新海誠監督による作品・RADWINPSによる音楽で一世を風靡した映画「君の名は。」に続き、7月19日に公開された最新作である「天気の子」が人気を集めています。
訪日ラボ編集部では、「天気の子」聖地巡礼に行ってきました。その際の様子や、海外での反応予想などを紹介していきます。
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「天気の子」とは?
「天気の子」は、7月19日に公開された新海誠監督の最新作です。
ここでは「天気の子」がどのような映画なのか、詳しく解説していきます。
新海誠×RADWINPSの強力タッグ再び
公式サイトによると「天気の子」は、運命に翻弄されながらも、自らの生き方を選択していく少年たちの姿を描いた作品です。
音楽は「君の名は。」と同じくロックバンドのRADWINPSが担当し、映画の世界観とマッチした名曲で盛り上げます。
3年ぶりの新海誠作品とあって期待度も高く、予報①(予告篇)が480万回以上、予報②(予告篇)が620万回以上の再生回数を記録しています。1分間のコンテンツである①よりも、2分間のコンテンツである②の方が多く視聴されています。
また、スペシャル予報と題された3つ目の予告動画には、歴代の主人公が冒頭に表れるなど新海誠ファン必見の1本となっています。
興行収入ランキングでは?
歴代興行収入ランキングによると、8月25日現在で興行収入は100億円を突破しており、30位にランクインしています。
これは既に「踊る大捜査線」や「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」などの大人気映画を上回る順位で、今後の海外公開でさらなる上昇も期待されます。
聖地巡礼に行ってみた!
映画内にも登場した新宿の映画館で鑑賞後、実際に訪日ラボ編集部で聖地を回ってみました。その際の様子をお伝えします。
聖地巡礼1. 新宿
まずは映画にも登場した映画館、TOHOシネマズ新宿で「天気の子」を鑑賞しました。
次に主人公である帆高がヒロインである陽菜と出会ったマクドナルドで腹ごしらえをし、聖地巡礼に向かいます。
新宿を歩くだけでも「聖地巡礼」気分を、味わうことができます。例えば主人公の帆高がネコのクロと出会った場所など、映画に出てきた印象的な場面が思い浮かぶでしょう。
新宿駅付近も映画に登場するスポットの一つです。
この映画では現実の風景を忠実に再現しているため、映画のワンシーンと同じような構図で写真を撮影するのも、聖地巡礼の楽しみの一つになるでしょう。
聖地巡礼2. 廃墟ビル×神社
映画でヒロインの陽菜が「晴れ女」となった廃墟ビルの上の神社ですが、これは別の建物であるビルと神社を一つの建物として描いたものです。
廃墟ビルのモデルとなっているのが代々木会館です。
代々木駅のすぐそばにあったこの建物は8月1日から解体工事が行われているようです。編集部では、解体される前の貴重な写真を撮影できました。
一方「ビルの上にある」という特徴から、モデルと噂されている神社は複数あるようです。最も有力なのは朝日稲荷神社と言われています。
また、晴天祈願ができることで有名な神社、気象神社もモデルの1つです。こちらは高円寺駅から約5分の場所にあります。
映画にも出てきた下駄の絵馬には、晴天祈願に加えて「天気の子」関連の文やイラストが多く描かれています。
聖地巡礼3. 田端駅南口 不動坂
田端駅南口を出たすぐの場所にあります。田端駅周辺はこのあたりの上野台地の最高点で、田端台とも呼ばれています。そのため、坂が存在します。
映画の舞台となった写真のあたりは、不動坂と呼ばれる場所です。
ここは駅から近いこともあってか、それまでの場所よりも作品の聖地巡礼に訪れているとみられる方が多く見られました。
主人公・帆高とヒロイン・陽菜が傘を持って話すシーンで有名なこの場所は、「あみ盛」の看板もそのまま映画に使われています。
新幹線が頻繁に通るので、上のような写真を撮ることも容易にできます。
訪日外国人の聖地巡礼で人気が出るか?
