中国と「香港」「台湾」何が違う?歴史や最近の情勢、観光名所まとめ

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香港と台湾、中国は日本からほど近く旅行先としても人気のある場所ですが、香港、台湾、中国のそれぞれの関係性や立場を深く理解している人は多くありません。

特に香港と台湾の違いについては歴史的背景を知らずに理解することは難しく、話に挙がることは多いものの、その本質的な違いは知らないということも珍しくありません。

しかし、歴史的背景や情勢を整理できれば両者の違いを理解することは決して難しいことではありません。

この記事では、香港と台湾の違いについて歴史、情勢、観光スポットなどの点からまとめます。

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香港・台湾・中国の歴史

香港及び台湾の歴史は、両者の違いや中国との関係性を把握するために理解しておかなければならない最重要事項です。

両者の近代史では主に戦争によって支配国が移り変わるため、それぞれどの国からどのような支配を受けていたかという点に注目して流れを整理していくと理解しやすいでしょう。

香港の歴史、1997年からは中国の特別行政区

長らく中国の歴代王朝による支配が続いていた香港島は、アヘン戦争後の1842年にイギリスの支配下に置かれることとなります。その後、太平洋戦争時に日本軍がイギリス軍を制圧するために香港島への侵攻を開始したことによって、実質的な支配国は日本となり、1945年の日本敗戦まで日本の植民地として扱われました。

1945年以降は約半世紀にわたってイギリス領とされていた香港島ですが、中英間の協議によって1997年に中国へと返還されました。以降は「一国二制度」のもと、中国領でありつつも特別行政区として扱われています。

台湾の歴史、中華民国政府が統治

17世紀後半以降、香港同様に清朝による支配下に置かれていた台湾は、1894年の日清戦争において清朝が日本に敗戦したことにより大日本帝国の占領下へと移され、台湾総督府が実質的な支配権を持つこととなりました。

その後は50年間にわたり日本の統治下とされていた台湾ですが、1945年の日本敗戦とともに中華民国によって統治されるようになります。

しかし、中国本土において蒋介石率いる国民党と毛沢東率いる共産党の内戦が続いた結果、劣勢にあった国民党が台湾へと流れ込み、現在の中華民国につながる政権を開始しました。

中国の歴史、1949年から中国共産党が政権をにぎる

中国には19世紀まで多くの王朝が隆盛してきました。1912年に中華民国が成立しましたが、1946年の国共内戦を経て1949年に中国共産党により中華人民共和国が成立します。

中国ではこの時から今に至るまで、中国共産党による一党独裁が続いています。

香港・台湾のどちらも中国と深いつながり

どちらも中国領の一部として扱われてきた歴史があります。香港、台湾が現在の中華人民共和国と同じ政府の統治下にあった期間も短くありません。地理的な近さもあり、共通する文化も多く残っています。

どちらも中国共産党により中華人民共和国の一部とされていますが、異なる行政組織が存在し、日本のような一つの政府による統治がされているとは言い難い状況となっています。

香港及び台湾の両者が中国と深いつながりを有している背景には、世界各国の思惑や利権関係による事件等が存在していると言えるでしょう。

香港・台湾・中国の情勢について知りたい

香港、台湾、中国は日本から極めて近い地域であるため、これら地域における国際情勢や社会的状況は日本の対外情勢とも関係してきます。

どの地域からも毎年の訪日観光客は多いため、海外旅行に行く人の増減は日本経済にも大きく影響すると考えられます。

現代の香港・台湾・中国について、国際情勢という点に注目するとどのような状況なのでしょうか。

以下では、各国・地域の最近の情勢について解説します。

香港 : 国家安全維持法が成立

香港では2019年9月4日に逃亡犯条例改正案の撤回が発表されました。

逃亡犯条例の改正はある殺人事件が発端となって発案されています。事件は香港人男性が台湾で恋人を殺害し、逮捕前に香港に戻ってしまったため犯罪人引渡し協定が結ばれていない台湾へと身柄を移送できませんでした。

この問題を解決するための一案として、逃亡犯条例の改正が必要であると主張されましたが、この改正は同時に中国本土への容疑者の身柄引渡しを可能とするものでした。この点に危機感を感じた人々により、逃亡犯条例改正に反対する大規模なデモが行われ、現在もこの動きは目的を変え続いていると言います。改正案は10月にすでに撤回されています。

しかし、2020年6月30日、香港で国家安全維持法が成立しました。国家分裂罪、国家政権転覆罪、恐怖活動(テロ)罪、外患(外国との共謀)罪の4つを定める法律で、翌日には早くも警察による取り締まりが始まりました。

8月10日には、香港の民主活動家として日本でも認知を得ている周庭(アグネス・チョウ)氏も逮捕される事態となりました。これに対し日本政府も「重大な懸念」を示しています。

台湾 : ソロモン諸島との国交断絶

台湾は2019年9月16日にソロモン諸島との国交を断絶したことを発表しました。ソロモン諸島の台湾との国交断絶は、ソロモン諸島の中国との国交樹立に伴うものです。

中華人民共和国にとって台湾は行政区画の一つであり、国ではありません。ソロモン諸島が中国と国交を樹立するにあたっては、当然、台湾を国扱いするわけにはいかなくなります。

9月23日現在では台湾が国交を結んでいる国は16カ国です。日本は中華人民共和国を中国を代表する唯一の政府とする立場をとっており、台湾との国交はありませんが、関係官庁間の交流・実務協議は定例化されています。

中国:新型コロナウイルスの収束に成功、IT産業が苦境に

中国は2020年の春節頃から、各地で新型コロナウイルスの流行が発生し、その封じ込めのために数々の施策を打ち出してきました。

2020年5月には第二波の発生とも見える流行も起こったものの、消費は好調に回復しています。

インドやアメリカとの関係では緊張が高まっており、中国企業のバイトダンスが展開するショートムービーアプリTikTokの利用制限や、米企業への事業売却が起こっています。

日本でも政治家による規制の提言について言及がありました。中国政府がこうした動きに対し報復的な方針を取ることも考えられ、今後の動きに注目が集まります。

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香港・台湾・中国の観光スポットは?

