今さら聞けない「香港」と「台湾」何が違う?歴史・アジアの二大人気観光地・旅行のおすすめスポット・最新動向も紹介

公開日:2019年11月12日

香港と台湾は日本からほど近く旅行先としても人気のある場所ですが、香港、台湾、中国のそれぞれの関係性や立場を深く理解している人は少ないようです。

特に香港と台湾の違いについては歴史的背景を知らずに理解することは難しく、話に挙がることは多いものの、その本質的な違いは知らないということも珍しくありません。

しかし、歴史的背景や情勢を整理できれば両者の違いを理解することは決して難しいことではありません。

この記事では、香港と台湾の違いについて歴史、情勢、観光スポットなどの点からまとめます。

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歴史について

香港及び台湾の歴史は、両者の違いや中国との関係性を把握するために理解しておかなければならない最重要事項です。

両者の近代史では主に戦争によって支配国が移り変わるため、それぞれどの国からどのような支配を受けていたかという点に注目して流れを整理していくと理解しやすいでしょう。

香港の歴史、1997年からは中国の特別行政区

長らく中国の歴代王朝による支配が続いていた香港島は、アヘン戦争後の1842年にイギリスの支配下に置かれることとなります。その後、太平洋戦争時に日本軍がイギリス軍を制圧するために香港島への侵攻を開始したことによって、実質的な支配国は日本となり、1945年の日本敗戦まで日本の植民地として扱われました。

1945年以降は約半世紀にわたってイギリス領とされていた香港島ですが、中英間の協議によって1997年に中国へと返還されました。以降は「一国二制度」のもと、中国領でありつつも特別行政区として扱われています。

台湾の歴史、中華民国政府が統治

17世紀後半以降、香港同様に清朝による支配下に置かれていた台湾は、1894年の日清戦争において清朝が日本に敗戦したことにより大日本帝国の占領下へと移され、台湾総督府が実質的な支配権を持つこととなりました。

その後は50年間にわたり日本の統治下とされていた台湾ですが、1945年の日本敗戦とともに中華民国によって統治されるようになります。

しかし、中国本土において蒋介石率いる国民党と毛沢東率いる共産党の内戦が続いた結果、劣勢にあった国民党が台湾へと流れ込み、現在の中華民国につながる政権を開始しました。

どちらも中国と深いつながり

どちらも中国領の一部として扱われてきた歴史があります。香港、台湾が現在の中華人民共和国と同じ政府の統治下にあった期間も短くありません。地理的な近さもあり、共通する文化も多く残っています。

どちらも中国共産党により中華人民共和国の一部とされていますが、異なる行政組織が存在し、日本のような一つの政府による統治がされているとは言い難い状況となっています。

香港及び台湾の両者が中国と深いつながりを有している背景には、世界各国の思惑や利権関係による事件等が存在していると言えるでしょう。

旅行のおすすめスポットは?

日本からの距離も近い香港、台湾は旅行先としての人気も高く、場合によっては国内線よりもリーズナブルな価格で航空券が販売されています。

手軽に海外旅行を楽しむ際には外せない香港、台湾にはどのような観光スポットがあるのでしょうか。

以下では、それぞれのおすすめスポットについて紹介します。

香港のおすすめ

  • ヴィクトリアピーク
香港で人気の観光地の内の1つがヴィクトリアピークです。

ヴィクトリアピークは太平山と呼ばれる山の周辺一帯を指しており、美しい夜景スポットとして有名です。

ヴィクトリアピークからはヴィクトリア湾や超高層ビル群を一望でき、その景色は「100万ドルの夜景」とも称されています。

  • ネイザンロード

香港の九龍にある、尖沙咀から旺角まで南北に走っている大通りです。香港独特の空気感を味わうにはネイザンロードが最適です。 

ネイザンロードは映画やドラマのロケ地として使用されることもあり、まさにアジアらしさを象徴するような賑やかなネオン街です。

周辺にはホテルや飲食店、小売店が充実しているため、観光と同時にショッピングを楽しむことも可能です。

  • マンモウミウ

マンモウミウは香港最古の寺院として有名で、観光客も多く訪れるスポットの1つです。漢字では文武廟と書きます。

天井からは渦巻き型のお香が吊るされており、規則的に並べられた無数のランプが異国情緒を醸し出しています。

台湾のおすすめ

  • ジョウフェン(九份)

