紅包とは | 中国にもお年玉の風習が/WeChatで送金が可能に

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例年、訪日外国人客数の中で最も高い比率を占めるのが中国です。2019年に入ってからも、特に2月の春節(中国の旧正月)」の時期に多くの中国人観光客が日本を訪れました。

この中国のお正月の春節では、日本の正月と同じようにお年玉やご祝儀を渡す風習があります。赤い封筒に入れて手渡す風習から「紅包」と呼ばれています。しかし、近年では中国のモバイル決済が進み、「WeChat微信・ウィーチャット)」内の送金機能により、紅包の受け渡しが可能になりました。

このように受け渡し方法が変化し、紅包という言葉の指すところは以前より広くなってきています。この記事では、「紅包」の定義や説明を通して中国独自の文化や風習を紹介し、訪日中国人観光客のインバウンド動向についても解説します。


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紅包とは

紅包(ホンバオ)とは、中国のお正月である春節にお年玉やご祝儀を赤い封筒に入れて手渡す風習です。

紅包は、春節に渡されるお年玉以外にも、お祝儀として渡されることもあります。例えば、結婚、会社のボーナス、新店オープン、子供の進級などです。

紅包は必ず赤い封筒に包まれています。中国で赤色は「活力があり、喜びと幸運の象徴」とされているためです。

包みに書かれた「福」「春」「喜」の意味は?

紅包で使用する赤い封筒も、それぞれに意味があり、用途が異なります。一般的には、「福」や「春」の字や、干支の絵や子供の絵などが描かれています。

「福」や「春」の字が逆さまに書かれていることもあります。逆さを意味する「倒」の文字は、到着を意味する「到」と同じ音であるため、このようにひっくり返して文字を書くことで「福(春)が来る」という意味を持ちます。

結婚のご祝儀の場合は、「喜」の漢字が2つ並んでいるもの、長寿のお祝いには、「寿」と書かれているものを用います。 

年齢に応じて「紅包」の金額は異なる

紅包のお年玉は、社会人であれば子どもに渡す風習があります。

包む金額は、一般的に年齢に応じてその額は異なりますが、偶数の金額でなければなりません。中国で偶数は、「良いことは対になる(割り切れる)」ことを意味し、吉祥幸運とされています。そのため、結婚のご祝儀も日本とは異なり、偶数の金額を包むとされています。

紅包で包まれる一般的な金額は、両親や祖父母などの健康長寿を祝う場合、400~2,000元(約6,000~32,000円)前後です。そして、 社会人になっていない未成年など子供に対しては、50~200元(約800~3,200円)が妥当な金額とされています。

中国SNSアプリ「WeChat」でも紅包を渡せるように

紅包は、もともと赤い封筒に包んで渡すものでしたが、現代はそのスタイルも変化を見せています。中国のモバイル決済の進化とともに、中国のアプリWeChat微信・ウィーチャット)」内の機能を利用して、紅包の受け渡しができるようになっています。

ここでは実際に、WeChatの機能や事例について紹介します。

WeChat (微信:ウィーチャット) とは?ユーザー10億超え人気中国SNSの概要・インバウンド対策事例

「WeChat(微信:ウィーチャット)」は、中国の大手IT企業「テンセント社が提供するSNSアプリ」です。2018年10月時点の月間アクティブユーザー数は10億を超え、世界でもトップクラスにユーザーが多いアプリです。この記事では、WeChatの機能や使い方、中国人のユーザーが多いWeChatを活用したインバウンド対策を実施している企業の活用事例を解説します。関連記事WeChatとは? 基本機能と使い方WeChat(微信)のアカウントID登録方法目次WeChat(微信、ウィーチャット)とは?...

中国人はSNSアプリでお金の受け渡しや支払いを行う

中国で普及しているメッセージングアプリのWeChat(微信・ウィーチャット)は、テキスト・ボイスメッセージや画像の送受信、音声通話やビデオ通話が可能なアプリです。日本でLINEが普及しているのととてもよく様子が似ています。

しかしユーザーによるその利用傾向は、日本におけるLINEとは異なります。WeChatの公式データレポート「2016微信数据报告」によると、主に使用される機能の1位はFacebookのような「自分で投稿したコンテンツの共有」、2位は「チャットメッセージ」、3位は「メルマガを利用」、4位は「紅包/送金」となっています。

日本では今年LINEPayによるポイント還元のキャンペーンで、送金機能の利用も徐々に広まってきてはいますが、LINEの利用はまだまだテキスト・音声・スタンプのコミュニケ―ションが主なところでしょう。

中国におけるWeChatの利用傾向はこうした日本の状況とは大きく異なる状況が見えてきます。

▲メッセージングアプリのWeChatを経由して送られる「紅包」
▲メッセージングアプリのWeChatを経由して送られる「紅包」

WeChat紅包を使ったキャンペーンの事例
WeChatの紅包機能を活用した中国でのキャンペーン事例があります。

同キャンペーンは、春節期間にWeChatの支払い機能(WeChat Pay)を用いて指定店舗の商品を購入すると、利用者のWeChatに紅包が届くというものでした。

