2019年1月、浜松市が地元でとれた農水産品を「浜松パワーフード」とし、国内外への発信を強化する方針を固めました。農林水産省が認定する「農泊 食文化海外発信地域」の1つに浜松・浜名湖地域が選出されたことを受け、浜松市では訪日外国人観光客に向けたパワーフードをはじめとする地域の食文化のPRを実施中です。今回は、インバウンド誘客に取り組む浜松市が実施している対策を3つ取り上げ、訪日客の地方誘致に向けた自治体の取り組み例として見ていきましょう。
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地域の食「浜松パワーフード」で訪日客にPR
「浜松パワーフード」とは、浜松市が「徳川家康を支えた浜松産の旬の食材」と定義した造語を意味しており、現在商標登録を申請中です。2017年度に浜松・浜名湖地域が「農泊 食文化海外発信地域(通称:SAVOR JAPAN)」として選定されたこともきっかけとし、地元の食文化から国内外に向けた浜松の魅力発信に取り組んでいます。地域の食や農林水産業、伝統文化などの魅力を海外に向けて発信し地域のブランド力を高めることで、訪日外国人観光客のさらなる誘致の促進が期待されるでしょう。
浜松市は「うなぎ・すっぽん養殖発祥の地」としての魅力はもちろん、伝統漁法「たきや漁」や伝統的な醤油搾り、酒蔵見学、フルーツ狩りなど、さまざまな地域の食に関連した体験の提供にも力を入れています。
パワーフードの品目は特に限定せず、幅広い生産者に事業への参加を促しています。官民が協働し、講演会やお祭り、生産者と飲食・加工店舗のマッチング・インターネット上での情報発信など、幅広い観点からパワーフードの認知拡大を図るとのことです。大都市別健康寿命が日本一の実績とともに、「パワーフード」は、浜松市の訪日外国人観光客誘致のキーワードとして活用されています。
農林水産体験のインバウンド向け多言語チラシを製作
2018年5月には、浜松・浜名湖地域の農水産業が体験できる12種類の旅行企画をまとめたチラシを製作しました。「SAVOR JAPAN」に認定されたことを受け、2年間かけて既存や新規の体験企画を見直しました。言語は日本語に加え英語と中国語(繁体字・簡体字)の3言語対応とし、12種類の体験ツアーを「海と湖」「うなぎ」「フルーツ狩り」など5項目に分類して掲載しています。
「海と湖」では、漁師町の伝統食を味わう体験やたきや漁、「蔵作り」では市内の醸造所での醤油やみそ作り、酒蔵見学など、「山里/ファーム」では道の駅「くんま水車の里」のそば打ちやこんにゃく作り・山里歩きを取り上げました。チラシにはツアーの対応言語も明記し、通訳同行のオプションサービスも紹介し、訪日外国人観光客による利用促進も目指します。
浜名湖観光圏で滞在型の観光地域づくりを推進
浜松市は湖西市と観光関係団体とともに、浜名湖観光圏で滞在型の観光地域づくりを推進する2019〜2023年度の整備実施計画をまとめました。浜名湖観光圏は、2019年3月末で国の認定から丸10年の節目を迎えるにあたって、さらなる取り組みの強化を目指します。。観光商品は「食と歴史・文化」「花と寺社と庭園」といった新たな組み合わせが特徴となっており、宿泊客の誘致に取り組みます。
2017年度に浜名湖観光圏を訪れた観光客への調査によると、日帰り客が50%以上、連泊者は8%に留まりました。2019年以降の整備実施計画では、「滞在促進地域」を4箇所、多様な自然とレジャーが楽しめる「交流地区」は3箇所を選定しました。観光資源の充実度をPRすることで、滞在型の観光地域づくりを推進していきます。
欧米で普及しているガストロノミーツーリズムにも着手し、地域ならではの歴史・文化学習・食体験を組み合わせた観光商品をPRするとのことです。浜松におけるガーデンツーリズムは、1年を通じて美しい花と寺社・庭園巡りを楽しめることが魅力の1つです。
まとめ:食や体験で訪日客の地方誘致促進へ
浜松市は、「浜松パワーフード」をはじめとする地域ならではの食文化や体験を魅力として打ち出し、訪日客の地方誘致促進を目指します。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目前に控えた今、地域ならではの特色をPRすることで、インバウンドのリピーター獲得や地方創生に対するさらなる効果が期待されます。
<参考>
- 静岡新聞SBS:「食と歴史」「花と寺社」誘客 浜名湖観光圏、次期実施計画策定
- 静岡新聞SBS:浜松農水産品は「パワーフード」市、訪日誘致へ発信強化
- 静岡新聞SBS:訪日客誘致へ農水産業体験 浜松市、3言語チラシ製作
- 浜松市:農泊 食文化海外発信地域について
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