実際に聖地巡礼してみてわかったことや、訪日外国人に人気が出るかどうか、人気となった場合にすべき対応などについて紹介します。
山手線・中央線が中心で回りやすい!
聖地の多くは山手線や中央線などJRの駅周辺にあります。訪日ラボ編集部で聖地巡礼した際の所要時間は4時間ほどです。
地理に詳しくない人や歩くのが面倒と感じる人でも回りやすくなっているため、日本人はもちろん、訪日外国人の中でも初めて聖地巡礼する人が多く生まれる可能性があると言えます。
訪問先によって所要時間は多少変わりますが、新宿→高円寺→田端のルートはかなり気楽に回れるルートと言えるでしょう。
マナーの面で注意喚起も
作品を鑑賞した人の中ではすでに聖地巡礼に出かける方も少なくないようで、「天気の子」公式サイトではトップページに注意喚起の一文を掲載し、作品に関連した場所を訪問する際のマナーについて呼びかけています。
海外でも「天気の子」が人気となった場合、こうしたマナーをどのように周知徹底していくかが課題となりそうです。
聖地巡礼時に限らず、訪日外国人を始めとした観光客がマナーを守らないことで生じる「観光公害」が各地で話題となっています。
観光公害は、生活する文化圏によって異なる振る舞いが常識として存在していることに起因し、解決には、その異なる習慣を踏まえた上で、日本式のマナーを理解・実行してもらえるような表現を用いて、伝えることが必要です。
観光公害については下記の記事で詳しく解説しています。
なぜ観光客はマナーが悪いのか:訪日外国人に日本のルールが伝わらない理由
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【海外の反応】映画公開はいつ?
「天気の子」は海外では主に「Weathering With You」の英題でプロモーションされており、YouTubeの公式PR動画は230万回以上再生されています。
コメントは6,700件以上寄せられており、 「As a fan of makoto shinkai, I'm sure there will be trains(新海誠のファンとして、絶対電車が出てくると思う)」といった往年のファンと思われるコメントも見られます。
また、9月5日から15日まで開催されるトロント国際映画祭への出品が決定しています。
この映画祭の最高賞である観客賞を受賞した作品はアカデミー賞の有力候補となるため、すでに国際的にも高い関心が寄せられている作品であると言えるでしょう。
公開日については、香港・インドネシア・オーストラリアなどで8月中に公開されている他、シンガポール・台湾などでは9月、インドやイタリアなどでは10月の公開を予定しています。
ただし、公開日未定の国も多くあります。例えばアメリカはロサンゼルスなど一部地域で2019年以内、他の地域で2020年の公開という情報が出ています(8月29日現在)。公開日が国・地域によってずらされていることもあり、「天気の子」に対する世界の興味関心はしばらく続くものと思われます。
海外でも「天気の子」への期待、マナーの周知が必要
実際に聖地巡礼に行ってみて、作品の舞台となった場所へのアクセスが良く、数時間で多くのスポットを回れることがわかりました。
特に現地へのアクセスがわかりやすい田端駅では、日本人の聖地巡礼者が多く見られました。今後、当地で作品が公開される国で、人気が高まった場合には、さらなる聖地巡礼者の増加が期待できるでしょう。
ただし巡礼者の増加に伴い、マナーを守らないことによる弊害が表れる可能性もあります。日本語はもちろん多言語でも、聖地巡礼にあるべき態度について発信していくことが必要でしょう。
<参照>
- 映画『天気の子』公式サイト
- 大ヒット『天気の子』聖地・代々木会館が8月1日で取り壊しに ── 最後の日に行ってみた:BUSINESS INSIDER
- 歴代興収ベスト100:CINEMAランキング通信
- 新海誠監督作「天気の子」がついに世界へ! トロント国際映画祭に出品決定:livedoor NEWS
- Tenki no ko (2019) Release Info:IMDb
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