ナイトライフとは?夜のインバウンド観光を解説/国内外の先進事例も紹介

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近年、インバウンド市場において、「ナイトライフ」というキーワードを耳にする機会が増えています。日本のインバウンドにおいて、日中時間に楽しめるモノやコトがあふれていますが、「ナイトライフ」という夜間観光のコンテンツの需要が高まりつつあります。

中国の経済日報によれば、今年の「メーデー休暇」での中国人観光客のトレンドはまさしく「ナイトライフ」だったといいます。しかも、これまでのような「夜の時間帯の観光地をざっと巡る」「ライトアップショーを見る」といった定番モノから、より深い体験にニーズが移行しているといいます。

では「ナイトライフ」について、海外での先進事例や日本国内での取り組みなどどうなっているのでしょうか?これらを踏まえて解説します。

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ナイトライフとは?

ナイトライフ」と聞くと、いまいちイメージが浮かばない方も多いのではないでしょうか。ナイトライフとは、観光地における夜間の観光やアクティビティを指します。夜間の観光といえば、レストラン、バー、クルージング、夜景鑑賞、ショー、美術館、ナイトクラブなど、夜でも楽しめるコンテンツが挙げられます。

日本の観光といえば、四季折々の風景や建築物など、日中に楽しめるものが多い一方で、夜間の観光となると、日中に比べて充実さに欠けるのが現状です。インバウンド市場においても、ナイトライフの拡充に向けて注目されつつあります。

ナイトタイムエコノミーとは?

夜間の観光やアクティビティを指すナイトライフに関連して、「ナイトタイムエコノミー」という夜間の消費活動を引き出す取り組みが広がっています。近年、訪日外国人観光客が増加していますが、日本の夜間(一般的に20時以降)に楽しめるコンテンツが少なく、平成28年の公益財団法人日本交通公社調べによると、ナイトライフ体験については訪日外国人の全体の7%が不満の声を挙げています。

国土交通省のナイトタイムエコノミー議連中間提言によると、世界における観光客のナイトライフ消費割合は、アメリカ約10%、フランス・ドイツ約8%に対して、日本は約1%に留まっており、他国に比べて日本は訪日外国人の夜間の消費額が少ないことが問題視されています。

一方で、風営法改正以来、遊興(ナイトクラブ、エンターテイメント等)は、午前5時まで営業できる国となり、夜間の時間創出の環境は整いつつあるため、今後夜間の訪日外国人の消費額が増えれば経済の活性化につながることが期待できます。

ナイトタイムエコノミーとは?夜間に楽しめるコンテンツ提供:海外事例2選・国内事例7選

ナイトタイムエコノミーとは、夜間の経済活動を意味する言葉で、主に訪日外国人観光客に対して夜間に楽しめるコンテンツを提供する取り組みを指します。 訪日外国人観光客の満足度向上に加え、消費拡大により日本経済の活性化にもつながることが期待されています。 この記事では、日本にある観光資源の新たな活用するために、参考となる海外の先進事例とともに日本国内の動向について解説します。 インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整...

政府も動き出している

前述でも言及した通り、2016年の改正風営法施行により、ナイトクラブなどが午前5時まで営業できるようになって以降、ナイトタイムエコノミー活性化への動きが活発になっています。2017年の議会では「ナイトタイムエコノミー議連」が結成され、夜に対する負のイメージを払拭する為の環境整備、昼と夜が同じように行動できる環境づくり、五感に訴える街づくり等、ナイトタイムエコノミー及びカルチャーの活性化を図り、夜間GDPを上げる働きかけがなされています。

ナイトタイムエコノミー、海外ではどうなっている?先進事例紹介

海外には日本よりもナイトタイムエコノミー活性化への整備が進んでいる国が多いのが現状です。とりわけ、イギリス・ロンドンやアメリカ・ニューヨークはナイトタイムエコノミーの実施により消費も盛んです。実際に、どのようなナイトタイムエコノミー対策をしているのか、先進事例を紹介します。

イギリス:「パープルフラッグ」制度で夜も安心して遊べる街に

イギリスでは、「パープルフラッグ」という夜間でも安心して外出できる街を認定する制度を設けています。 この認定基準には、犯罪対策をはじめ、アルコール提供のガイドライン、泥酔対策、交通整備、地域で提供されるサービスや利用者の多様性などが含まれています。こうした取り組みによって、その地域を訪れたことのない観光客であっても、抵抗感なく楽しめる工夫となっています。

2016年8月には、ロンドン地下鉄の24時間運行をスタートするなど、観光客の移動にとっても利便化が進んでいます。

【その経済効果80兆円】インバウンドにおいて手付かずの成長市場である「ナイトタイムエコノミー関連市場」とは

未開拓の夜間市場の活用 を行うことが、大きな経済的インパクトを発生させるということで、日本でもナイトタイムエコノミーが大きな注目を集めています。 日本政策投資銀行、日本政策投資銀行がアジア8地域、欧米豪4地域の訪日外国人観光客旅行者を対象に行なった調査によると、「日本旅行で不満だった点は何ですか?」という質問に対して、「ナイトライフ(バーやクラブ・ナイトマーケット等)体験」という回答が7番目に多い回答となっています。日本の観光活性化策は昼間にどこを観光してもらうかという視点が中心であり、夕...

