米国の夏季休暇は子供の休みに合わせ、6月中旬から9月初旬に取得する傾向にあります。期間は平均1週間から2週間で3月か4月に希望して休暇を使うことが多いようです。
2019年のアメリカの夏休みは取得日数は少ない傾向にありました。一方で、休暇中の予定に充てる予算は比較的高いという結果が出ています。
日本の調査会社イソプスは、アメリカ・ブラジル・欧州10カ国で18歳以上の1,000人を対象に、休暇の指標を調査しそれぞれの休暇に使う予算や目的を調べました。今回はこの調査結果から、訪日アメリカ人のインバウンド対策に関する示唆をご紹介します。
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アメリカはドル高に反して国内旅行の人気根強く
2019年に休暇を取る予定のランキングでは1位はオーストリアの70%、2位のフランスの69%、米国人は68%で2018年と変わらず全体の3/2の割合で、ブラジルと同率の3位で夏季休暇を楽しむ人数は少なくありません。アメリカでは夏休み期間もドル高となっており、海外旅行に際しては得をする現状ですが、海外へのレジャーを予定している人は50%程度にとどまりました。
欧州やブラジルの人々と比べると、米国人は費用を抑えながら内容が充実した体験を選ぶ傾向が見られました。また海でのんびり過ごすビーチリゾートへの関心は低く、広大な自然の見所が沢山ある国立公園でのキャンプを選ぶ人が多くなっています。
山や大草原でのキャンプでリラックス
米国人は海辺で過ごす休暇より山・大草原・水辺・砂漠・絶景の多彩な自然を感じるキャンプを希望する傾向があります。アメリカ西部には広大な土地に国立公園が点在し、たくさんのキャンプ場があることで何日も移動しながら大自然を楽しめることで注目を集めています。
調査によれば、休暇の過ごし方をキャンプに決めた理由は、「何にも追われることなくリラックスできる」という点にあります。このほか、手頃な価格で楽しめる、また子供のいる家庭では周りを気にせずにリラックスできる開放感が人気の理由です。
米国人の人生設計は、50代で早めのリタイアをしてリゾートでのんびり暮らすことを目標にしている場合も少なくありません。このゴールに向けて、30代からは仕事が中心の生活を送る人も多くなっています。ハードな仕事と引き換えに蓄積するストレスを、キャンプを通じて解消しているという面も大きいと言えるでしょう。アメリカ人の訪日旅行傾向は?
JNTOの発表した2018年の訪日外国人年間総数ランキングでは、米国が5位となっています。訪日客数は、過去最高の552,400人で、前年の495,054人から5万人以上増えています。1位から4位は東アジアの近隣国、6位は東南アジアのタイであり、距離的にかなり遠い国・地域では、アメリカがダントツで多くの訪日客数となっています。
米国の好景気とメディアでの日本旅行のプロモーションが奏功した結果と言われています。近年ではクルーズ会社と連携した販売促進セミナーも開催されており、訪日クルーズが増加していることも訪日客数を押し上げています。
訪日アメリカ人の日本の航空会社や宿泊施設のサービスに対する評価は高くなっています。海外旅行においても、アメリカ人は移動中や宿泊施設で安心してリラックスできるかどうかを重視しているようです。
日本での楽しみ方は「自然や芸術など美しいモノ、コトに触れる」や「伝統文化・芸能・工芸・祭りを楽しむ」など経験や体験への要求が大多数を占めています。
アメリカ人の休暇の過ごし方から、インバウンド市場を攻略
アメリカ人の旅行では、リラックスできるかどうかが重要な指標となっているようです。米国西部の広い土地では砂漠・緑地・山・高原など多様な自然があり、素晴らしい景観と生き物たちが自然の環境のままで守られ、大自然を感じる休暇を過ごすことができます。こうした環境が国内に多くあることで、海外旅行への需要は市場全体では半分程度だということが、今回の調査では明らかになりました。
こうした中で訪日アメリカ人が増加しているのは、アメリカ人が大切にする「ストレスのない移動」「ストレスのない宿泊体験」を日本の各サービスが提供できているからでしょう。
インバウンド市場で人数でも消費額でも大手顧客である中国はもちろん、上位に入る東アジア、東南アジアの国や地域も今後重点的に対策を講じていくべき市場ですが、実は人数では市場5位のアメリカは、今後インバウンド消費額の伸長を図るうえで決して無視できない存在です。訪日アメリカ人の隠れたニーズやそれが生み出される背景をよく理解して、滞在中の満足度向上やさらなる誘致につなげていくことが大切です。
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