ジョウフェン(九份)は台湾で日本人に最も有名な観光地と言っても過言ではありません。

『千と千尋の神隠し』のモチーフになったと言われている街で、夕刻から夜にかけては提灯のあたたかな灯りが商店街を照らし出します。

石段の左右にはとめどなく茶屋や工芸品店が並んでおり、ノスタルジックな雰囲気が魅力です。

  • 龍山寺

龍山寺は絢爛豪華な台湾建築を間近で見られる人気の観光地です。

18世紀に建築された龍山寺はパワースポットとしても知られており、多くの観光客が足を運んでいます。

また、周辺では夜市が開かれているため、ショッピングを楽しむことも可能です。

  • 台北101展望台

台北101展望台は台湾随一の高さから景観を見渡せる人気スポットです。

その名の通り、101階建ての台北101には89階に360度見渡せる展望台が設けられており、台北の街を一望できます。

509mの高さは世界的に見ても超高層建造物と呼ぶにふさわしく、日本では見られない景色を見るために展望台に登ることは貴重な経験となるでしょう。

どちらもベストシーズンは秋

香港や台湾は比較的日本と似た気候の地域であるため、服装については特段注意しなければいけない点は少ないでしょう。

観光に適している季節としては10月から11月頃の秋口がベストシーズンです。気温、湿度ともに快適な日が多いでしょう。

しかし、ショッピングをメインに楽しむのであればセール商戦が活発な夏と冬に旅行する手もあります。特に中国における一大イベントである旧正月の時期には毎年大規模なセールが行われています。

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情勢について知りたい

香港、台湾は日本から極めて近い地域であるため、両地域における国際情勢や社会的状況は日本の対外情勢にも大きな影響を与える可能性があります。

現代の香港及び台湾は国際情勢という点に注目するとどのような状況なのでしょうか。

以下では、香港、台湾の最近の情勢について解説します。

香港 : 逃亡犯条例改正案撤回

香港では2019年9月4日に逃亡犯条例改正案の撤回が発表されました。

逃亡犯条例の改正はある殺人事件が発端となって発案されています。事件は香港人男性が台湾で恋人を殺害し、逮捕前に香港に戻ってしまったため犯罪人引渡し協定が結ばれていない台湾へと身柄を移送できませんでした。

この問題を解決するための一案として、逃亡犯条例の改正が必要であると主張されましたが、この改正は同時に中国本土への容疑者の身柄引渡しを可能とするものでした。この点に危機感を感じた人々により、逃亡犯条例改正に反対する大規模なデモが行われ、現在もこの動きは目的を変え続いていると言います。改正案は10月にすでに撤回されています。

台湾 : ソロモン諸島との国交断絶

台湾は2019年9月16日にソロモン諸島との国交を断絶したことを発表しました。ソロモン諸島の台湾との国交断絶は、ソロモン諸島の中国との国交樹立に伴うものです。

中華人民共和国にとって台湾は行政区画の一つであり、国ではありません。ソロモン諸島が中国と国交を樹立するにあたっては、当然、台湾を国扱いするわけにはいかなくなります。

9月23日現在では台湾が国交を結んでいる国は16カ国です。日本は中華人民共和国を中国を代表する唯一の政府とする立場をとっており、台湾との国交はありませんが、関係官庁間の交流・実務協議は定例化されています。

どちらの国も中国つながり : それぞれの文化を大切にしている

香港、台湾はいずれも中国とつながりの深い地域であり、現在の香港や台湾に至るまでにはさまざまな経緯がありました。こうした歴史の積み重ねによって外交上複雑な立場に立たされている面もありますが、そこに根付いた独自の文化は旅行先としても大きな魅力となっています。

香港や台湾は中国文化と長く交流のある日本文化から見ても親近感を抱かされる地域です。その歴史的背景や文化、関係について理解を深めることは、今後両地域と日本の関係を良好に保つうえでも役立つでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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