ここ近年は大自然豊かな地方都市での「農業体験」「宿坊体験」「酒蔵見学」といった日本の生活が垣間見える「文化体験(コト消費)」への需要が高まっています。経済産業省が公表している「平成27年度地域経済産業活性化対策調査報告書|観光庁 - 国土交通省」を見てみると、以下のように記載されています。
「モノ消費」:個別の製品やサービスの持つ機能的価値を消費すること。
「コト消費」:製品を購入して使用したり、単品の機能的なサービスを享受するのみでなく、個別の事象が連なった総体である「一連の体験」を対象とした消費活動のこと。
つまり「モノ消費」とは商品やサービスそのものに価値を見い出すこと、「コト消費」は商品やサービスによって得られる"体験"に価値を見い出すことをいいます。
このような流れを受け、多くの旅行代理店では体験ツアーを組むなどさまざまな施策をおこなっています。どのような体験ツアーが人気なのか、訪日外国人観光客から人気・おすすめの体験プログラムやツアーを紹介します。
インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる- 「翻訳・多言語化」を資料で詳しくみてみる
- 「多言語サイト制作」を資料で詳しくみてみる
- 「多言語化表示サービス」を資料で詳しくみてみる
- 「テレビ電話型通訳サービス」を資料で詳しくみてみる
- 「訪日外国人向け道案内」を資料で詳しくみてみる
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
ニューツーリズムとは?
インバウンド市場で度々耳にする「ニューツーリズム」とは、旅行先での人や自然との触れ合いが重要視された新しいタイプの旅行スタイルです。観光地での買い物が旅の大きな目的ではなく、その土地ならではの文化や地域住民と触れ合うことを目的としています。
観光庁が発表した「テーマ別観光による地方誘客事業|観光庁 - 国土交通省」では、インバウンド対策に向けて下記のようなテーマを打ち出しています。
古民家等の歴史的資源
古民家とは、昔からの生活様式(暮らし文化)がおさまった伝統的建築物(歴史的建築物)を指し、これらを活用した宿泊施設や飲食店等に訪れ、日本の伝統的な暮らしや文化を体験することを目的としたものです。
観光庁は古民家等を含む歴史的資源を利活用し、誘客促進を行うと共に、資金調達等のノウハウを全国各地の事業者やオーナーに向けセミナーを開催しました。観光庁のウェブサイトでは各地の好事例を発信し、古民家等の歴史的資源を観光資源として利活用しながら誘客に取り組めるよう支援しています。
ロケツーリズム
「ロケツーリズム」とは、映画・ドラマのロケ地を訪ね、風景と食を堪能し、人々の“おもてなし”に触れ、 その地域のファンになることです。
映像を通して“地域の魅力を再発見”するきっかけを作り、「ロケ地」を観光資源として活用することで効果的なシティセールスにつなげ、国内外からの誘客を狙うことが目的です。観光庁では全国の自治体や観光関連団体、企業等に向けセミナーやグループワーキングを開催し、各地でロケツーリズムに取り組むための様々なノウハウを共有しています。また、全国版のロケ地マップの作成や、マニュアルの作成、人材育成、地域間・企業との連携推進、ツアーの造成等に取り組んでいます。
アニメツーリズム
「アニメツーリズム」とは、アニメに登場する土地やゆかりのある地域を巡る旅のことです。アニメに登場する土地や場所をファンの間では「聖地」といい、聖地をめぐることを「聖地巡礼」と呼びます。
日本の優れた文化のひとつ「アニメ」を世界に発信する手段として、全国各地の旅行会社や地方自治体では聖地巡礼ツアーを開催しています。
日本のみならず海外でも高い人気を誇るのが『ちはやふる』です。『ちはやふる』は、末次由紀による日本の少女漫画で、2016年には映画も公開されました。シリーズ3作目となる『ちはやふる -結び-』は、土日2日間で動員21万人、興収2億5700万円を記録。第7回ロケーションジャパン大賞も獲得しています。
聖地巡礼スポットとなっている滋賀県大津市は、近江神宮を「かるたの聖地」として地元のPRにつなげています。訪日外国人観光客向けの多言語マップをつくるなど、地方創生の戦力となっています。
地方の活性化にも期待できる訪日外国人観光客におすすめな体験プログラム・ツアー
酒蔵ツーリズム
