中国市場の先読みの指標、ソーシャルバイヤーとは | 必要なスキル・役割・市場規模

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2015年の新語・流行語大賞に選ばれた爆買いという言葉は、訪日中国人観光客が品物を大量に購入していく様子を表したものです。

そのような爆買い訪日中国人観光客によるもの」というイメージが強い一方で、爆買いをしていたのは実は観光客だけではなくソーシャルバイヤーと呼ばれる転売目的の人も多くいたといわれています。

今年の初め、中国ではこうした個人の輸入代行を行うソーシャルバイヤーの納税義務を強化しました。これを受けて複数の著名な日本メーカー、ブランドや、百貨店の売上が減少しています。

今後も訪日中国人やソーシャルバイヤーによる売り上げの減少を懸念する声もありますが、実際には日本製品へのあこがれや信頼は根強く、今後も売り上げの増減はありながらも日本製品の人気は継続するとみられています。

そもそも、こうした日本製品の人気を中国市場に確立させたのは、実は企業の自主的な宣伝だけではなく、ソーシャルバイヤーによる販売が影響した場合もあります。最近ではこうしたいきさつを踏まえ、中国市場参入を考える日本企業の中には、ソーシャルバイヤーを活用して中国人に自社製品を広める動きも見られます。

ソーシャルバイヤーの仕事内容や市場規模はどのようなものなのでしょうか。 今回は、中国ソーシャルバイヤーについて詳しく見ていきます。



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バイヤーとは?仕事内容は?

バイヤーとは、商品を買い付ける人のことを指します。従来のバイヤーとは、例えば海外の雑貨店やアパレルショップ、卸売りの市場などに出向き、売れそうな商品を見つくろい価格交渉をして買い付けることを仕事としていました。

1. 必要な情報を集める

バイヤーの仕事は商品を買い付けることですが、買い付ける前に売れる商品を探すことから始まります。

インターネットや独自の人脈を生かすなどあらゆる情報網を駆使して情報を集めます。ただし集めるのは商品の情報だけでなく、例えばそれがどのような人を対象とした商品なのか、またどのような場所で販売すれば売れるのかなど、幅広くさまざまな情報を集めます。

2. 購買傾向などの顧客データを分析

商品の情報だけでなく顧客データを分析し、どんな商品が誰に売れるのかを把握しなければなりません。顧客の年齢層や性別、販売する地域など状況によって売れ行きが変わることも多く、細かく分析する必要があります。

3. 商品を選定

実際に買い付ける商品を選定します。どこで買い付けができるのかや、本当に売れる商品なのかをしっかりと分析をする必要があります。

4. 仕入れ値や買取個数、輸送方法などを交渉

バイヤーは商品を買い付けるだけでなく、仕入れ値、買取個数、輸送方法についても交渉し決定していきます。せっかくいい商品が見つかっても採算が合わなければ販売することができないため、こうした部分もとても重要です。

5. 商品の買い付け

交渉がまとまったらいよいよ商品の買い付けを行います。仕入先の店舗と交渉した個数や価格で買い付け、販売店舗へ輸送します。

6. 販売価格の決定

仕入れ値や輸送費などのコストをもとに販売価格を決定します。決定した販売価格で店舗へ紹介し、販売店舗を決めていきます。

ソーシャルバイヤーの市場規模は19兆円以上

こうした買い付けを海外で行い、SNSを通じて国内のユーザーに販売する人々のことをソーシャルバイヤーと呼びます。直接販売値に赴けない人のために購入している役割から、代理購入と呼ばれる場合もあります。

ソーシャルバイヤーには旅行など短期滞在の人も含まれ、インバウンド市場の一角をなしているともいわれています。

ソーシャルバイヤーの市場規模は大きく、2015年の時点で19兆円にものぼります。以前ブームとなった訪日中国人の爆買いは、ソーシャルバイヤーによる転売目的の人たちの影響も大きかったといわれています。

爆買いとは

「爆買い」とは、主に訪日中国人による一度に大量の商品を購入する行為をいう俗語です。2015年には流行語大賞を受賞するほどの社会現象となりましたが、昨今は以前と比べ下火になったとの論調もあり「爆買いは終わった」といわれることもあります。 一方で最近でも、ドラッグストアや小売店に足を運べば、そこにはやはり日用品や医薬品を購入する訪日中国人の姿があります。しかし、広く訪日外国人観光客の消費傾向が「モノ消費」から「コト消費」へと変化していることも事実です。 この記事では、果たして爆買いは本当に...