訪日観光客も多い香港・台湾ですが、いずれも観光地として世界に名をはせています。

訪日旅行における訴求ポイントのヒントは、現地の観光名所との差別化からも見つけ出すことができます。

各地域の著名観光スポットについてまとめます。

香港のおすすめ観光スポット

  • ヴィクトリアピーク
香港で人気の観光地の内の1つがヴィクトリアピークです。

ヴィクトリアピークは太平山と呼ばれる山の周辺一帯を指しており、美しい夜景スポットとして有名です。

ヴィクトリアピークからはヴィクトリア湾や超高層ビル群を一望でき、その景色は「100万ドルの夜景」とも称されています。

  • ネイザンロード

香港の九龍にある、尖沙咀から旺角まで南北に走っている大通りです。香港独特の空気感を味わうにはネイザンロードが最適です。 

ネイザンロードは映画やドラマのロケ地として使用されることもあり、まさにアジアらしさを象徴するような賑やかなネオン街です。

周辺にはホテルや飲食店、小売店が充実しているため、観光と同時にショッピングを楽しむことも可能です。

  • マンモウミウ

マンモウミウは香港最古の寺院として有名で、観光客も多く訪れるスポットの1つです。漢字では文武廟と書きます。

天井からは渦巻き型のお香が吊るされており、規則的に並べられた無数のランプが異国情緒を醸し出しています。

台湾のおすすめ観光スポット

  • ジョウフェン(九份)

ジョウフェン(九份)は台湾で日本人に最も有名な観光地と言っても過言ではありません。

『千と千尋の神隠し』のモチーフになったと言われている街で、夕刻から夜にかけては提灯のあたたかな灯りが商店街を照らし出します。

石段の左右にはとめどなく茶屋や工芸品店が並んでおり、ノスタルジックな雰囲気が魅力です。

  • 龍山寺

龍山寺は絢爛豪華な台湾建築を間近で見られる人気の観光地です。

18世紀に建築された龍山寺はパワースポットとしても知られており、多くの観光客が足を運んでいます。

また、周辺では夜市が開かれているため、ショッピングを楽しむことも可能です。

  • 台北101展望台

台北101展望台は台湾随一の高さから景観を見渡せる人気スポットです。

その名の通り、101階建ての台北101には89階に360度見渡せる展望台が設けられており、台北の街を一望できます。

509mの高さは世界的に見ても超高層建造物と呼ぶにふさわしく、日本では見られない景色を見るために展望台に登ることは貴重な経験となるでしょう。

中国のおすすめ観光スポット

中国では国内旅行が一大ブームとなっています。広大な中国には各地に見どころとなる自然景観や文化財が存在しており、14億人口の旅行欲を満たしています。

高速鉄道のアクセスの良い都市では、連休中にかなりの人出がみられ、国内外のニュースとなっています。

  • 故宮(北京)
  • 万里の長城(北京)
  • 兵馬俑(西安)
  • 外灘(上海)
  • 黄鶴楼(武漢)
  • 福建土楼(福建)

中国、連休中盤へ 旅行者4億人超、観光収入5兆円近く

2020年10月1日から8日まで、中国では国慶節の大型連休を迎えています。 今年は新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、日本では訪日中国人観光客の客足は消えていますが、中国では国内旅行が活況を迎えています。 国慶節連休の半分がすぎた現在、中国の観光地ではどのような様子となっているのでしょうか。 [cta_toc_upper_banner] 目次 4日間で旅行者は4億人突破、観光収入は5兆円近く コロナ震源地の「武漢」、人気観光地に 活気が戻った中国の国内旅行市...


どちらもベストシーズンは秋

香港や台湾は比較的日本と似た気候の地域であるため、服装については特段注意しなければいけない点は少ないでしょう。

観光に適している季節としては10月から11月頃の秋口がベストシーズンです。気温、湿度ともに快適な日が多いでしょう。

しかし、ショッピングをメインに楽しむのであればセール商戦が活発な夏と冬に旅行する手もあります。特に中国における一大イベントである旧正月の時期には毎年大規模なセールが行われています。

今こそ知るべき「春節」旧正月休暇で中国人観光客増

2018年は、日本を訪れる外国人観光客が初めて3000万人を超えました。そのうちの約3割が中国からの観光客です。中国の訪日ビザの緩和により、2019年もさらに多くの中国人観光客が訪れることが期待されています。そんな中国人にとって一年のうちで一番大切な行事が「春節」です。 このページでは、日本人になじみのない春節について、中国人にとってどのような意味を持つのか、またインバウンド対策として何ができるのかを解説します。「春節」という言葉しか知らないという方に向けて、1から丁寧に分かりやすく説明...

香港・台湾・中国の歴史的背景や文化を理解しよう

香港、台湾はいずれも中国とつながりの深い地域であり、現在の香港や台湾に至るまでにはさまざまな経緯がありました。こうした歴史の積み重ねによって外交上複雑な立場に立たされている面もありますが、そこに根付いた独自の文化は旅行先としても大きな魅力となっています。

香港や台湾は中国文化と長く交流のある日本文化から見ても親近感を抱かされる地域です。その歴史的背景や文化、関係について理解を深めることは、今後両地域と日本の関係を良好に保つうえでも役立つでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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