON! 関門!~海峡怪獣~」が2017年3月に公開されました。北九州市と下関市を隔てる「関門海峡」を舞台とした「ゴジラ」を彷彿とさせるSFチックな演出が話題を呼んでいます。

音声は英語ですが、日本語・中国語(簡体字・繁体字)・タイ語・韓国語の字幕版も同時に公開されました。日本語字幕版の視聴回数は1億4千万回を超えており(2020年5月時点)、そのほかのバージョンでも視聴回数をのばしています。

このように近年、多くの都道府県や市町村の自治体が、地域の観光振興のために観光PR動画をつくっています。多言語で公開されている動画も多く、地方自治体が日本人だけでなく外国人観光客の誘致にも力を入れていることがわかります。

今回の記事では、このPR動画の意図や、海外で話題となった理由をお伝えします。

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怪獣が転ぶ=観光PR?:「COME ON! 関門!~海峡怪獣~」はどんな内容?

この「COME ON! 関門!~海峡怪獣~」という動画は、福岡県北九州市と山口県下関市が共同で制作した観光PR動画です。北九州市と下関市を隔てる、潮流が速いことで有名な「関門海峡」が舞台となっています。

この動画は、ボール遊びをしていた男の子たちの前に、突如関門海峡から巨大な怪獣が現れるところから始まります。上陸を試みる怪獣を見て、市民たちはあわてて逃げまどいます。叫び声をあげながら逃げる市民の様子や、親とはぐれて泣く女の子の様子は、まさにSF映画さながらです。

しかしその怪獣はというと、関門海峡の速い潮流に足をとられてぐらついたかと思うと、大きな波しぶきをあげて転び、海に水没してしまいます。あっけにとられる市民エキストラがぱらぱらと拍手をする様子が映されたあと、最後に「流れがはやい。全部がすごい。」というキャッチコピーが出て、動画は終わります。

PR動画としては、関門海峡の潮流の速さが押し出されているといえるでしょう。

動画でPRされた関門海峡とは?

さて、PR動画が公開されたことで話題を呼んだ関門海峡ですが、どのような場所なのでしょうか。

関門海峡は潮流が速いことで有名で、速い時には10ノット(時速18km)を超えるといわれています。本州・九州間を歩いて移動することができる「関門トンネル」は、世界的にも珍しい海の下に設置された人道トンネルです。

関門海峡は多くの歴史的な出来事の舞台にもなっています。源平最後の対決である壇ノ浦の戦いは、ここ関門海峡で起こりました。1612年に宮本武蔵と佐々木小次郎が相対したことで有名な巌流島も、関門海峡にあります。

また、周辺には旧英国領事館など明治期の歴史を感じさせる建造物が点在し、景色だけでなく文化や歴史も感じることができます。

「怪獣が転ぶ」動画の意図とは?

そんな「関門エリア」をPRしようと北九州市・下関市が制作を決めた「COME ON! 関門!~海峡怪獣~」ですが、その制作陣はとても豪華です。

監督はJR九州やサントリーなど多数の企業CMを手掛け、東京五輪招致映像も制作した江口カン氏が務めました。

また、動画に登場する怪獣「海峡怪獣カイセンドン」は、北九州市・下関市の名産であるフグ・カニ・タコが融合した怪獣という設定ですが、この「カイセンドン」のCGは、人気映画「シン・ゴジラ」を制作した会社が担当しました。

▲関門PRムービー「COME ON! 関門!」/出典:YouTube

▲関門PRムービー「COME ON! 関門!」/出典:YouTube

この動画は、各地方自治体がさまざまなPR動画を公開するなかでも、多くの人に見てもらえるようにという意図でつくられたといいます。下関市は動画をきっかけとして、海峡観光の振興を目指し、怪獣「カイセンドン」をモチーフにした料理の提供や、動画と同じアングルで撮影できるスポットの聖地化などに取り組むということです。

海外の反応は?なぜウケた?

この「怪獣が転ぶ」動画は海外で大きな反響を呼びました。

この動画の音声は英語ですが、日本語・中国語(簡体字・繁体字)・タイ語・韓国語それぞれの字幕版も公開されています。動画サイトYouTubeの日本語字幕版のコメント欄には、上記の以外にもベトナム語、スペイン語、ロシア語、トルコ語などさまざまな言語のコメントが寄せられていました。

▲関門PRムービー「COME ON!関門!」コメント欄/出典:YouTube

▲関門PRムービー「COME ON!関門!」コメント欄/出典:YouTube

海外からのコメントとしては、「ナイス」「このモンスターに何が起きたんだ?」というようなものが多く見られました。「意味がわからなかった」というコメントに関しては「潮流が速いからモンスターが転んだんだよ」という説明のコメントがつけられていました。他にも、「この動画がきっかけでこの橋に行った」というコメントも見られました。

海外の視聴者には、「ゴジラ」を知っている人も多くいたようです。ゴジラのような巨大怪獣が登場したからにはさぞかし暴れるのだろう、という予想を裏切り、あっけなく倒れる姿が滑稽にうつったのだと考えられます。

認知度向上で地方誘致も期待

「COME ON! 関門!~海峡怪獣~」の動画は6言語で視聴することができますが、この動画の公式サイト「どうした?関門海峡」も多言語公開されており、同じく6言語で見ることができます。公式サイトでは簡単ではあるものの、写真をまじえながら関門エリアの紹介がされています。

動画を通して地域の認知度向上に成功したことは間違いないでしょう。海外の反響も大きく、実際に動画を見て訪れたという人もいるようです。これからもさらなる効果に期待したいところです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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