10連休だったGW、2020年はどうなる?インバウンド市場を振り返り&予測

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2019年のゴールデンウィークは過去最長となる10連休となり、旅行会社には予約が殺到しました。

この期間、中国にもゴールデンウィークがあり、インバウンド需要が高まることも予想されていました。

この記事では、2019年のゴールデンウィークの状況、インバウンドアウトバウンドを含め、2020年の予想とともにご紹介していきます。

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2019年ゴールデンウィークが10連休となった理由

1948年に祝日法が公布・施行され、5月3日・5月4日がそれぞれ「憲法記念日」「こどもの日」として祝日になりました。それまでゴールデンウィークという言葉はなく、1951年に上映された「自由学校」という映画とともにゴールデンウィークという言葉が浸透していきました。

平日を挟んでの連休というパターンはこれまでにもありましたが、2019年のような、中に平日を含まない10連休は過去最長となりました。

この連休に最も影響を与えたのが、旧皇太子殿下の天皇即位による「即位の日(改元の日)」の登場です。

天皇即位が5月1日となったことにより、5月1日が「即位の日」として祝日に、さらに、「祝日と祝日に挟まれる日が平日だった場合、国民の休日となる」という祝日法のために、「昭和の日」と「即位の日」に挟まれた4月30日、「即位の日」と「憲法記念日」に挟まれた5月2日が「国民の休日」となりました。

つまり、10連休のゴールデンウィークは、天皇即位と祝日法により実現したものでした。

中国の「メーデー休暇」インバウンド増加が予想されていた

メーデーとは「労働者の日」として世界中で労働権利を主張する集会や、抗議運動が行われる日で、5月1日に定められています。

この日を休日としている国も多々あり、中国でも5月1日はメーデー休暇になっています。これに加え中国政府は、2019年3月に同年のメーデー休暇を2日間延長し4連休とすることを決定しました。

実は昨年もメーデー休暇の前日を休日化し、3連休としていましたが、さらに4連休とした背景にはメーデー休暇により高まる旅行の消費需要を後押しする狙いがあったと見られています。

2018年のインバウンド消費動向データでも中国人観光客はメーデー休暇に合わせて高水準を記録していました。こうした背景から、今年の同期間でも、日本でも中国人によるインバウンド消費の成長が期待されていました。

実際はそれほど増えなかった

JNTOによると、2019年4月、5月の訪日外国人数は以下のようになっています。

4月:2,926,685人(前年比+0.9%)

5月:2,773,091人(前年比+3.7%)

1月の前年比伸び率が7.5%、2月が3.8%、3月が5.8%であることを考えると、4、5月の訪日外国人数はそこまで大きくは伸びなかったようです。

訪日外国人数が伸び悩んだのは、日本のゴールデンウィーク10連休が国内の旅行需要を高め、結果訪日旅行サービス・商品の値段の高騰につながったから、と考えられます。インバウンド市場では、日本を旅行先として避ける傾向につながってしまったようです。

大型連休が明けた後は、各種サービスの価格は一般的な価格に戻りました。新規就航や増便、訪日旅行のプロモーション活動等により、欧米豪市場からの訪日外国人が増加しています。

メーデー休暇による大幅な訪日が期待された中国でしたが、インバウンド市場の伸び率は欧米豪によって支えられた形となりました

訪日外国人に人気の観光地・京都のインバウンド状況は?

2019年のゴールデンウィーク期間中、京都市内ホテルの平均単価は20%増となり、客室稼働率は94.6%と好調を維持しました。

しかし、この数字の軸になっているのは訪日外国人ではなく、日本人観光客です。ゴールデンウィークの10連休は、日本人の国内旅行への意識を高め、通常であれば外国人客で埋まっていく宿泊施設も、日本人観光客の予約が先行する形になりました。

宿泊客のうち外国人比率はわずか28.3%で、前年からも数字を9.8ポイント落としています。昨年2018年に京都市観光協会発表された「平成30年外国人宿泊状況調査」によれば、訪日外国人の宿泊施設利用比率は43.9%(過去最高)で、これと比べてもいかに外国人の比率が低かったかがわかるでしょう。

日本国内全体の傾向と同様に、京都でもインバウンド消費は不調に終わったと言えるでしょう。

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アウトバウンドは?

JNTOによると、2019年の出国日本人数は以下の通りです。

4月:1,666,546人(前年比+22.8%)

5月:1,438,010人(前年比+3.9%)

10連休の影響は、国内旅行だけではなく、海外旅行者=アウトバウンドの数字にも現れました。

2018年同様に、韓国・中国・香港・台湾は人気の旅先となりました。10連休をフルで旅行に使うというスタイルよりも、連休前半は近い国で過ごし、連休後半は自宅でゆっくりと体を休めるケースが目立ちました。

こうした旅行スケジュールにより、4月の出国日本人数は大幅に増加しています。反対に、6日間休みが続く5月ではさほど数字の伸びは見られなかったようです。

2020年のGWは?

今年のゴールデンウィークが10連休となったために、2020年のゴールデンウィークも同様の大型連休が設けられるのではないかと期待が高まっています。

残念ながら2020年は、2019年のような超大型連休ではなく、飛び石連休となります。

4月25日(土) 休日

4月26日(日) 休日

4月27日(月)平日

4月28日(火)平日

4月29日(水祝)昭和の日

4月30日(木)平日

5月1日(金)平日

5月2日(土)通常休日

5月3日(日)憲法記念日

5月4日(月祝)みどりの日

5月5日(火祝)こどもの日

5月6日(水祝)振り替え休日

2日働いて1日休み、また2日働いて5連休です。

残念ながら、天皇即位の日が祝日になるのは、即位した年だけなので、令和天皇が即位した5月1日は祝日にはなりません。

大型連休が必要な場合は、有給を取得するほか方法がないようです。

2020年GWインバウンドの見通し

2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。政府も訪日外国人数が4,000万人、インバウンド消費額は8兆円を目標とするなど、過去最高の数字を掲げています。

GWだけに焦点を絞ってみると、10連休のあった2019年と比べて、訪日旅行サービス・商品の価格の高騰は避けられそうです。訪日外国人の数は増加するのではないかと予想されています。

今年は伸び率の低かった4月ですが、日本国内では連休が集中していない状況であるため、人気観光地でも混雑が避けられそうです。

ただし、5月はインバウンド消費を拡大するようなイベントが予定されておらず、加えてオリンピックの恩恵を受けない時期であることから2019年同様厳しい数字が予想されています

2020年GW、今年以上にインバウンド市場の盛り上がりが期待

2019年のゴールデンウィークを経て、日本人観光客の動向がインバウンドに少なからず影響を与えることがわかりました。

2020年にはオリンピックに合わせた異例の休日移動や、有給の取得が起こり得ることも考えられます。 インバウンド市場を意識した取り組みには、日本国内の状況も正確に理解して臨むべきでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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