JNTOドイツ事務所を取材/7つの”パッション”を刺激する動画が反響、欧米豪インバウンドを掘り起こす施策とは?

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昨今、観光庁は欧米豪からの訪日外国人を重要視するようになっています。日本までの移動距離が長いとしぜんに滞在期間も長くなり、そのぶん日本で消費する金額も多くなります。今回は、ヨーロッパの真ん中あたりを担当するドイツのフランクフルト事務所で、ドイツ語圏からの訪日外国人についてお話を伺ってきました。

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ドイツ語圏と中欧地域を担当するフランクフルト事務所

JNTOフランクフルト事務所の担当地域は、ドイツ、オーストリア、スイスのドイツ語地域、クロアチア、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、ハンガリー、ブルガリア、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、モンテネグロ、ルーマニアと広範囲にわたります。現在は、事務所がフランクフルトにあるということもあり、約9割の事業がドイツ国内で行われています。

▲左から高野洋子所長、アンジェラ・トロイズィ氏、今崎芙美次長、古田真敏次長
▲左から高野洋子所長、アンジェラ・トロイズィ氏、今崎芙美次長、古田真敏次長

ロングホールで旅行しているドイツ語圏の人にアプローチ

フランクフルト事務所では、ドイツ語圏の旅行者に向け、ユーチューブなどといったウェブメディアや雑誌を利用して、特にロングホールで旅行している人々にアプローチしています。

今年は、7つのパッション(興味関心)として、例えば食、自然など旅行者が旅行先に求めるものテーマにして欧米豪向けのムービーを作成しました。旅行先としての日本をまだ知らない層をターゲットにしていて、ドイツもこのプロジェクトの対象でした。


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▲東北キャンペーンページキャプチャ:JNTOより
▲東北キャンペーンページキャプチャ:JNTOより

タイは日本の約4倍のドイツ人旅行者を受け入れている

2017年の統計では、195,606人のドイツ人旅行者が日本を訪れています。一方、ドイツの旅行者は旅行先として、アジア圏ではタイを好み、タイへは849,283人もの旅行者が訪れています。

ドイツの旅行会社では、格安のタイ旅行のパッケージツアーが販売されていますし、長期休暇をとることができるので、ゆったりしたリゾート型の旅行を好み、このような大きな数字になるのでしょう。

▲日本政府観光局(JNTO) フランクフルト事務所が入る建物
▲日本政府観光局(JNTO) フランクフルト事務所が入る建物

紙媒体と口コミが強い地域性

ドイツ語圏の特徴として、旅行情報を得る手段として紙媒体が強いということが挙げられます。どういうことかと言うと、世界的には、ウェブ上から旅行情報を集める旅行者が多いのですが、ドイツでは旅行ガイドブックの類もよく利用されているのです。

また、口コミも強いです。家族や友人や会社の仲間などから、「どこそこに行ってよかった」と聞くと、俄然興味を持つという具合です。信頼できる筋からの情報ならば確かだろう、と思うのでしょう。

SNSでは、ドイツ語のハッシュタグを活用

JNTOフランクフルト事務所では、ツイッター、インスタグラム、フェイスブックといったSNSを利用して、積極的に日本観光の情報を発信しています。

特に、インスタグラムに力を入れており、英語だけでなく、ドイツ語のハッシュタグをつけ、ドイツ語圏の旅行者がアクセスしやすいように心がけています。ドイツでは、英語を理解する人は多いですが、ドイツ語で検索する人が多いですし、英語のハッシュタグは数が多いため、せっかくの情報が埋もれてしまうからです。

まとめ

ドイツ人は旅行好きの国民性で、休暇にはよく海外旅行にでかけます。残念ながら、まだ日本は、魅力的な旅行先として認知されているとはいえません

旅行先としての日本をまだ知らない層をターゲットにした7つのパッション(興味関心)の試みをドイツで行ったということも、この潜在マーケットの掘り起しの一環ですし、SNSでの積極的な情報発信も地道なアプローチです。

フェイスブックでフォロワーからの質問に丁寧に返信するなど、JNTOフランクフルト事務所のドイツらしい律義さが実を結ぶ日は近いと思います。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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