「酒蔵ツーリズム(酒蔵ツアー)」とは、新潟や長野県といった歴史ある酒蔵を見学し、地方の郷土料理や日本の文化を肌で感じてもらおうというツアーです。ただ単に酒蔵をまわるのではなく、日本酒をテーマにしたイベントの開催により、日本酒ブランドの価値をさせることができます。
見学だけでなく飲み比べができる酒造もあり、訪日外国人から人気を集めています。
蕎麦打ち体験
日本人に馴染みの深いそばは、訪日外国人観光客からも人気の高い日本食のひとつです。食麺処サガミを展開する株式会社サガミチェーンは、そば打ちの体験施設「蕎麦工房サガミ」を開設しました。そばを「打つ」「湯がく」「食す」という一連の体験ができるというもので、体験時間コースの時間は1時間15分~1時間45分程度となっています。
また、英語と中国語での対応も可能なため、言葉が通じないというコミュニケーションの問題も解決もできます。そば打ち体験は土日限定で完全予約制です。今後さらに増えることが予想される訪日外国人観光客に向けて「体験型」のコンテンツを提供することで、日本の食文化の魅力を余すことなく伝えられます。
宿坊体験
インバウンドのキラーコンテンツとなっているのが、お寺での「宿坊体験」です。宿坊体験とは、お寺や神社の参拝者が泊まることのできる宿泊施設です。座禅や写経などの修行ができるほか、精進料理も味わうことができます。精進料理とは、肉や魚を使わずに野菜や果物や海草などを使った料理のことです。
畳の部屋や美しい襖絵、歴史を感じる調度品の数々など、どれもホテルでは経験できないお寺での「宿坊体験」は、多くの訪日外国人観光客から関心を集めています。
サイクリング
広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道サイクリング」は、日本で唯一の海峡を横断する自転車道です。「しまなみ海道サイクリング」では、サイクリングを楽しむ訪日外国人観光客で賑わっています。
目の前にそびえ立つ壮大な山々と道の横に広がる果てしない海を横目に、非日常を味わいながらサイクリングを楽しむことができます。「しまなみ海道サイクリング」は、米CNNにトラベル情報サイトで「世界7大サイクリングロード」としてとりあげられました。
まとめ
日本には、郷土食探訪、宙ツーリズム、忍者ツーリズム、日本巡礼文化発祥の道といった数多くの体験プログラムが充実しています。体験プログラムを充実させることによってインバウンド対策の整備が整えば、地方都市のPRや地方創生につながるほか、人口減少を食い止める手立てにもなるはずです。
<参照>
- 観光庁:政策について テーマ別観光による地方誘客事業
- Wrap:アニメ&カメラ好きにおすすめ! 360度カメラと共に聖地巡礼で思い出を形に残そう
- 訪日ラボ:アニメで地方を活性化/インバウンドでに人気の「聖地巡礼」は地方創生の切り札になる!?
【7/16開催】【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※
外食店舗、支援サービス、業界のトップ企業が集結!
さらに、有名飲食店や外食産業を牽引する企業による特別基調講演も開催。
成功企業のリアルな戦略や、これからの外食業界を生き抜くヒントがここに詰まっています!
最新のトレンドを知り、トップ企業の成功ノウハウを学びたい方、
業界の最前線で活躍する企業とつながり、新たなビジネスチャンスを掴みたい方にぴったりのイベントです。
今こそ、業界の未来を共に創る一歩を踏み出しませんか?
皆さまのご参加をお待ちしております!
<応募者特典>
-
イベント登壇企業の各種お役立ち資料
※口コミアカデミー内でのアーカイブ配信は予定しておりません -
本イベントのアーカイブ動画(1週間)
<本セミナーのポイント>
- 有名飲食店&業界をけん引する企業の基調講演 - 成功企業の戦略や実例を直接学べる貴重な機会!
- 外食業界の最新トレンド&成功ノウハウが手に入る - 変化の激しい市場で勝ち残るための最前線情報をキャッチ!
- 外食業界を支える最新サービス&ソリューションの紹介 - 飲食業界の課題解決につながるアイデアが満載!
- トップ経営者や専門家が語る「成長の秘訣」と「業界の未来」
- 業界をリードする企業が実践するプロモーション戦略やDX事例を公開!
- 効率化や売上向上につながる最新ツール・サービスを知るチャンス
詳しくはこちらをご覧ください。
→【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※【7/16開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!