英語圏(アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなど)からの訪日観光客は毎年重要な位置を占めています。この記事では、英語圏の観光メディアを利用して集客を行う方法や事例を解説します。
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英語圏の観光メディアは集客に効果ある?
英語圏の観光メディアはインバウンドの集客にどれほどの効果があるのでしょうか。各メディアの集客力にもよりますが、英語圏の観光メディアを利用して、訪問客を伸ばすことに成功したケースは多数あります。
具体的にはどのように活用すれば良いのでしょうか?まず考えられるのが、対象の観光メディアに広告を出すことです。これによりサイトを訪問した人の目に止まります。その広告をフックにして自社メディアに連れてくることができれば、さらに地元の魅力を知ってもらえます。
もう一つの活用法は、観光メディアとのタイアップ記事を出すことです。広告同様、サイト訪問者に記事を読んでもらうことによって、対象とする国での認知度が上がります。リピーターであれば大都市以外にも興味がある可能性が高いので、タイアップ記事によって、地方の魅力を詳しく知ってもらえる可能性が上がります。
英語圏向け観光メディアを選ぶ際の3つのポイント
訪日外国人向けのメディアを利用することで、インバウンドの集客を促進できるということをお話ししてきました。しかし、どの観光メディアでも効果が出るということではありません。ここでは、英語圏向け観光メディアを選ぶ際のポイントを3つ紹介します。
1. メディアの対象・認知度
活用したいメディアが、どの国でどれほど影響力のあるメディアかを知ることが非常に大切です。アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアからの集客を強めたいと考えているにも関わらず、選んだメディアが英語圏ではなく東南アジアで認知度の高いものであった場合、適切なプロモーションを行うことができません。自社が対象とするペルソナと、メディアの対象、及びその対象国での認知度を把握する必要があります。
2. メディアの内容
メディアによって掲載する内容は異なります。日本のグルメを特集しているもの、アクティビティに特化しているもの、地方の魅力を発信しているものなど様々です。自社・自店が、その英語圏向け観光メディアが得意としている分野と合っているかを確認してください。
3. PV数
PV数とはページビューの略で、サイトにどれだけのアクセスがあるかを示す数です。その数が多ければ多いほど訪れる人が多い、つまり読者に有益なコンテンツを提供しているメディアとなります。PV数が多ければ、実際にインバウンド客に見られる可能性も高くなるので、PR効果も高まります。
英語圏の観光メディア3選
ここまで、訪日外国人向けのメディアの有用性、そして選ぶときのポイントを解説してきました。では実際にどのようなメディアを外国人は見ているのでしょうか。ここでは3つのメディアを取り上げ、その概要や特徴を説明します。
1. Time Out Tokyo
世界でも有数の外国人向けの日本情報サイトです。東京で生活する人、旅行する人にスポットを当てて、グルメ、観光施設、住居など様々なお役立ち情報を提供しています。英語と日本語の2つの言語で展開されていますが、英語圏からの閲覧が多くを占めています。月間のPV数は約1900万と非常にアクセスが多いです。一つ一つの記事のクオリティが高く、東京に住んでいる日本人が読んでも役に立つような情報ばかりです。
2. Tokyo Otaku Mode
2000万人のファン数を誇るFacebookページと、自社サイト「Tokyo Otaku Mode Shop」を通して、世界最大のオタクコミュニティを形成しているTokyo Otaku Mode。海外向けに日本のアニメ、漫画、ゲーム、音楽、そしてファッションなどの商品を販売しています。アメリカの法人が運営していることもあり、Tokyo Otaku Modeの9割以上が海外ユーザーです。ポップカルチャー関連の商品やサービスのPRを考えている方に向いています。
3. japan-guide.com
1996年から運営され、日本を英語で紹介するサイトとしては世界で最も認知されているサイトがjapan-guide.comです。Googleの検索結果では常に上位に表示され、月間のPV数は800万~1000万に上ります。japan-guide.comのサイトの訪問者は6割がリピーター、かつ95%以上が訪日を目的として閲覧していることが特徴です。全ての記事コンテンツに関して、ジャパンガイドの専属外国人スタッフが実際に訪問をし、そこで感じたことをユーザー目線で発信しています。
トリップアドバイザーなどの口コミサイトも人気
訪日外国人観光客が見るメディアとしては、これまで見てきた3つのメディアのような総合情報サイト以外にも、トリップアドバイザーをはじめとする口コミサイトが挙げられます。2017年に発表された観光庁消費動向調査によると、「訪日前に役立った情報源」として以下の結果が出ています。
アメリカ:「口コミサイト(トリップアドバイザー等)」が30.5%で「自国の親族・知人」「日本在住の親族・知人」に続き3位 イギリス:「口コミサイト(トリップアドバイザー等)」が26.5%で「日本在住の親族・知人」に続き2位 カナダ:「口コミサイト(トリップアドバイザー等)」が32.4%で1位 オーストラリア:「口コミサイト(トリップアドバイザー等)」が38.4%で1位
欧米豪の訪日客の多くが、口コミサイトを参考にしていることがわかります。観光メディアだけではなく、トリップアドバイザーなどを利用することで、効果的なプロモーションが期待できるのではないでしょうか。
事例:japan-guide.comを利用した集客・プロモーション
次に、観光メディアを利用した具体的なプロモーション事例を見ていきましょう。ここではjapan-guide.comを利用した事例を紹介します。
japan-guide.comではどんなプロモーションができる?
