旅行業界では、メタサーチの普及により情報をオンラインで入手することが容易になりました。
たとえば宿泊先をとってみても、メタサーチが普及する以前は宿泊施設を一つ一つ調べて料金やプランを比較しなければならなかったものが、メタサーチエンジンを利用することにより一度の検索で複数の宿泊施設を比較することが可能になり、自分の希望や条件に合った宿を見つけやすくなりました。
これは、旅行客にとっても、宿泊施設側にとっても大きな変化です。
今回はそんな旅行業界を支えている「メタサーチ」について特徴やメリット・デメリット、メタサーチサイトを説明します。
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メタサーチとは
メタサーチとは、特定のトピックに関して、複数の検索エンジンから抽出した検索結果を統合して表示することをいいます。 比較サイトなどがメタサーチにあたり、複数のサイトに掲載されている内容をメタサーチのサイトから一度に比較することができます。
旅行業界で言えば、複数のOTAを同時に検索し、そこで掲載されている内容を比較検討できる仕組みを意味しています。旅行業界以外にも、ニュースや動画といった分野でメタサーチは成功を収めていると言われています。
メタサーチエンジンは、特に情報が細かく多岐に渡っている分野で需要があります。ホテルの料金や客室在庫はこうした分野と言えます。
旅行分野のメタサーチでは代表的なものとして、「trivago(トリバゴ)」、「トリップアドバイザー」、「トラベルコ」などがあります。その他、大手通信アプリを経営する「LINE」がTravel.jpと統合し、旅行業界への参入を表明するなど、各方面から注目されている分野です。
メタサーチとOTAの違いは
「メタサーチ」とOTAの違いはどこにあるのでしょうか。
OTAとは、Online Travel Agent(オンライン・トラベル・エージェント)の略で、オンライン上で旅行関連商品のやりとりが完結する旅行会社のことです。
特徴として、実店舗がなくインターネットのみで商品の購入が可能なため、24時間いつでも情報を確認、予約を行うことができるのが強みです。
また、豊富な商品の中から好みにあった条件で絞り、気軽に比較できるため、近年では多くの人から支持を集めています。
国内では楽天トラベル、じゃらん、海外ではExpedia(エクスペディア)、Booking.com(ブッキングドットコム)、Hotels.com(ホテルズドットコム)などが大手OTAとして挙げられます。
これらのOTAサイトでは当然ながら、それ以外に掲載されている宿泊施設とは比較ができません。これらを横断して検索結果を表示してくれるのがメタサーチです。
メタサーチはいつから広まった?
旅行業界におけるメタサーチは、20年ほど前から登場していましたが、本格的に活用されるようになったのはここ10年くらいとなっています。
情報の掛け合わせから最適解を導き出すメタサーチの特性上、ホテルの予約という分野はその利便性を発揮するのに打ってつけの場所でした。
それまで一つ一つのOTAの中から宿泊施設を自分で探さなければいけなかったのに対し、メタサーチが導入されたことでホテルの空室状況、料金などから、幅広い内容を一度に絞り込めるようになりました。
特にここ数年でのホテル予約分野におけるメタサーチの進展は著しく、今日では手軽に素早く、世界中の宿の中からより好みに近いものを見つけられます。
メタサーチ利用のメリット・デメリットは?
