ジブリ「千と千尋の神隠し」モデルと言われる台湾でも大人気|2019年6月に現地公開・中国の反応は?

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日本映画歴代興行収入第1位を誇るスタジオジブリの映画作品「千と千尋の神隠し」は世界中で愛される名作映画のひとつです。

最近では2019年6月21日に中国にて初上映され、中国のジブリファンに大きな反響を与えました。台湾には、こうした絶大な人気の「千と千尋の神隠し」に似た雰囲気を持つ「九份(きゅうふん)」という街も存在します。

中国や台湾、そして世界で「千と千尋の神隠し」はどのような評価を受けているのでしょうか。今回は現地の生の声をご紹介します。

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映画「千と千尋の神隠し」の驚異的記録

千と千尋の神隠し」は、2001年7月20日にスタジオジブリより公開されたアニメーション映画です。主人公の少女・荻野千尋が異世界に迷い込み、迷い込んだ先の湯屋(銭湯)にて働く中で成長していく姿を描いた作品です。

日本映画歴代興行収入では堂々の歴代1位となる308億円を記録し、観客動員数も歴代1位2,350万人となりました。この記録は2019年現在でも破られておらず、BBC主催「The 21st Century’s 100 Greatest Films(21世紀の名作映画ベスト100)」では第4位に選ばれています。

「千と千尋の神隠し」はDVDやブルーレイディスクでも販売されているほか、現在でも日本テレビ系列「金曜ロードショー」などで幾度も再放送されており、その人気の高さがうかがい知れます。

世界47か国で上映

日本での公開から5か月後、2001年の12月には台湾、香港、シンガポールの3か国で上映され、その後も2005年頃までにアジア、北米、南米、欧州、オセアニア、アフリカと合計47か国の映画館で順次上映されました。

英語では「Spirited Away(神隠し)」台湾では「神隱少女(神隠し少女)」中国では「千与千寻(千と千尋)」など、各国の現地語に翻訳された題名で上映されています。

また、第52回ベルリン国際映画祭金熊賞、第75回アカデミー賞など、さまざまな表彰を受賞しており、各種映画ランキングでも常に上位入りを果たしています。

映画の雰囲気を持った台湾の街「九份」とは

台湾には、まるで「千と千尋の神隠し」の中で描かれた異世界のような雰囲気をまとった街が存在します。それが「九份(きゅうふん)」という街です。台北から電車とバスを乗り継ぎ1時間程で到着するこの街は元々山間の小さな村でしたが、19世紀の終わり頃には付近の鉱山で金の採掘が始まり、鉱山都市として発展を遂げました。

1970年代には廃鉱と共に忘れられた街となりましたが、1989年に映画「悲情城市」の舞台となったことで再び脚光を浴び、1990年代には一大観光地へと変貌しました。現在でも19世紀末に敷設された石段や建築された建物が多く残されており、当時の面影を偲ぶことができます。

「千と千尋の神隠し」効果で日本人も注目

2001年になると「千と千尋の神隠し」の封切りと共に、映画で描かれた異世界のような雰囲気を擁する街として日本人からも注目されるようになりました。現在では台湾旅行における定番の観光地となり多くの日本人観光客をはじめとする外国人観光客が訪れ、山間をうねるように走る石段の小路は常に人波で溢れています。

油屋を模した「阿妹茶樓」が大人気

九份の街にはさまざまな名所がありますが、中でも人気を集めているのが「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋「油屋」を模した建物が特徴の「阿妹茶樓」です。

阿妹茶樓は茶藝館というお茶を楽しむ施設で、展望席では九份の山奥に広がる海を眺めながら、台湾名物の台湾茶とお茶菓子をゆっくりと楽しめます。

お茶は本格的な台湾茶の点て方によって提供され、お茶の味だけでなく色や匂いもじっくりと味わえる人気のお店です。

【台湾の反応】千と千尋の神隠し「本場」の評価は?

映画からそのまま飛び出したような雰囲気の「九份」を抱える台湾でも、千と千尋の神隠しは名作映画として高く評価されています。「物語に込められた意味が複雑なため何度も観てしまう」「小さい頃に観るのと大人になってから観るのとでは違った感覚が持てる」などと物語の部分が特に高く評価されています。

台湾でもケーブルテレビの映画チャンネルにて何度も再放送されるなど、いまだに人気は衰えていないようです。

また、台湾は親日派の人が多く、日本語を勉強する人口も多いことから日本のアニメや映画が教材として多く用いられており、「千と千尋の神隠し」を観て日本語を勉強した人も少なくないと言います。

最近は日本のアニメ映画「天気の子」も台湾で封切りされ話題となっていますが、「千と千尋の神隠し」を超えられるかどうかに多くの台湾人が注目しています。

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【中国の反応】千と千尋の神隠し中国での評価は?

中国では、国内映画産業を保護するため外国産の映画作品の上映本数には上限があります。こうした事情から、2018年に至るまでスタジオジブリ作品も公式には上映されていませんでした。

しかし2018年12月14日、中国国内にて初めて「となりのトトロ」が上映されたことを皮切りに、2019年6月21日にはスタジオジブリ作品第2弾として「千と千尋の神隠し」が上映されました。

今回の公開を記念して制作された新しいポスターはその美しさが話題を呼び、主人公の千尋役を中国の人気女優が務めるなど気合を入れて制作された中国版の「千と千尋の神隠し」は、公開後1週間で3億枚のチケットが売り上げられるなど絶大な人気を博しています。

しかし、吹き替えに関しては「オリジナルの雰囲気と違う」「台湾版の方が良かった」などと厳しい意見も寄せられており、評価は千差万別となっているようです。

Twitterに投稿された「千と千尋の神隠し」中国版ポスターの画像
▲「千と千尋の神隠し」中国版ポスターの画像:Twitterより訪日ラボ編集部スクリーンショット

Twitter:「千と千尋の神隠し」中国版ポスターの画像(https://twitter.com/elcielo_design/status/1170556610143342592)

台湾と日本を舞台に「千と千尋の神隠し」の聖地巡礼

映画「千と千尋の神隠し」のモデルとなったいわゆる「聖地」は、江戸東京たてもの園、新橋駅烏森口、有楽町ガード下そして愛媛県の道後温泉など、日本各地に点在しています。

また、映画の雰囲気そのままの温泉街も山形県の銀山温泉、宮城県の鎌崎温泉など多く存在し、街中を歩いているだけでまるで映画の中に入ったかのような感覚になります。

一方台湾では、九份だけではなく淡水という街も、映画のような雰囲気を持っていると言われています。スタジオジブリ作品のファンなら、日本と台湾の両方にある「聖地」に行ってみたくなるかもしれません。ひとつの映画作品から生まれるインバウンド需要に着目すれば、訪日外国人への視点が更に広がるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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