爆買いに飽きた中国人、次は「果物」地方が舞台の最新トレンド

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中国では「安かろう悪かろう」の商品しか買えなかったのも今は昔。無印良品やユニクロにダイソーなど、今では多くの企業が中国へと活躍の場を広げているだけではなく、現地企業によるコスパの良い商品が中国全土に展開しています。

訪日旅行を楽しむ中国人にとって、日本でのショッピングのだいご味は「高級商品」の購入だけでなく「安くていいもの」に移りつつあります。中国で売られている日本ブランドは、日本国内の値段より高いこともあり、訪日旅行でのショッピングは割安ととらえられているのがほとんどです。

そんな中でも「日本=高級」のイメージを堅持しているものがあります。果物です。中国人は実は大の果物好きで、その生産地や品質にも高い関心を寄せています。今回は中国人の果物事情から、インバウンド消費への繋げ方を探ります。



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日本よりも身近、中国の果物文化

中国語では果物のことを水果(シュイグオ)と言います。現地での安さもあり、中国人は日本人が見れば驚くほど頻繁に果物を食べています。朝昼晩と食事には必ず果物を合わせる家庭や、おやつに果物を食べる習慣のある人も多く存在し、街中では昔ながらの果物屋が今でも庶民に親しまれています。

また「水果茶(シュイグオチャ)」と呼ばれる、コップの中にオレンジやリンゴ、パッションフルーツなどを詰め込んで緑茶を入れた飲み物も大人気です。

果物の価格も日本と比較するととても安くなっており、例えば大手スーパーマーケット・カルフール(家樂福)のチラシを見てみるとメロンが500gで3.5元(約55円)、オレンジが500gで7.9元(約124円)、スイカが500gで2.9元(約46円)と日本ではとても考えられないような価格で販売されています。

道端の果物屋では量り売りで更に安く販売されている場合もあり、中国は日本より気軽に果物を買える環境があると言えるでしょう。

「日本の果物」富裕層を中心に大人気

日本の果物は最高級の味と品質を持っていると中国人の間でも高い評価を得ており、特に富裕層を中心に大変な人気を誇っています。中国のデパートや高級スーパーマーケットにも輸入品の日本産果物が並んでおり、価格は日本の何倍にもなっているものの売れ行きは好調なようです。

そして、中国人の間で訪日旅行の際の行き先として人気が高まりつつあるのが新宿高野・タカノフルーツパーラー&フルーツバーです。季節の果物をふんだんに使ったスイーツが楽しめるタカノフルーツパーラーは、毎月違ったメニューを提供していることや各店舗限定のメニューを出していることもあり、一度行っただけでは飽き足らないとして若い中国人女性を中心にインターネット上でも数多くの口コミが掲載され人気を博しています。

このほか、SNSECを融合させた中国アプリ小紅書』には、フルーツをたっぷり使ったケーキやタルトで有名なHARBSの口コミが目立ちます。果物を使った和菓子で有名な宗家源吉兆庵は訪日中国人も多く利用する関東の空港で免税販売も行っており、日本のお土産として選ばれているようです。

▲中国のアプリ『小紅書』に掲載されたフルーツを使ったケーキ
▲中国のアプリ『小紅書』に掲載されたフルーツを使ったケーキ

インバウンド需要が見えてきた果物狩り、環境整備が要

季節の観光体験として日本人にも昔から親しまれている果物狩りですが、中国でもKOLによる情報発信などを経て日本の果物の品種が広く一般庶民に知れ渡ったこともあり、収穫の過程を楽しめる「コト消費」として注目されています。

例えば山梨のシャインマスカット(ブドウ)、山形の佐藤錦(サクランボ)、北海道の夕張メロンなどは『日本独自のブランド』として、中国人からあこがれの視線を注がれています。

インターネットに掲載されている口コミを見ると、農園の方が親切に狩り方を教えてくれた、子供に自然と触れ合う体験をさせることができた、採りたての新鮮な果物がとても美味しかったなど、全体的にポジティブな評価が多くなっています。

中国では様々な食の安全性を脅かされる事件が取り沙汰されてきたこともあり、中国人は食べ物や飲み物、薬などの身体に入れる物の安全性に人一倍敏感です。こうした消費者心理を前提にすれば、農作物が豊かな日本の地方は、大きなインバウンド商機が眠っている状態と言えます。

目的地までのアクセスがわかりやすい、また最低限の多言語対応を準備することで、このインバウンド消費の拡大が狙えるはずです。

▲中国のアプリ『小紅書』ではシャインマスカットを紹介するコンテンツも多い
▲中国のアプリ『小紅書』ではシャインマスカットを紹介するコンテンツも多い

偽物も横行するほど、日本ブランドに価値がある

中国と同じく日本産果物の人気が高い香港で、日本のブランドとご認識させるような苺が販売されていることが先日報道されました。

日本人であれば明らかに偽物と見抜くことのできるものですが、日本語が読めない外国人からするとひらがなが書いてある商品は日本のものに見えます。日本の商品は安全・安心であるイメージが強く、ひらがなを見ただけで消費者の購入意欲をそそる面があります。

安く使いやすい家電や、清潔なスーパーマーケットや便利なフードデリバリーなど、この一二年ほどサービスの質向上が目覚ましい中国ですが、こうした「食」に関する日本の優位性はまだまだ健在だと言えるでしょう。

訪日中国人の需要を見極めて、インバウンド消費を伸ばそう

食品化粧品など高級な日本製品を買いたいという中国人消費者の需要は、越境ECの普及や国内企業の取り組みもあり、以前ほど強くなくなってきている面もあります。

こうした中で、新鮮な空気を味わいながら自分の手を動かして作物を収穫する「果物狩り」は、日本産の果物への関心もあいまって、今後インバウンド需要により大きく成長する可能性があるでしょう。今後の取り組みに要注目です。


【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
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  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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