4月から新年度がスタートし、新たにインバウンド領域の担当になった方もいるのではないでしょうか。
そこで、初めてインバウンド施策を担当される方や、あらためて基礎を振り返りたい方に向けて、インバウンドの基本的な知識を解説します。
なかでもインバウンド市場全体の約65%を占める重要市場である、中国、韓国、台湾、香港の東アジア4市場にフォーカスします。今回は韓国編です。
関連記事:中国の最新インバウンド動向とトレンド解説【基礎から学ぶ東アジア4市場】
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)訪日インバウンド市場全体の傾向は?
まずは訪日インバウンド市場全体の動向を解説します。
2025年は訪日数、消費額ともに過去最高を更新
日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計によると、2025年の訪日外国人数は前年比15.8%増の4,268万人でした。観光庁のインバウンド消費動向調査によると訪日外国人消費額は同16.4%増の9兆4,549億円で、いずれも過去最高となりました。


2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大により訪日外国人数、消費額ともに大きく減少したものの、2023年には消費額が、2024年には訪日外国人数がコロナ前を上回る数値に回復し、2025年はいずれもさらに拡大しました。
背景には、地方路線の増便や新規就航に加え、継続的な円安傾向などが追い風となっていることがあげられます。
政府は2030年までの目標として、訪日外国人数6,000万人、訪日消費額15兆円を掲げており、いっそうの伸びが期待されています。
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訪日韓国人最新データ
次に国・地域別の状況を見ていきましょう。
韓国人の訪日数はトップ、消費額は4位
2025年年間の訪日外国人数が最も多かったのは韓国で、前年比7.3%増の945万9,711人でした。2位が中国(同30.3%増、909万6,455人)、3位が台湾(同11.9%増、676万3,424人)、4位が米国(同21.4%増、330万6,823人)、5位が香港(同6.2%減、251万7,402人)でした。
訪日外国人消費額については、トップは中国で、前年比16.2%増の2兆58億円でした。次いで2位に台湾(同10.4%増、1兆2,033億円)、3位に米国(同24.1%増、1兆1,186億円)、4位に韓国(同3.2%増、9,906億円)、5位に香港(同15.0%減、5,614億円)と続いています。


リピーターが全体の8割超
近年の韓国市場を振り返ると、2019年の日韓関係の悪化、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大により、訪日外国人数、消費額ともに一時大きく落ち込みました。しかし2023年には消費額が、2024年には訪日数がコロナ前を上回る数値に回復を遂げ、2025年についてもいずれも過去最高を更新しています。


とくに訪日外国人数では、コロナ前トップであった中国を抜き、全市場で1位となっています。
好調な背景としては、日本の地方空港への航空路線の拡大や、リピーター層の厚さが挙げられます。実際、観光庁のインバウンド消費動向調査(2025年)によると、訪日韓国人のうち2回以上日本を訪れている人の割合は8割を超えています。
また全体の約4割が5回以上日本を訪れていることも特筆するべき点でしょう。
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韓国人はいつ日本に来るのか?
インバウンドのプロモーションを実施する場合、年間でもいつ訪日需要が高まるのか、その時期を把握しておくことがポイントです。続いては、韓国の祝日や連休、訪日のピーク期間などを紹介します。
ピークは12月~1月の年末年始
韓国の訪日客数は、12月~1月に年間のピークを迎えます。この時期にはクリスマスや正月、大学生の冬休みなどが含まれます。
クリスマスについては、韓国はキリスト教徒が多く、正月と同じく祝日とされています。
旧暦の正月を重視する韓国では、元日の公休日は1月1日のみです。しかし、訪日韓国人は短期間での個人旅行者が多く、短い連休であっても訪日需要が高まる可能性があります。
また、以下の二大連休も需要が高まる重要な時期です。
旧正月(ソルラル:1月下旬〜2月中旬 )
旧暦の正月で、韓国で最も大きな祝日の1つです。正月当日と前後の計3日間は多くの会社が休みとなり、家族や親戚で集まります。
秋夕(チュソク:9月中旬から10月上旬頃)
先祖に感謝して1年の豊作を祈る日で、日本の「お盆」にあたり、また「秋の収穫祭」とも言える行事です。秋夕当日と前後の計3日間が休みとなりソルラルと同じく重要な祝日とされています。2026年は9月24日(木)、25日(金)、26日(土)で、9月27日(日)とつなげて4連休になります。
ほかにも韓国では年間を通じて祝日が点在しています。2026年は日取りの関係で例年より大型連休が形成されにくく、長期休暇が必要な遠方よりも、短期間で気軽に訪問できる日本が旅先に選ばれやすいのではと予測されています。

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韓国人の最新トレンド
最後に、韓国人はどのように日本での旅行を楽しんでいるのか、最新のトレンドを解説します。
消費意欲が高いのは「グルメ」「買い物」
訪日韓国人の特徴としては、日本は距離が近くて航空運賃も安い、気軽に訪問できる旅先であることから、リピーターが多く滞在日数は少ない点があげられます。
短い連休であっても旅行先として選ばれやすく、年間を通じて安定した需要が見込めます。
消費傾向については、「訪日者数の多さに対して消費額が少ない」と指摘されることがあります。
しかしこれは平均泊数が4.0泊と他国と比べて少ないことが主な要因です(中国9.1泊、台湾6.5泊、香港6.2泊:2025年)。
1泊当たり旅行支出は全国籍・地域の平均並みであり、決してお金を使わないということではありません。
では、何に支出をしているのでしょうか。訪日韓国人は、グルメへの消費意欲が高い傾向にあります。
日本食は韓国人に爆発的人気があり、ラーメンや寿司、うどん、すき焼きなど幅広いメニューが好まれています。
買い物の意欲も高い傾向にあります。韓国の場合、とくにブランド品や高品質メーカーの商品は、日本で購入した方が安い場合が多いためです。
一方、化粧品や薬、菓子といった日常的に消費する商品も人気で、事前に購入リストを作って、ドラッグストアや免税店で沢山買い物をしていきます。
関連記事:訪日韓国人「消費単価が低い」は昔の話?JNTOソウル事務所長に聞いてみた
「小都市」旅行に注目集まる
韓国の旅行トレンドを語るうえで見逃せないキーワードが、地方都市を意味する言葉の「小都市(韓国語でソドシ)」です。
これまで訪日韓国人の目的地は、東京や大阪、福岡など、大都市が主流でした。現在もこれらがボリュームゾーンであることに変わりはありませんが、最近は有名観光地特有の混雑を避けて「人があまり行かない地方に行きたい」と考える人が増えています。
また、日本のアニメや映画では地方も多く舞台になっていることも訪問のきっかけになっているようです。
韓国人は若い世代を中心に写真撮影を好む傾向があり、旅の目的の1つとなっています。有名観光地でなくとも、日本の地方が持つ「ありのままの日常風景」が、新鮮で魅力的なフォトスポットとして捉えられているようです。
こうした背景から、直行便が就航している宮崎や広島、愛媛の松山、香川の高松といった地方都市が、新たな人気旅行先として注目を集めています。
訪日韓国人はリピーターが多いことからも、これまで訪問が少なかった場所にもチャンスが広がっていると言えるでしょう。
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観光庁:インバウンド消費動向調査
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