インターネットでユーザーがコンテンツを検索する際に用いる検索エンジンには、GoogleやYahoo!をはじめさまざまなものがあります。世界的なシェアはGoogleがトップですが、お隣中国では、百度(Baidu)と呼ばれる検索エンジンが一般的に支持されています。
中国向けのインバウンド対策では、インターネットコンテンツは百度で検索されるような形で公開しなければなりません。百度は日本からでもアカウント登録ができ、自身のウェブサイトを公開できる仕様になっていますが、2019年8月現在では日本の電話番号で百度に登録できないことがわかっています。
この記事では、百度の概要や以前までのアカウントの作成、登録方法について解説します。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
百度(Baidu)とは?
百度(Baidu)とは中国でナンバーワンのシェアを占める検索エンジンです。
中国で2000年に創業された百度公司が運営する検索エンジンで、中国国内での圧倒的なシェアが影響し、世界ではGoogleに次いで第2位の利用者数を誇る検索エンジンとなっています。
2019年6月時点の中国国内におけるシェアは72.74%です。中国のネットユーザーは約8億人であり、かなり多くのユーザーが百度を利用していることがわかります。
以下は、中国国内における検索エンジンのシェア推移を表にしたものです。中国国内の検索エンジンのシェア2位はSogouですが、百度はこれに大きな差をつけています。
![▲[中国における検索エンジンシェア]:statcounterより引用 ▲[中国における検索エンジンシェア]:statcounterより引用](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/4071/main_8b02249390dfac0c08e134c3c0343f6d.png?auto=format)
検索エンジン百度(Baidu/バイドゥ)とは
ビザの緩和や航空便の就航、そして経済成長により、訪日旅行に来る中国人が増えています。2018年の訪日外国人3,000万人のうち、国・地域別で最も多かったのは中国人の838万人でした。中国から来るインバウンド旅行客の誘客や集客のために、オンラインでできるアプローチの一つに「検索エンジン」を通じた施策があります。中国で主に使用されている検索エンジン、百度(Baidu/バイドゥ)は、中国の3大IT企業「BAT」の「B」にあたる企業です。2001年から中国国内にサービスを提供し、2005年にアメリ...
中国のインターネット検閲「グレートファイアウォール」とは
中国では情報統制を目的としたインターネット上の情報検閲やユーザーのアクセス制限が行われています。
グレートファイアウォール(金盾)と呼ばれる検閲システムにより、政府に対して批判的な内容、アダルトサイト、SNSを規制しています。具体的に言えば、中国ではGoogleやYahoo!といった検索エンジン、Facebook・Twitter・InstagramといったSNSへの利用ができなくなっています。
グレートファイアウォールとは?中国のネット規制・回避方法・インバウンドでの対策についても解説
グレートファイアウォールのアクセス制限により中国ではGoogleやYouTube、LINE、Facebookをはじめとする世界各国で使用可能な検索プラットフォームやSNSの多くにアクセスができないため、旅行や出張で中国に行く際には注意が必要です。
中国ではこれらに代わる国産のサービスが様々に存在しています。Twitterに似たものとしてWeibo、LINEに似たものとしてWeChatが普及しています。
百度は検索エンジンなので、さしずめGoogleの代替サービスといった地位です。
WebサイトやSNSは、企業や店舗におけるインバウンド対策でもよく用いられるツールですが、訪日中国人客をターゲットとする場合には中国国内でも利用できるサービスを活用しなければならないということには注意が必要です。
中国で利用されるSNSなどについては以下の記事で詳しく解説しています。
中国向けWEBサイトに”Facebookログイン認証”はご法度!中国向けに多言語サイトを作るなら知っておかなければならない「グレートファイア
海外のユーザーにリーチする際、中国は人口やマーケット規模から考えても、優先度は上位に入ってくるのではないでしょうか。今回は中国にローカライズする際に知っておいた方が良い情報をご紹介致します。目次未だに高い?中国のネット規制「グレートファイアーウォール(金盾)」の脅威ICP登録は受けているか?文字は繁体字、簡体字?まとめ:どこをターゲットとするかで対応が変わる未だに高い?中国のネット規制「グレートファイアーウォール(金盾)」の脅威金盾 と呼ばれる グレートファイアーウォール (※中国の万里の...
Weibo(ウェイボー)とは?中国SNSの機能・活用術・事例
中国版Twitterとも言われるWeibo(微博:ウェイボー)は、 7億人以上のユーザーを抱える中国の巨大SNSサービスです。 中国ではFacebookなど外国発のSNSは規制を受ける一方で、WeChatなど独自のSNSが発達しています。そのため、中国の独自のSNSを活用することは、インバウンドマーケティングの第一歩として非常に重要です。 この記事では、Weiboの基本機能やインバウンドへの活用法、Weiboを活用した集客事例についてご紹介します。 関連記事有名人が次々と中国SNSに...