ジャパンガイドではどんなプロモーションができるのかを解説します。
1. バナー広告(10万~)
プロモーション内容にあったジャパンガイドの各ページにバナーを掲載します。ビジュアルでアピールできるため、ユーザーの目に留まりやすく、ブランディングには効果的です。またトップページでは幅広いブランド認知、コンテンツページではターゲット広告として、ユーザーへのダイレクトなアプローチが期待できます。外国人目線に立ったバナー制作も可能です。
2. タイアップ記事広告(105万~)
ジャパンガイドのコンテンツと同じような体裁で、自社サービスを紹介するページを作ります。ジャパンガイドのトップページに1ヶ月間サムネイルを設置し、記事ページへ誘導することで、集中的な流入が期待できます。作成した記事ページ内では他の広告が一切表示されないため、ユーザーは集中して記事を閲覧させることが可能です。新サービスの紹介や、エリアの認知拡大など、訪日客を対象としたプロモーションに向いています。
3. トラベルブログの作成(150万~)
ジャパンガイドのオリジナルコンテンツを手がける専任外国人スタッフが、指定の地域に行って取材・撮影を行います。最初の1ヶ月はトップページにに掲載され読者の目が留まるようにし、トップページ掲載終了後もサイト内に記事ページが格納されます。外国人目線で指定場所の魅力を発信してくれることが特徴です。書かれた記事は年間平均10,000PV、ページ平均滞在時間7~10分のメディアに掲載されるので、日本に関心の高いユーザーにじっくりと読まれる傾向があります。
japan-guide.comを利用したプロモーション事例
ジャパンガイドとコラボレーションをして成功した事例を2つ紹介します。
地方自治体とコラボした事例
ある自治体がjapan-guide.comと世界最大のSNSメディアに同額の広告費を投下した事例です。その自治体の目的は、主要な観光施設のパンフレットをダウンロードさせることでした。japan-guide.comは広告記事をエクスポート・ジャパンで作成し、japan-guide.com上でもバナー広告とともに掲載しました。
自治体の目標は1500件のパンフレットのダウンロードでした。SNS広告も合わせると、目標を大きく上回る1800件のダウンロードがありました。しかしその1800件の内訳をみると、1500件がjapan-guide.comからの流入によるものでした。同じ費用を割いたSNS広告では、表示回数でjapan-guide.comを上回ったものの、パンフレットのダウンロード数は300にとどまりました。
なぜ同じ広告費を割いたのに結果が違ったのでしょうか。それはjapan-guide.comの訪問者は、具体的に日本への旅行を計画していて、地名などのキーワードを検索してくるユーザーが多いからです。つまりユーザーの「質が良い」といえます。ジャパンガイド内で観光スポットを紹介しているページはGoogleの英語検索で上位に表示されるので、行き先が明確になった上でサイトに流れるユーザーはアクションに繋がりやすいといえます。
動画作成にも力を入れるjapan-guide.com
自治体の要望も多いことから、ジャパンガイドでは動画制作にも力を入れています。ある自治体のために、ジャパンガイドが作成した10分間の動画をjapan-guide.com内で配信しました。そしてjapan-guide.comが解説するYouTubeチャンネルにも載せたところ、動画再生回数が3万回を超え、Youtube上での評価がLike572件、Dislike0件でした。(2018年3月時点)
一般的に10分以上の動画であれば、YouTube上の平均視聴者維持率が40%前後ですが、ジャパンガイドが作った動画は、公開から1ヶ月間60%超えを記録しました。公開から5ヶ月以上が経過しても平均視聴者維持率は50%を超えています。
ここまで動画の反応がいい理由は2つあります。1つ目はjapan-guide.comのコンテンツチームの質です。数ある応募者の中から5名の常勤スタッフで運営されています。彼らはもともと映像クリエーターとして自分自身で YouTubeチャンネルを運営していたYouTuberでした。このような優秀なメンバーがジャパンガイドには集まっています。
そして2つ目の理由が、ユーザーの訪日意欲が高いことです。japan-guide.comは訪日をすでに検討しているユーザーが中心なので、動画へのコメントも具体的です。例えば自治体の動画には「この地域に行ってみたいのですが11月に行ったらこの景色が見れますか?」というような具体的な質問が多数寄せられます。ユーザーの訪日意欲が高いためサイトの訪問率も高く、結果的に動画の維持率が高くなっていると考えられます。
まとめ:英語圏の観光メディアを利用して効果的なマーケティングを
この記事では、英語圏向け観光メディアの利用方法を、具体的な事例を交えながら紹介してきました。外国人の認知度の低い地域であれば、自社だけで1からPRしてブランディングをするには多くのリソースが必要です。そこですでに認知度もありPV数もあるメディアと連携をすることで、英語圏の観光客を集客することができます。効果的なプロモーションや集客のためには、自社に合った観光メディアを利用することが大切です。
<参照>
- 訪日コム:訪日外国人向けメディア(英語)
- 訪日ラボ:意外!訪日オーストラリア人を集客するなら重要度は「PC>スマホ」 4年で2倍成長する豪州市場 Expediaの海外旅行市場レポートが明らかにした豪州人の旅行情報収集方法とは③
- 訪日ラボ:訪日外国人観光客向けメディアまとめ:訪問者数ランキングTOP10
- 訪日コム:Time Out Tokyo
- 訪日コム:japan-guide.com
- 訪日コム:Tokyo Otaku Mode
- 訪日ラボ:居酒屋・バー・ナイトライフのWEB・メディアに関するインバウンド対策事例集
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2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。
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→ 「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】
【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他
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インバウンド情報まとめ 2024年3月
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