この紅包の機能は二種類あり、送金される金額が先に指定されているものと、受け取るまで送金された金額がわからないものとあります。

キャンペーンでは後者を利用しました。キャンペーンの参加者は受け取るまで金額が分からないため、好奇心をくすぐる効果もあり、挑戦好きな中国人にとって魅力のある施策といえます。

こういったサービスは、春節国慶節など中国のお祝いごとを祝う連休を利用して訪れる中国人観光客にも応用できます。

「紅包」という言葉を用いることで、中国人は、商品を購入すると何らかの割引サービスを受けられると意識します。その優待は現金だけでなく、ポイント付与や特定商品をプレゼントといった形で提供することも可能です。

日本国内でもWeChatの紅包を活用したプロモーション事例があります。

これはWeChat内にあるシェイク機能を活用したもので、店舗内の所定場所で利用者がシェイク(振る)機能を起動すると、ブルートゥース機器がWeChatと連動し、WeChatの紅包が利用者のWeChatへ届くというものです。 

中国の春節期間は?2019年はいつ?

春節とは、中華圏における旧正月(陰暦)を指します。春節には4000年以上もの歴史があり、伝統ある祝い行事とされています。中国の春節期間は、大晦日から旧正月の当日も含めて、平均7連休とされています。2019年の春節期間は、2月4日から2月10日日曜までの7連休でした。

春節は、家族や親戚で集まって7日間、豪華な料理で新年の挨拶を交わし、新しい年を迎えます。 それ以外にも多くの文化的な行事が行われており、地方や小さな町では今でも爆竹や祖先を祀り、また龍の舞といった習慣が残っています。

近年の傾向として、春節の大型連休を利用して海外旅行へ行く中国人も多いようです。日本を訪れる中国人観光客も多くいます。

今こそ知るべき「春節」旧正月休暇で中国人観光客増

2018年は、日本を訪れる外国人観光客が初めて3000万人を超えました。そのうちの約3割が中国からの観光客です。中国の訪日ビザの緩和により、2019年もさらに多くの中国人観光客が訪れることが期待されています。そんな中国人にとって一年のうちで一番大切な行事が「春節」です。 このページでは、日本人になじみのない春節について、中国人にとってどのような意味を持つのか、またインバウンド対策として何ができるのかを解説します。「春節」という言葉しか知らないという方に向けて、1から丁寧に分かりやすく説明...

中国人観光客の観光スタイルが団体から個人へ

中国の春節における風物詩といえば、2015年~2016年にかけて起こった「爆買い」現象です。都内の銀座や秋葉原の家電量販店で、日本製の炊飯器や、温水便座、理美容品などの商品が爆発的に人気を博しました。

爆買いをする中国人観光客の多くが「団体客」と呼ばれるツアーで訪れる人たちです。彼らは都内で買い物を楽しんだ後、箱根、富士山、名古屋、京都、大阪など、「ゴールデンルート」と呼ばれる日本の主要観光地を周遊していました。これらは、初めて日本に訪れる中国人観光客に多くみられる傾向でした。

今更聞けない「ゴールデンルート」とは/東京〜大阪を巡るインバウンド王道観光ルート・日程例・ルート外地方に誘致する事例は?【インバウンド用語基

多くの訪日外国人観光客...

2016年下半期以降は「団体客」としてではなく、個人旅行(FITの形式で日本を訪れる中国人観光客が増加傾向にあります。リピーターの増加も影響していると言われます。

自由に観光ルートを周遊するスタイルが増え、その消費スタイルも爆買いという「モノ」を消費するスタイルから、文化体験を楽しむ「コト消費」に変化し始めています。

こうした流れを受け、観光名所だけでなくこれまでは観光客がさほど訪れなかったような全国各地、地方にも中国人観光客が訪れています。またこうした傾向は今後も続くと見られています。 

中国独自の文化や習慣とSNS利用方法を理解し、インバウンド集客につなげる

春節と国慶節は中国の2大大型連休であり、数少ない連休を利用して訪日旅行を計画する中国人に少なくありません。2019年からは個人での旅行ビザの発給要件がさらに緩和され、今後も引き続き訪日中国人は増えるでしょう。

訪日中国人が増加する一方で、すでに有名になっている観光地には訪日中国人がたくさん来るものの、地方やマイナーなサービス、店舗ではインバウンド市場の拡大を実感していない場合もあるでしょう。訪日中国人は確かに年々増えているのですから、今回紹介したような中国独自の文化や習慣をベースに、彼らの興味関心が高まるような施策を設計することで集客を拡大することもできるはずです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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