顧客のニーズを汲み取る力?ソーシャルバイヤーに必要なスキル

ソーシャルバイヤーに求められるスキルはさまざまです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 豊富な商品知識

バイヤーは、その業界や分野に精通している必要があります。

豊富な商品知識が必要となるため、販売店での業務を経験してからバイヤーに転職する場合も多いようです。豊富な知識とネットワークを持つことがバイヤーとして活躍するためには重要です。

2. トレンドを把握

商品知識が豊富であることも重要ですが、トレンドを把握することも重要です。

流行の移り変わりはめまぐるしく、トレンドの商品は毎年変化します。その年の流行を把握し敏感であることが重要であるといえるでしょう。

3. 売れ筋商品を分析・精査する力

売れ筋の商品や流行を把握することは重要ですがそれだけでなく、その商品がなぜ売れているのかを分析し精査する力が求められます。

4. 顧客のニーズを汲み取る思考力

売れ筋や流行によって世の中に出回っているもの以外にも、顧客が不便に感じていることや、求めているものを汲み取る力が重要となります。

顧客が求めているものを常に意識していることが重要です。

5. 取引を成功させるための交渉力

いい商品が見つかったら、輸送方法や仕入れ値などを自分自身で交渉しなければなりません。せっかくいい商品が見つかっても、交渉能力がなければ交渉をまとめることはできません。

中国「爆買い規制法」で転売屋の7割が撤退、「電子商取引法」施行のソーシャルバイヤーへの影響調査

近年、ディスカウントストアやドラッグストアでは、棚にある商品をごっそり買っていく中国人客の姿をしばしば目にします。彼らの多くは、内外価格差を利用して、日本で安く買い、中国で売りさばく転売業者「


ソーシャルバイヤーの口コミは重要な情報源

中国ソーシャルバイヤーは、中国の主要SNSである微博Weibo/ウェイボー)や微信WeChat)等で情報発信をしています。

中国人が海外旅行に行く際や、海外製品を購入する際、こうしたSNSは重要な情報収集手段の一つです。また、まだ中国国内で正式に販売開始していない製品については、ソーシャルバイヤーによる発信を参考にすることも少なくありません。

そのため、例えばソーシャルバイヤーSNSアカウントで商品の情報を発信してもらうことができれば、ニーズのある層で情報が拡散することになります。

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自社製品を中国人に認知してもらえる

バイヤーとして実績のある人物であれば、効果的な訴求方法や、その商品にニーズのある層について知見のあることが多いです。そのため、まだ流行していない商品や、日本では認知されているが中国では認知度が低い商品であっても、ソーシャルバイヤーがピックアップしSNSで情報発信することが、中国市場での認知を高める結果につながります。

中国人の中で認知度の高い商品になれれば、日本滞在中に購入される可能性も高まるので、売上アップを期待できます。

訪日中国人観光客による爆買いは以前に比べて勢いが収まっていますが、まだまだ多くの中国人が日本製品を求めています。訪日中国人観光客に向けた日本製品のプロモーションは今後も効果を発揮すると考えられます。

ソーシャルバイヤーの存在が中国市場と日本製品の橋渡しに

バイヤーとして、単に買った商品を国内に運搬し転売するだけでなく、誰に向けてどのように販売すれば最も利益を生み出すことができるのか日々考えている彼らは、腕利きのマーケターであるともいえます。彼らの取り扱い商品を研究すれば、次に来るヒット商品も見えてきます。

またソーシャルバイヤーは、中国人に向けて商品の認知度を高めることのできる重要な存在です。まだ爆買いの対象になっていない日本製品でも、SNSで活躍する彼らと連携することで、中国市場での認知度向上を図ることが可能です。訪日中国人向けのインバウンド対策において、ソーシャルバイヤーの活用は効果があるでしょう。


【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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