その英語、インバウンドに笑われていませんか?日本の多言語表記、2つの問題点&鳥取県の一歩先行く外国語案内の事例を紹介

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

インバウンドの受け入れ対策の1つとして多言語対応が活発化している一方で、「外国語案内」の質の偏りが現在問題となっています。

外国語の誤った表記が海外メディアで笑いのネタになってしまっている例もあり、今後インバウンド対応を強化していく上で、早急に対応が必要な課題と言えるでしょう。

今回は、日本の外国語対応の現状と課題をふまえ、より正確な外国語表記を実現するための解決策と、鳥取県の取り組み例を見ていきましょう。



【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

日本の多言語対応における2つの問題点

昨今では、日本における誤った外国語案内を取り上げている中国SNSといった海外メディアが見受けられるようになりました。日本のテレビ番組で「面白すぎる外国語案内」などと話題にしているケースもありますが、今後さらなるインバウンド誘致に取り組む日本において、正しい外国語案内の整備は急務と言えるでしょう。

日本における多言語対応には、主に2つの問題点があります。

1つは、全国・業界共通の「汎用案内」に対し、事業者がインターネットの翻訳ツールを利用している点です。トイレの使用方法や方向案内といった汎用案内では「意味が通じれば良い」とし、インターネットの翻訳ツールで訳したものをそのままコピペするケースもあるとのことですが、文法や言葉の間違いが多く結果的に通じない可能性もあります。

観光庁では観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」を発表しています。多言語での表記方法や対訳語の一覧などが詳細に記載されていますが、ガイドラインの存在を知らない事業者も少なくありません。正しい外国語案内の情報が手に入れられる状況にも関わらず、情報収集不足から誤った翻訳をしてしまう原因の1つと言えるでしょう。

2点目として、翻訳内容を誰もチェックしていないケースが挙げられます。第三者による翻訳の確認を怠っているケースや翻訳会社の選定ミスから、最終的に質の低い外国語案内になってしまうことが考えられます。

インバウンド向け、より効果的な多言語表記を実現するために

前項で触れた日本の多言語対応における2つの課題をふまえ、今後はガイドラインの認知度向上が求められると言えるでしょう。観光庁の「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」に記載されている、多言語での表記方法といった情報を、自治体DMO等がホームページへ掲載するといった対策を講じ、各事業者へ周知を図っていくことが効果的です。

また、翻訳を外部へ依頼する際は、ダブルチェックを実施する翻訳会社を探すなど、慎重に選定することが重要になります。

さらに質の高い多言語案内を作成するために、翻訳対象の国の文化的背景を考慮することも、はずすことのできない視点となってくるでしょう。

言葉を正しく翻訳することはもちろん大切ですが、言葉によりある意図を伝える「案内」では、その言語を話す国の文化を理解・把握した上で表現する必要があります。

例えば、日本ではトイレットペーパーはそのまま流すのが常識ですが、中国など一部のアジア地域ではトイレ詰まりを防ぐため、流さず近くのカゴに入れるのがマナーです。日本での当たり前が世界の当たり前とは限らないということを念頭に、翻訳対象の国に合わせた案内内容も検討すると良いでしょう。

鳥取県の多言語対策例:中国の慣習も考慮した表記が効果的

漫画『名探偵コナン』の原作者の出身地として、訪日中国人観光客を中心に話題となっている鳥取県東伯郡北栄町では、町全体でインバウンドを盛り上げようといった意欲が旺盛です。中でも「青山剛昌ふるさと記念館」では、中国ならではの慣習を考慮した中国語案内がされています。

「トイレットペーパーをそのまま流してください」という指示の案内だけでなく、「トイレットペーパーは水に溶けやすいです」と追記してある点がポイントです。前述したように、中国ではトイレットペーパーをトイレに流す習慣がないため、水に溶けるか心配し流さないケースを考慮しています。中国ならではの慣習をふまえ、プラスαの外国語表記をしたことで、訪日中国人観光客も安心して利用でき、マナー改善に対する効果も期待されるでしょう。

まとめ:正しい多言語案内でインバウンドの受け入れ体制整備へ

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目前に控え、インバウンド多言語対応を強化していく上で、質の高い翻訳で伝えたいことを正しく理解してもらうことが第一に重要です。国や自治体DMO・各業界が連携を図り、訪日外国人観光客向けの正しい多言語案内の整備が求められます。

さらに、翻訳言語に合わせてその国の文化的背景や慣習も考慮した外国語表記も、マナー改善のみならずリピーターの獲得にも効果的と言えるでしょう。


<参考>

・東洋経済ONLINE:日本人が知らない「外国語案内」の不十分な現実

【7/16開催】【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※


外食店舗、支援サービス、業界のトップ企業が集結!

さらに、有名飲食店や外食産業を牽引する企業による特別基調講演も開催。

成功企業のリアルな戦略や、これからの外食業界を生き抜くヒントがここに詰まっています!

最新のトレンドを知り、トップ企業の成功ノウハウを学びたい方

業界の最前線で活躍する企業とつながり、新たなビジネスチャンスを掴みたい方にぴったりのイベントです。

今こそ、業界の未来を共に創る一歩を踏み出しませんか?

皆さまのご参加をお待ちしております!

<応募者特典>

  • イベント登壇企業の各種お役立ち資料
    ※口コミアカデミー内でのアーカイブ配信は予定しておりません
  • 本イベントのアーカイブ動画(1週間)

<本セミナーのポイント>

  • 有名飲食店&業界をけん引する企業の基調講演
  • - 成功企業の戦略や実例を直接学べる貴重な機会!
    - トップ経営者や専門家が語る「成長の秘訣」と「業界の未来」
  • 外食業界の最新トレンド&成功ノウハウが手に入る
  • - 変化の激しい市場で勝ち残るための最前線情報をキャッチ!
    - 業界をリードする企業が実践するプロモーション戦略やDX事例を公開!
  • 外食業界を支える最新サービス&ソリューションの紹介
  • - 飲食業界の課題解決につながるアイデアが満載!
    - 効率化や売上向上につながる最新ツール・サービスを知るチャンス

詳しくはこちらをご覧ください。

【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※【7/16開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに