「元宵節(元宵节:げんしょうせつ)」2020年は2月8日!春節から数えて15日目・幻想的な灯籠・由来や風習・中国以外でのイベントも紹介

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

中国圏では元宵節(元宵节:げんしょうせつ)には、元宵団子を食べ、ランタンを見物するというのが元宵節の定番と言われています。

外に出て、ランタン見物や猜灯謎(灯籠に張ったなぞなぞを解く遊び)、竜灯舞いや獅子舞を見物して盛り上がります。

「元宵節」というお祭りを大勢で賑やかに祝うという風習は中国だけに見られるものではありません。地理的、歴史的要因で周辺のアジア諸国にも広まる動きを見せながら発展しています。

この記事では、灯籠のあかりが幻想的なランタンフェスティバルや、元宵節の由来や風習についてご紹介します。

関連記事
日本の端午の節句との違いは?中国の「端午節」
中国のお盆「清明節」とは
旧暦8月15日の「中元節」とは
中国のお月見「中秋節」日本とは何が違う?

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

元宵節(元宵节:げんしょうせつ)とは

元宵節は中国の春節(旧暦の元旦)から数えて15日目の最初の満月の日となっていて、2020年の元宵節は2月8日土曜日にあたります。

春節は日本の正月のような風習ですが、新暦の新年を正月として祝う日本と違い、中国や台湾、香港などでは旧暦の春節を正月として祝います。

家々で赤い提灯を灯し、家族が一堂に集まってご馳走や元宵というお団子を食べて過ごします。

元宵節は地方によっては灯篭を灯すことから灯籠節、上元節とも呼ばれています。

元宵節の歴史を紹介

元宵節の由来は2000年ほど前の漢時代までさかのぼります。当時の皇帝が反乱を平定したのが正月15日で、毎年この日には宮殿を出て民と共に祝いをしたことに由来すると言われています。

唐の時代には提灯を観賞する習慣が始まり、隋代、唐代と元宵節はますますに盛大になっていきました。

栄代になると期間が5日間に延長され、提灯も精巧かつ豪華に変化していきます。

また普段から夜間の外出が禁じられていた時代に、元宵節に限ってはこの禁令が解かれたとされていて、唯一この日だけは年頃の男女にとって絶好の出会いのチャンスの場だったといえます。

元宵節の起源は様々

元宵節の起源については、さまざまな諸説があると伝えられていますが、中でも「天鵞(てんが)説」は広く知られています。

この説によれば、提灯は神の怒りをおさめるための目くらましとされています。詳細は以下の通りです。

一羽の天鵞が天より人間界に舞い降りた際、一人の猟師の放った矢で傷ついてしまいました。それを知った玉皇大帝は腹を立て、大切にしていた天鵞に変わって正月15日に天より兵を遣わし、地上を焼き払うことを計画します。

その計画を知ったひとりの仙人は、民衆を救うために地上に降り、正月15日に家々で松明を燃やし提灯を灯せば厄災を逃れられると伝えます。人々が仙人の言葉の通りに正月15日に提灯を灯すと、仙人は玉皇大帝に地上は焼き払ったと報告します。

地上が赤々とした炎に包まれているのをみた玉皇大帝は、仙人の報告を信じ、その結果、人間界が焼き払われなくて済んだということです。

元宵節の風習は?

元宵節の風習は、中国だけでなく、国や地域によってそれぞれ変化してきました。しかしながら古来からの風習である元宵団子を食べることや、灯篭見物、獅子舞や龍踊りなどは昔から変わらず、一番大切な風習として残っています。

お団子のようなお菓子、元宵

▲[元宵の画像]
▲[元宵節の際に食する「湯園(タンユエン)」]:イメージ

元宵節の日には「元宵(ユェンシャオ)」「湯園(タンユエン)」というお湯に入ったお団子を食べる風習があります。

「元宵」はもち米の粉を粉のまま使ってつくります。また「湯圓」はこねた白玉粉で餡を包みます。

元宵の作り方は、まず中に入れる餡を丸め、それをもち米の粉を入れたざるの上で転がし、もち米の粉をまぶすというものです。水にくぐらせてから、またもち米の粉の上で転がす、という作業を繰り返してから茹であげます。

茹であがった団子の中の餡は、とろりとした食感です。満月のように丸い団子は、幸福を象徴する縁起のよい食べ物とされています。

灯籠を飾る

元宵節は「灯節」とも言われ、公共の場所でも家庭でも、さまざまな飾り灯籠「花灯」を飾る慣わしがあり、現在も広く受け継がれています。

かつて寺や廟で行われていた「猜灯謎」は灯篭に張ったなぞなぞを解く遊びです。灯籠になぞなぞが書いてあり、なぞが解けた人は景品がもらえます。

小正月の縁起のよさも手伝って、大いに盛り上がるイベントです。

他にも大勢の人が集まって1つずつ掲げた提灯で龍を形づくる「龍灯」、厳寒の地方では各家庭の庭で氷の提灯を飾る「氷灯」など、地方色や伝統色豊かな提灯もあります。

地域によっては変わった風習も?

お祭り色の強い元宵節ですが、一部の地域では、石を投げ合う、にくい相手を罵倒する、必ず外出しなけらばならない、などといった変わった風習の残る地域もあるようです。

他国の元宵節は?