メタサーチは現代の旅行客にとってなくてはならないものになりつつあります。
特にパッケージツアーでの旅行ではなく個人旅行を計画する際には、スマホを使用する世代にとってはメタサーチの利用は不可欠です。
一見、いいこと尽くしのように思えるメタサーチですが、どんなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
メリットは情報量
まずメタサーチを利用することの最大のメリットは、その情報量にあります。
もしメタサーチがなければ、旅行の行先を検索し、さらに旅行サイトから一つ一つ求める条件に合うか確認しなければなりません。
手作業で情報を取り出していては、比較できたとしても数件が限界です。
しかし、メタサーチを利用して条件の絞り込みを行えば、数百、あるいは数千件の選択肢の中から自分の希望に合う宿を即座に選ぶことができます。
ユーザーにとっては手軽に多くの情報を得られることになります。
デメリットを消費者、企業別に紹介
そんなメタサーチにもデメリットはあります。
まずユーザー側にとってのデメリットとして、検索エンジンによっては探していない情報まで表示されてしまう可能性があります。また、表示される情報が多すぎて、慣れていない人には使いづらいこともあるでしょう。
会社側のデメリットとしては、掲載されているOTAに対して手数料が発生する点が挙げられます。メタサーチの収入源は、個別の宿泊施設ではなくOTAですが、メタサーチのサービスを経由して、OTA経由の予約が成立した場合んは、宿泊施設はOTAへ手数料を支払います。
こうした手数料を考えると、自社公式サイトでの集客ができれば一番ありがたいのが宿泊施設の本音ですが、情報の露出という点ではOTAへの掲載をしないわけにはいかないでしょう。
大手旅行業界メタサーチサイト4選
ここまでは、メタサーチの全般的なメリット、デメリットについて確認しましたが、大手メタサーチサイトにもそれぞれの特徴があり、ひとまとめに語ることは難しいと言えます。
そこで、ここからはさらに4つのメタサーチ「trivago(トリバゴ)」「トリップアドバイザー」「トラベルコ」「スカイスキャナー」について、詳しくご紹介していきます。
1. trivago(トリバゴ)
日本語を話す外国人女性のCMでおなじみのトリバゴは、33ヵ国語に対応し、世界250社以上の予約サイトから世界190ヶ国、約130万軒の宿泊施設を検索できるメタサーチです。
地域別に分けられた51のウェブサイトを運営しており、含まれるWebサイトは大手予約サイトからローカルなサイトまで幅広いです。
絞り込み条件にはアメニティの有無や目的地からの距離など、細かい条件を含めて検索が可能です。
口コミや施設の写真などを確認することもできます。
2. トリップアドバイザー
トリップアドバイザーは49ヵ国に展開し、28言語に対応しています。
ホテルや航空券などは、世界中の200以上のサイトから検索ができるサイトです。
メタサーチによる予約が可能なだけでなく、ホテル、レストラン、観光スポットなど、旅行において必要なすべての情報に対して多くの口コミ、ユーザー投稿の写真を確認できます。
2018年12月時点で5億7,000万件もの口コミを収録しています。航空券の予約においては、ANAやJALと提携し、サイト経由の予約でマイルが溜まるサービスも行っています。
3. トラベルコ
トラベルコは700以上の予約サイトからの検索、予約が可能です。
英語、中国語、韓国語などに対応しており、宿泊先や航空券の比較・予約ができるだけでなく、パッケージツアー、オプショナルツアー、日帰り旅行、高速バス、レンタカー、海外Wi-Fiレンタルなど、幅広いジャンルでのメタサーチを保有しているのが強みです。
航空券予約については、旅行予約サイト「Tトラベル」と提携したことにより、ジェットスターの海外航空券の比較も可能になりました。
4. スカイスキャナー
スカイスキャナーは120万件以上の宿泊施設から場所、予算などで絞りこみ検索、予約ができます。
特に航空券検索において国内トップクラスの取扱数を誇り、国内外含め1,200社以上の航空会社・LCC・大手旅行サイトが取り扱う数百万種類の航空券から自分の条件に合った最安値の航空券を見つけられます。
対応言語数は32言語で、燃油サーチャージ代や空港使用料を含む料金があらかじめ表示されるので、予約後の料金上乗せの心配がありません。
宿泊施設と航空券を同時に予約した場合、セット割引が適用されます。
旅行市場の拡大に貢献するメタサーチ
今回の記事では、旅行業界におけるメタサーチのメリット・デメリットと、大手4社の比較をまとめました。
ユーザーにとっても会社側にとっても良い点と悪い点がありますが、メタサーチはいまや旅行業界にとって最も重要なポイントの一つです。
メタサーチがあることで、ユーザーは個人の希望に沿った施設や航空券の予約が可能になります。その手軽さから旅行へのハードルを下げる役割も担っていると言えるでしょう。メタサーチの存在は今後も旅行市場の拡大に貢献していくと考えられます。
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