ブルームストリート株式会社は6月25日、『韓国人が検索する日本のレストラン・化粧品・お土産TOP20』を発表しました。調査では韓国人が日本の製品について、どのような検索をしているのかが明らかになっており、今後のインバウンドの韓国市場対策において、重要なデータと言えるでしょう。
韓国では、一連の日本商品の不買運動に伴い、日本旅行熱の低下も一部では伝えられていますが、SNSでは公開しないものの、日本ファンは引き続き旅行に訪れているとの情報もあります。今週12日~15日は韓国では中秋節の祝日もあり、この期間には日本旅行に来る韓国人が増えることも予想されます。
2018年の訪日外国人消費動向調査の結果によれば、国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額では中国が1兆5,450億円(構成比34.2%)で第1位、ついで韓国が5,881億円(同13.0%)で2位となっています。
今回は、本調査の結果をふまえ、インバウンドの韓国市場における消費拡大を目指す上で、効果的なマーケティングとは何かについて見ていきましょう。
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『韓国人が検索する日本のレストラン・化粧品・お土産TOP20』調査概要
『韓国人が検索する日本のレストラン・化粧品・お土産TOP20』の調査では、韓国で75.2%のシェアを誇るNo.1検索エンジン「NAVER(ネイバー)」を活用しました。
「日本+レストラン」「日本+化粧品」「日本+お土産」の3つのAND検索・3ワードによる検索結果を、検索回数順にランキングにしています。
2019年1月〜4月の訪日外国人観光客の約24%が韓国人となっている中、本調査を同年5月11日〜6月10日に実施し、訪日韓国人観光客をターゲットとしたインバウンドの消費獲得を目指す企業に有益な情報となることが期待されます。
「日本+レストラン」B級グルメへの注目が顕著に

「日本+レストラン」の検索結果を見ると、ラーメン・たこ焼き・丼ぶり・カレーなど、日本のB級グルメへの注目度の高さがうかがえます。
B級グルメの名称だけでなく、「2泊3日の日本旅行」「福岡1泊2日」といった検索結果もあるのも特徴的です。
インバウンドの韓国人観光客は、福岡なら飛行機で1時間半から2時間ほど、東京も2時間40分ほどでアクセスできるため、1泊や2泊などの週末旅行で訪日旅行を計画することもあります。短時間の観光の中で、効率よく日本のレストランを楽しみたいといった想いが、検索結果にも表れたと言えるでしょう。
「日本+化粧品」韓国人の美容への意識の高さが表れる

また、「カテキン」「ベータグルカン」など、化粧品の成分に関する検索結果があり、韓国人の特徴として成分を重要視している点が垣間見えます。
検索結果の中で特に目立ったのが「馬油」です。複数のキーワードからランクインしていることから、注目度の高さが見えてきます。
9位にランクインした、美容に関心のある韓国女子に人気のテレビ番組「Get it beauty」で「馬油」が紹介されたことから、訪日韓国人観光客のみならず、訪日中国人観光客の間でも爆発的な人気となっています。
純度が高く質の良い日本製の「馬油」の需要拡大が顕著です。美容意識の高い訪日韓国人に向けたマーケティングでは、韓国メディアなどを活用したトレンドの分析が効果的でしょう。
「日本+お土産」日本のインテリアへの関心が高い傾向に

「キッチンのカーテン」「ミニマリズムのインテリア」「日本のインテリア」「インテリアショップ」などの検索も見受けられ、日本のインテリアやインテリアショップの人気の高さがうかがえます。
3位にランクインした「キッチンのカーテン」は、日本ののれんを意味しています。韓国には、のれんのように真ん中が分かれているタイプのカーテンがないことから、日本ののれんが話題となっているとのことです。
15位の「職員 ギフト」は、韓国ならではの企業文化が影響していると言えます。韓国では、一般的にボーナスがない企業が多く、代わりとしてギフトを贈る文化があることが、本ランキング結果に影響していると予想できるでしょう。
まとめ:インバウンドの韓国市場のトレンドを掴み、訪日韓国人観光客の消費獲得へ
『韓国人が検索する日本のレストラン・化粧品・お土産TOP20』から、インバウンドの韓国市場のトレンドを掴む上でのキーポイントを見てきました。美容意識が高く成分を重要視して製品を選ぶ点や、企業でボーナスがない代わりとしてギフトを贈る習慣があるといった、韓国人ならではの文化や特徴を把握しておくことは、訪日韓国人観光客のさらなる消費獲得を目指す中で重要となるでしょう。
日韓関係の悪化が報道されていますが、旅行者における双方への好感は大きく損なわれていないこともまた伝えられており、実際TwitterなどSNSにはこうした投稿も見られています。旅行者数の回復時に先手を打てるよう、韓国の最新のトレンドをつかんでプロモーションを継続していくことが重要になってくるのではないでしょうか。
<参照>
・PR TIMES:ブルームストリート、独自調査レポート『韓国人が検索する日本のレストラン・化粧品・お土産TOP20』を発表
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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