中国本土だけでなく、中国人がたくさん移住している香港や台湾、中華街のある長崎でも毎年元宵節を祝うイベントが行われています。

元宵節は、時代とともに、それぞれの国の特色を反映したランタンフェスティバルに進化しています。

長崎のランタンフェスティバル

長崎のランタンフェスティバルでは、元宵節の日に街の中心部に15,000個ものランタンや大型オブジェが幻想的に飾られ、街を彩ります

長崎新地中華街をはじめ、湊公園、中央公園、眼鏡橋周辺、浜市・観光通りアーケードなど長崎市内の中心部の7つの会場で行われ、各会場では、龍踊り、中国雑技、二胡演奏など中国色豊かなイベントが繰り広げられます

2019年には願い事をのせてランタンを夜空に飛ばす、ロマンチックなイベント「スカイランタン」が開催されました。

香港ではバレンタインデー?

香港でも、元宵節にはランタンフェスティバルが開催されます。

また、元宵節は香港のバレンタインデーとしても親しまれており、恋人たちが仲良く過ごす日としても知られています。

この日は男性から女性に花を贈る習慣があり、この日にプロポーズする人も多いほど、重要な日と認定されているようです。

ランタンを飾る風習は、現在では大きく発展し、公園やレストラン、花市場など街のいたるところで華やかなランタンを目にすることができます。

台湾でもランタンフェスティバル

台湾でも、元宵節に花火を打ち上げランタンを空に飛ばす習慣があります。

1990年以降「花燈」と呼ばれるランタンが製作されるようになり、この花燈を台湾の観光行事に生かして整備したのが、現在のランタンフェスティバル(ランタン祭り)です。

毎回テーマにちなんだメインランタン(主燈)が作成され、大変な人気を呼んでいます。

ランタンフェスティバルでは花火と音楽を使ったショーのほか、夜市のように多くの屋台が登場します。

異文化理解がインバウンドプロモーション成功のカギに?

SNSでの情報発信が身近なものになったことから、各国の伝統行事やイベントなどを知る機会が身近になりました。

元宵節や春節でニュースになる爆竹などは、日本人にとってはなじみがなかったりしますが、このように、少しずつ異文化の伝統に理解を深めることで、インバウンド対策のヒントを見つけ出せるかもしれません。

11月11日「独身の日」とは

「独身の日」という言葉を耳にした人は、少なからずいると思います。インバウンド市場の加速により、中国大型連休となる旧正月の「春節」や、イスラム教徒が食べることが許されている「ハラルフード」など、外国の文化要素を理解する機会も増えてきたように感じます。とりわけ、訪日中国人においては、訪日外国人のなかでもトップの割合を占めているため、今後更に中国の文化・風習を深く知る機会も増えていくでしょう。中国EC最大手のアリババグループと資生堂が2019年3月に戦略業務提携を締結したことが発表されました。と...

中華圏お盆の"清明節"とは?美しい色とりどりの食事を紹介、台湾・沖縄バージョンとの共通点を解説

「清明節」(せいめいせつ)は、お墓を清め、祖先を供養する日として定められた中国の祝日です。旧暦3月の春分の日から 15日目にあたる節句であり、中国ではその日を含む3日間を法定休日としています。 2021年は4月4日が清明節その日となり、4月3日(土)~4月5日(月)が法定休日です。 清明節には、先祖の墓に線香を上げて墓参りをする風習があり、日本のお盆に似ています。 この記事では、中国の伝統である清明節の由来や風習などを解説します。 [com_category_dl_btn na...

中元節(お中元)とは?中華圏の伝統行事の歴史や風習を解説

中元節(お中元)とは、中国の伝統行事で日本でいうお盆にあたります。2021年の中元節は8月22日(日)で、2020年は9月2日(水)でした。 多くの訪日中国人が春節などの年中行事の大型連休に合わせて日本を訪れています。 経済発展著しい中国ですが、古くからの伝統を大切にする精神はまだ多くの都市で残っています。こうした伝統行事や文化、風習への理解は、訪日中国人のニーズや好感を抱くモチーフを把握するために、ますます重要になっています。 なかでも「中元節」は中国だけでなく、中華圏(台湾、香...


訪日ラボ セミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ

「稼ぐ観光・地域活性化」のヒントがわかるセミナーが目白押し!


RX Japan株式会社は、2024年5月8日〜10日に東京ビックサイトにて、「観光業/宿泊業」「ツーリズム」に関わるBtoB商談展「国際ツーリズムトレードショー」(iTT)を開催します。

この構成展である「観光DX・マーケティングEXPO」と「国際ウェルネスツーリズムEXPO」内では、セミナーが開催されます。

訪日ラボを運営する株式会社movも、「インバウンド×観光DX戦略」のテーマで登壇します!ご興味のある方はぜひご参加ください。

※訪日ラボは、「観光DX・マーケティングEXPO」「国際ウェルネスツーリズムEXPO」の公式メディアパートナーです。


詳しくはこちらをご覧ください。
「稼ぐ観光・地域活性化」のヒントがわかるセミナーが目白押し!観光DX・マーケティングEXPO / 国際ウェルネスツーリズムEXPOセミナーのご紹介

【インバウンド情報まとめ 2024年4月】3月訪日外国人数「300万人」突破 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年4月版レポートから、3月〜4月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
3月訪日外国人数「300万人」突破 / 2月の世界航空需要、コロナ前から完全回復【インバウンド情報まとめ 2024年4月】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる4月から観光・インバウンドに関わる仕事に就いたり、関連部署へ異動となり、知識のインプットに追われていませんか? また、より一層事業を推進するために必要な学び直しの機会を設ける担当者も増えてきております。
このセミナーでは、
新担当になって、インバウンドの何から始めたらいいか分からない
インバウンド推進が本格化し、改めて情報やノウハウを学び直したい
そもそもインバウンドに興味があるが、情報を収集できていない
方にとって必要な基礎情報と、知っておきたい新情報をお届けする機会となっております!
詳しくはこちらをご覧ください。
→4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに