中国人がこぞって「青森」に殺到するワケ:中国人美女YouTuber「モンちゃん」が伝えた東北の魅力

インバウンド経済の発展が話題になってから変わることなく注目市場である「中国」ですが、現在はリピーターも増加してきているとあり、次なる観光のトレンドの芽が見え始めています。

東京、京都、大阪、北海道、沖縄と主要観光地では中国人観光客の姿を見ない日はありませんが、日本政府は東北への観光需要を喚起するため、ビザの発給要件の緩和にも踏み切っています。東北でも特にポテンシャルの高い地域の一つが「青森」です

今回は、インバウンド中国市場での次なるヒット観光地について探ります。


北海道以上のフォロワー数、桁違いの「青森」人気の種をまいたモンちゃんとは?

中国人旅行者にとって重要な情報源となるのがSNSのWeiboやMafengwo、最近ではREDやTikTok(Douyin)等があります。

こうした中でWeiboは、2009年からサービスを提供している古参のSNSであり、中国の政府機関はもちろん、日本の都道府県や政府観光局も広報の目的でアカウントを開設してきました。

例えば中国人旅行者にとって日本旅行の代名詞でもある「北海道」のWeiboフォロワー数は18万6,000ほどです。

▲日中経済協会上海代表処の北海道経済交流室オフィシャルWeibo
▲日中経済協会上海代表処の北海道経済交流室オフィシャルWeiboアカウント

実は、これを上回る都道府県のアカウントがあります。それが青森県です。

▲青森県観光国際戦略局観光交流推進課オフィシャルWeiboアカウント
▲青森県観光国際戦略局観光交流推進課オフィシャルWeiboアカウント

このほか各都道府県が公式アカウントを運営していますが、青森のフォロワー数は群を抜いて非常に多くなっています。北海道以下のアカウントフォロワーは数万にとどまります。

またWeiboで『青森』に関連したハッシュタグには 「#青森旅行#」「#青森#」があり、それぞれ1,223万ビュー、732万ビューとなっています。 

▲『青森』に関連したハッシュタグ(Weibo検索結果)
▲『青森』に関連したハッシュタグ(Weibo検索結果)

青森に在住していたKOL「モンちゃん」とは

こうした青森の知名度の高さの背景には、2010年頃青森に留学し情報発信していた中国人KOL「モンちゃん」の発信していた映像コンテンツがあります。大連出身で「福原愛ちゃんにも似ている」と言われたモンちゃんは本名を金夢といいます。


『一路青森,小梦帮倒忙!』(一路青森!お助け!?モンちゃん!)というタイトルのシリーズは、2012年に公開されていますが、現在も主要動画配信サイトにこのコンテンツは残っており、こうした経路で青森について知る中国人も少なくないでしょう。

▲iQIYIにアップされている「一路青森!お助け!?モンちゃん!」のシリーズ
▲iQIYIにアップされている「一路青森!お助け!?モンちゃん!」のシリーズ

派手好きな中国人の心躍らす「青森ねぶた祭」

また観光コンテンツでも中国人ウケのポテンシャルが高いのがねぶた祭です。「青森ねぶた」は、ご存知の通り8月上旬に開催される夏祭りです。青森市、弘前市、むつ市などで開催されており、毎年延べ200万人以上の観光客が訪れています。

1980年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。こうした歴史と権威性のある文化であることに加え、大きく色とりどりの光る山車は、派手好きである中国人を惹きつけるのに十分な観光資源でしょう。SNS上でも投稿が散見されています。

定番ルートは"NO"理由は「中国人に出くわしたくない」から

青森やその他日本の観光地の中国人旅行市場でのトレンド化の追い風になると考えられるのが、中国人の「定番ルート離れ」の傾向です。

北海道やゴールデンルート(東京、富士山、名古屋、京都、大阪ルート)や映像作品の舞台を追いかける「聖地巡礼」で人気の鎌倉や飛騨高山などは、中国人にとっての「日本らしい」観光地です。こうした地域を訪れ、噂通りの美しい光景や、作品の中の景色と同じ構図で写真を撮ることは相変わらず日本旅行のハイライトとなっています。

一方で、こうした人気スポットの『同胞』の多さを嘆く声もSNSには散見されています。こうした思いを抱く中国人旅行者に支えられる形で、現在ニッチな観光地への需要が高まっていると言えるでしょう。

「君の名は。」「スラダン」聖地巡礼ブーム続く中国人観光客『同胞多すぎ、萎えた』との声も

「聖地巡礼」といえば、アニメやドラマの舞台となった場所を訪れる行為のこと。昨年はアニメ・マンガの舞台を対象にアニメツーリズム協会が聖地88か所を制定したことでも話題になりました。この「聖地巡礼」ムーブメントは日本人のみならず、海を超え海外でも話題となっています。特に、インバウンドで観光客数・消費額ともに最もシェアのある訪日中国人にも、その波が広がっています。中国SNSの投稿やランキングをもとに、詳しく見ていきましょう。インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするのが重要!おすすめ...


具体的には、道を歩いていても中国語が聞こえてこないような、それでいて主要観光地と同じくらい、またはそれ以上の絶景を堪能できるような場所がここにあたります。そういった文脈で、青森は通なスポットを満足させる地域となりつつあるのかもしれません。

台湾からの直行便も就航、ポテンシャルをどこまで活用できるか

青森インバウンドは、台湾市場の拡大も期待されています。今年7月から新規就航した台湾ー青森直行便が、冬ダイヤから週5便に拡大することが追い風になると思われます。青森駅付近のホテルに併設されたコンビニでは中国語での案内看板を設置するなど、情報発信にも努めている様子がうかがえます。

青森の代名詞ともいえるりんごはもちろん、大間のまぐろや日本酒などの美食や、奥入瀬渓流や田んぼアートといった自然環境、恐山や県立美術館など、観光資産にも事欠きません。

ただし、日没後に遊べる場所が少ないことや、交通の便がそこまで便利ではないことは今後の市場拡大において解決すべき課題とも言えます。


<参照>

青森県Weiboアカウント https://www.weibo.com/u/1929936967

北海道Weiboアカウント https://www.weibo.com/hokkaidochina

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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