国が進める「観光立国」の政策により、日本を訪問する外国人観光客の数は年々着実に増えています。
特に2020年の東京オリンピック、さらに2025年の大阪万博を控え、問題になっているのが宿泊施設の不足です。
そこでこの記事では、近年注目されている「民泊」について、どんな人が利用し、どんな施設が人気を集めているのか解説します。
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市場拡大中の民泊、利用客層は?
民泊の市場は日本でも徐々に広がっています。検索エンジンのGoogleでも、2018年12月からホテル検索の中で民泊一括検索サービスを提供しており、民泊のみを絞り込んで宿泊施設の比較検索ができるようになっています。2019年秋にはこの機能の強化について報じられていました。
民泊事業を考える上で重要となってくるのが、どんな人が民泊を利用しているのかということです。民泊を利用する客層を把握・分析し、どのような対策が必要かを考察します。
民泊利用者は東アジアが中心
観光庁が発表している最新(令和元年6-7月期)の住宅宿泊(民泊)の実績では、民泊利用者の国籍は、28.1%が中国、ついで14.3%が韓国、10.9%が米国でした。中国、韓国のほかに、台湾、香港を加えた東アジアで見ると、全体の58.9%を占めています。さらに東南アジアを加えると、全体の7割を超えます。
利用者年齢層は若く、家族連れなども利用
民泊を利用する年齢層は10-20代の割合が最多で、10代から30代半ばのミレニアル世代が中心となり、年齢が上がるにしたがってその割合は減少傾向にあります。
またファミリーで民泊を利用するケースも多く、この場合、人数が多いファミリーの対応ができるホテルなどの宿泊施設が限られるという事情があります。
民泊利用層が訪日旅行に求めるもの
民泊を利用する層は、費用を安く抑えたいという傾向が強く、LCCの利用率も高くなっています。また、若年層の利用が多いことから、自由度の高い旅行、写真映え・動画映えする体験を求める傾向があります。民泊に最低限取り入れたいアイテム
上記の現状を把握したうえで、民泊運営に必要なポイントをご紹介します。Wi-Fiは最低限必要
まず最低限設置したいのが、Wi-Fiの環境です。近年、特に若い旅行客は、事前に綿密な計画を立てず、インターネットで検索をしながらその日の行動を決めるということも少なくありません。特に日本ではまだ公共のWi-Fiが海外に比べ未発達の地域も多いため、Wi-Fiがあるというだけで、誘客にかなりのメリットとなります。
また、若い世代は自身の旅行の様子をリアルタイムでSNSなどに投稿する機会も多く、民泊施設のプロモーションの観点からも、Wi-Fiを設置しSNSで拡散してもらうということで認知を高めることができます。
道具のそろったキッチン
民泊は、設備の整ったキッチンの有無が、ホテルや旅館との大きな違いです。民泊を利用する層は節約志向が高いため、自炊して食事を安く済ませたいというニーズが多くあります。また、旅先でも食べなれたもので過ごしたいと考える人も存在します。特に、近年増えているイスラム教(ムスリム)の旅行者など、宗教上の理由により食事に制限がある旅行者は、日本滞在中の食事を全て外食でまかなうのは相当に難しい状況です。このような場合に、自由に利用できるキッチンがあることは利用者にとって非常に魅力的と言えるでしょう。
和室にもベッドを
日本文化を体験したいという考えで和室を好む旅行者もいますが、就寝時はベッドが良い場合もあります。床に布団を直接敷いて寝るということに慣れていない旅行者は、布団ではリラックスして休めません。そのため和室であっても、ベッドまたは布団のどちらかを選択できるようにしておくと良いでしょう。
最近は旅館でも、海外からの旅行者向けに和室の部屋にベッドを置く施設も増えているようです。また、近年ではユニバーサルツーリズムも叫ばれるようになり、足腰の不自由な方も横になりやすいという観点からベッドの導入は今後ますます広がって行くと予想されます。
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他の民泊と差別化するための+α
民泊を運営するにあたって、まず最低限導入を検討すべき事項を上記でご紹介しました。Wi-Fiとキッチン、ベッドを設置すれば利用者のニーズの半分を満たしたも同然ですが、さらに人気の民泊となるために、他の民泊と差別化を行う必要があります。他にはない空間演出:インテリア
基本的にはシンプルで清潔感のある部屋が好まれますが、差別化をして人気を獲得するには写真を撮って拡散したくなるような空間演出が必要です。民泊の利用者がその場でSNSに投稿したくなるようなインテリアは、満足度の向上にもつながります。また、使い心地や過ごしやすさも大切であるため、統一感のあるデスクやベッドなどでそろえることも大切です。
予約時~来日前までに印象が決まる!
宿泊を予約する際の旅行者との“初めの接点”で、最初の印象が決まります。“初めての接点”とはつまり、サイトに載っている写真のことです。まずは写真で旅行者の興味をひき、宿泊したいと思わせなければ予約へと進むことはありません。
さらに予約が入って実際に来てもらうまでのやり取りや、どれだけ充実した情報(周辺の観光情報や来日の際の注意点)を提供できるかも、人気に差をつける鍵となります。
優しく温かいホストは心をつかむ
差別化を図る中で誰にもまねされないものといえば、やはり最終的には人と人とのかかわりです。特に異国の地で不安なこともある中で、真摯でフレンドリーな対応は他には代えられない思い出となります。ただし注意すべきなのは、お客様の旅行であるという意識をもって過度に干渉しないことです。まるで自宅にいるような感覚を味わえる居心地と日本ならではのおもてなし体験を提供すると良いでしょう。
”また来たい”と”人に話したい”が人気民泊の条件
民泊に限ったことではありませんが、人気がある=「また来たい」「人に話したい」と思われる体験ができるということです。特に今はSNSでの拡散がプロモーションやマーケティングには不可欠となっている中で、まずはWi-Fi設備の充実と、人にお勧めしたくなる体験が人気民泊の条件です。海外へ行くときどんなことが不安になるか、どんなサービスがあったらうれしいかを旅行者の立場に立って具体的に想像し、サービス設計に落とし込むことも重要でしょう。
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