WeChat (微信:ウィーチャット) とは?ユーザー10億超え人気中国SNSの概要・インバウンド対策事例
「WeChat(微信:ウィーチャット)」は、中国の大手IT企業「テンセント社が提供するSNSアプリ」です。2018年10月時点の月間アクティブユーザー数は10億を超え、世界でもトップクラスにユーザーが多いアプリです。 この記事では、WeChatの機能や使い方、中国人のユーザーが多いWeChatを活用したインバウンド対策を実施している企業の活用事例を解説します。 関連記事WeChatとは? 基本機能と使い方WeChat(微信)のアカウントID登録方法 [com_category_...
马蜂窝(MaFengWo)とは
马蜂窝(MaFengWo)は、中国最大級の旅行サイトのひとつです。日本では「ヒトサラ」と马蜂窝(マーファンウォー)が提携し、両社のユーザーを連携するサービスの提供を開始しています。近年、訪日中国人の個人旅行化がすすみ、訪日旅行を計画するのに马蜂窝の口コミや旅行ブログを参考にする中国人が増加しています。このような傾向から、日本でも马蜂窝での集客やPRを行っている企業があります。今回の記事では、马蜂窝(MaFengWo)の特徴や、インバウンド集客に马蜂窝を活用した事例を紹介します。Google...
百度にアカウントを開設するメリット
グレートファイアウォールによる検閲が行われている中国では、GoogleにインデックスされているコンテンツやWebサイトも閲覧できないことが少なくありません。ただし百度にインデックスされるコンテンツをインターネット上に公開すれば、中国国内のユーザーからも閲覧されるようになります。百度へアカウントを登録し、コンテンツを公開するのも一つの手です。
中国で検索エンジンといえば百度を利用するネットユーザーは少なくありません。登録したアカウントからコンテンツを公開すれば、百度を利用して情報を検索する中国人ユーザーにアプローチできます。
百度へのアカウント登録方法を解説
百度にアカウントを開設するには「アカウント登録」を完了させればOKです。アカウント登録では、ユーザー名やパスワード、電話番号を入力する必要があります。2019年8月現在、中国の電話番号でないとアカウント登録ができなくなっています。
以前は海外の電話番号でもアカウントの登録ができましたが、近年の中国ではサイバーセキュリティ法が施行されるなど、インターネットサービスに対する規制が厳格化しており、その潮流の中で百度の仕様も変更されたものとみられています。
ただし、今後百度の仕様が変更され登録が可能になる可能性もあります。ここからは以前の登録方法について解説します。
以前可能だった登録方法
以下の画像がアカウントの登録画面です。アカウント登録ページへは下記リンクより遷移できます。
百度登録ページ![▲[アカウント登録ページ]:baiduより引用 ▲[アカウント登録ページ]:baiduより引用](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/4073/main_15b8fe54fd4c29bf0c7bb99ebaf0c047.png?auto=format)
電話番号は日本の国番号である+81を選択して、その後に続く形でハイフンを抜いて市外局番から入力します。ユーザー名は漢字、または英字での登録ができます。設定後の変更は認められないため、入力後は再度確認する必要があります。
パスワードは大小英字と数字、記号が利用可能で8文字から14文字の間で任意に設定できます。情報を送信後にSMSで送られてくるコードを入力することで登録が完了します。
入力完了後は「注册」ボタンで百度トップページへと戻ることが可能です。
![▲[トップページ]:baiduより引用 ▲[トップページ]:baiduより引用](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/4074/main_050a597cc08cdc1b7a39e236707a9a0e.png?auto=format)
2019年現在、海外の携帯番号で登録は不可能に
中国で圧倒的なシェアを誇る検索エンジンの百度ですが、2019年8月現在では中国国内に電話番号を持つユーザー以外はアカウント登録ができなくなっています。
しかし、以前は中国国外のユーザーに対しても登録を可能としていたこともあり、将来的に国外ユーザーの登録を認める可能性もなきにしもあらずといえます。
中国の情報をインターネット上で探す際には、中国産のサービスの利用が欠かせません。中国からのインバウンドが増える中、こうした中国産サービスの利用価値は相対的に高まっていると言えるでしょう。今後の百度の仕様変更が待たれます。
【4/3開催】最新調査から読み解く!訪日中国人の消費トレンドと今後の対策
訪日中国人の消費傾向は、ここ数年で大きく変化しています。
「どんな商品・サービスが求められているのか?」
「購買行動はどのように変化しているのか?」
最新の市場データをもとに、今後の戦略に役立つインサイトをお届けします。
本セミナーでは、訪日中国人市場を熟知した専門家が、最新の消費トレンドを分析し、今後のビジネスに活かせるポイントを解説。
データを元にしたリアルな現況を知ることで、競争が激化するインバウンド市場での成功へのヒントが得られます!
<本セミナーのポイント>
- 今後のインバウンド戦略に役立つ最新情報が学べる!
- 中国市場に精通した専門家による実践的な解説!
- 最新データをもとにしたリアルな市場状況が分かる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→【4/3開催】最新調査から読み解く!訪日中国人の消費トレンドと今後の対策
【インバウンド情報まとめ 2025年3月後編】2月の訪日外客数300万人超え / 海外で売れる日本のアニメ商品ランキング ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に3月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→2月の訪日外客数300万人超え / 海外で売れる日本のアニメ商品ランキングほか:インバウンド情報まとめ【2025年3月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!