アメリカ:24時間運転する「止まらない地下鉄」

アメリカ・ニューヨークも、ナイトタイムエコノミーを実施していることで知られています。ニューヨークの人気観光スポットであるブロードウェイは20時以降の開演や、美術館も21時まで開館している場合も多いです。「止まらない地下鉄」として有名なニューヨークの地下鉄は、24時間体制での運行となっているため、観光客は終電を気にすることなく、観劇や鑑賞を楽しむことができます。

日本のナイトタイムエコノミー先進事例

日本のナイトライフが他国に比べて充実していないことが不安視される一方で、一部ナイトタイムエコノミーの取り組みを実施している企業や店舗もあります。日本のナイトタイムエコノミーの先進事例を紹介します。

世界でも注目の和太鼓ショー『万華響-MANGEKYO-』

ナイトタイムエコノミーのコンテンツとして、『万華響-MANGEKYO-』という和太鼓パフォーマンスの取り組みを紹介します。『万華響』は和太鼓エンタテインメント集団『DRUM TAO』による、全く新しい和太鼓ショーとして世界でも高い評価を得ており、世界24カ国500都市の公演実績を誇ります。これまでの公演に対する訪日外国人の反響をみてみると、Trip Advisorには英語の口コミが掲載されており、「すばらしかった!」「アメージング!」といったコメントが見受けられました。日本の和太鼓といった伝統に加え、プロジェクションマッピングを用いたパフォーマンスで、訪日外国人からの人気も高いです。彼らの公演情報から、ナイトタイムエコノミーとの関係性についてみてみましょう。

●『万華響』2019年のスケジュールは以下の通り:

2019年4月10日(水)~6月30日(日)で全121公演

公演①:開場14:30/開演15:00(1公演約80分間)

公演②:開場19:30/開演20:00(1公演約80分間)

上記、公演スケジュールから分かる通り、日中の時間帯だけでなく、20時に開演を設けるなどナイトタイムエコノミーにも貢献しているといえます。

インバウンド向け和太鼓ショー『万華鏡』がすごかった/訪日客のニーズとらえたナイトタイムエコノミー成功事例

『万華響-MANGEKYO-』という和太鼓パフォーマンスをご存知でしょうか。『万華響』は和太鼓エンタテインメント集団『DRUM TAO』による、全く新しい和太鼓ショーです。『DRUM TAO』は世界でも高い評価を得ており、世界24カ国500都市で公演を行ってきました。『万華響』は、訪日外国人向けのナイトエンタテインメントとしてJTBコミュニケーションズと共同で企画した公演で、話題のデジタルアート集団『チームラボ』とのコラボレーションでも注目を集めています。2018年秋の公演は9月1日(土)...

最終公演21:45~/新宿歌舞伎町の「ロボットレストラン」

2012年7月に新宿歌舞伎町の「ロボットレストラン」がオープンしました。単なるロボットを見るレストランではなく、そして食事を目的としたレストランでもない、日本には珍しい「ロボット×女性ダンサー」のショーが楽しめることもあり、国内外からも注目を集めています。ショーは奇抜な衣装を着た女性たちがロボットと戦うという設定で、演出にはレーザーを用いて最初から最後までとにかく派手なのが特徴的です。オープン当初、日本人サラリーマンをターゲットにしたということですが、いざ開業してみると日本人よりも訪日外国人から人気が出たということです。

一番遅いショーは21時45分からの公演となっており、店内のバーは翌朝5時まで営業しています。訪日外国人は、終電を気にせずに滞在でき、夜間に楽しめるコンテンツのひとつとして、ナイトタイムエコノミーに貢献しています。

【新宿編】インバウンド向け人気観光スポット トップ5/ロボットレストラン・思い出横丁など王道からディープまで!

「一日の乗降客数が世界で最も多い駅」としてギネスブックにも認定された新宿駅。東京都庁もあり、まさに東京都の中心としての機能を持っています。そんな新宿には、インバウンドに人気の観光スポットが数多くあります。ロボットレストランに代表される、日本人はあまり行かないけれども訪日外国人にとってはもはや王道、というようなスポットから、新宿御苑など日本人にも人気のある観光スポットまでさまざまです。また最近は、思い出横丁といった昭和の香り漂うディープなスポットも人気が出てきました。今回はアクセスの良さとい...

訪日外国人のナイトライフを充実させてさらなる消費増加に

現在、多くの外国人が日本を訪れるなか、夜遊びできるスポットが少ないことや、営業時間が遅くまで行っていないことが不満要素として挙がっています。都心だけに関わらず、訪日外国人は「コト体験」を求めて、地方にまでも訪れつつあります。日本よりもナイトタイムエコノミーを積極的に実施しているアメリカやイギリスを参考にして、日本各地でもナイトライフのコンテンツを充実させることが、インバウンド消費の増加につながるといえるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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