2019年1月導入「出国税」とは?いくら?徴収方法は?導入の理由・使い道も解説

公開日:2019年05月08日

2018年の訪日外国人客数は史上初めて3,000万人を超え、2020年までに訪日外国人4,000万人という政府が掲げる目標に一歩近づきました。政府は2020年に向けて目下さまざまな取り組みを行っています。

2019年に1月に導入された出国税も、その取り組みの一つです。これは、訪日外国人観光客が快適に旅行できるような工夫・整備を行うために導入されました。

出国税」は原則日本を出国する人全員が対象であるため、日本人・外国人問わず対象になります。以下で税率や徴収方法、政府が発表している使い道などについて詳しく解説していきます。


2019年1月からスタート「出国税」とは?

2019年1月7日から日本の新しい税金として「国際観光旅客税」いわゆる出国税が導入されました。国税として新しい税金が追加されたのは、1992年に地価税が導入されて以降27年ぶりのことです。

この「出国税」は、2才児未満と乗り継ぎ客、そして天候や予期せぬ事情によって緊急着陸した場合を除く全ての出国者が対象になります。そのため、訪日外国人だけでなく日本人も対象になります。

出国目的は関係ないため、観光目的・ビジネス目的かかわらず対象になります。

出国税の税率はいくら?徴収方法は?

出国税1回の出国につき1,000円です。

この税は本人が直接支払うのではなく、航空券やツアーを購入した際にチケット料金に上乗せされるようになっています。そのため、出国税が始まることによる手続きなどは基本的に必要ないでしょう。

出国税がかからないケースもある?

先程も少し触れましたが、出国税がかからない場合がいくつかあります。

  • 2歳児未満の子供
  • 乗継で入国後24時間以内に出国する場合
  • 天候やその他理由によって引き返してきた場合
  • 諸事情により緊急着陸した場合

などです。これらに該当する人は出国税を支払う必要がありません。なお、2019年1月7日より前に航空券を発券した場合も徴収されません。

出国税が導入された背景

国税庁は出国税が導入された背景を「観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源を確保するため」としています。

日本へ訪れる観光客が増加傾向にあり、さらに2020年に東京オリンピックが控えているなか、観光基盤を整えることが大きな課題になっています。

出国税は海外でも一般的

日本では2019年1月から導入された出国税ですが、すでに海外では一般的です。

  • 韓国:10,000ウォン(約960円)
  • アメリカ:「電子渡航認証システム(ESTA)」の申請手数料として14ドル(約1,500円)
  • オーストラリア:60オーストラリアドル(約4,700円)

このように見ると、韓国は日本とほぼ同程度ですが、オーストラリアなどはかなり高額であることがわかります。

出国税の使い道は?空港整備・多言語対応など快適な訪日旅行の財源に

新しく導入された出国税ですが、その使い道はどのようになっているのでしょうか?

政府は、出国税で得られた財源は基本的に観光関連の予算に使うとしています。そのなかでも特に、外国人観光客の訪日旅行に念頭を置いています。

政府が発表している出国税の使い道は以下の通りです。

  1. ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備
  2. 我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化
  3. 地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上

また、2019年度の出国税による財源は500億円で、各省庁への割り当ては以下のようになっています。

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観光庁 233.5億円
文化庁 100億円
法務省 70.6億円
環境省 50.8億円
財務省 30.1億円
宮内庁 15億円
総額 500億円

▲[国際観光旅客税の使途に関する基本方針等について]:観光庁

出国税の使い道には、港や公共交通機関の整備・ICTを活用した多言語対応やプロモーション・文化財の整備・国立公園の環境整備・地域資源を活用したコンテンツづくり・地域DMOの改革などが含まれます。

特に予算が多いものとしては、「空港の整備(70億円)」「海外へのプロモーション(90億円)」「文化財等を活用した事業(100億円)」などが挙げられます。

「空港の整備」には、搭乗手続きの自動化・顔認証化などが含まれます。訪日外国人の急激な増加により保安検査場の混雑・空港職員の負担増などが以前から問題になっていました。空港を利用する訪日外国人からも不満の声が寄せられており、早急に改善すべき課題とされていました。

今回自動チェックイン機や自動手荷物預け機、自動搭乗ゲートなどを導入することで、搭乗手続きの効率化が期待されます。

「海外へのプロモーション」には、国別プロモーションの実施、JNTOの現地事務所の設置準備、海外での市場調査などがあります。欧米豪やアジア圏のなかでも国ごとにアプローチ方法を変え、戦略的なプロモーションを行っていくということです。

「文化財等を活用した事業」には、文化財をインバウンド向けの新たなコンテンツとして活用する、VRやARなどの先端技術を利用して日本の歴史や文化を効果的に海外に発信する、といったことが含まれます。全体として既存の文化財の付加価値を高め訪日外国人観光客の満足度を上げる狙いがあります。

出国税による財源は、他にも公衆トイレの洋式化・多言語対応など、訪日外国人を受け入れる上で今まで課題となっていたことを改善するために使われるようです。

出国税は快適な訪日旅行実現の財源に

日本を出国する場合にかかる「出国税」は、2019年1月から導入されました。得られた財源は訪日外国人観光客の満足度向上のために使われます。

日本を訪れた際、空港の混雑や多言語対応などに関しては外国人観光客も不満に思っていることが多く、以前から課題とされてきました。出国税は外国人観光客からも徴収しているということもあり、財源の適切な利用が求められます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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