中国、連休中盤へ 旅行者4億人超、観光収入5兆円近く-あの「武漢」が人気観光地に

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

2020年10月1日から8日まで、中国では国慶節の大型連休を迎えています。

今年は新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、日本では訪日中国人観光客の客足は消えていますが、中国では国内旅行が活況を迎えています。

国慶節連休の半分がすぎた現在、中国の観光地ではどのような様子となっているのでしょうか。


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

4日間で旅行者は4億人突破、観光収入は5兆円近く

10月1日連休初日から、中国各地は活気に溢れています。

中華人民共和国文化・旅游部は10月1日に、1億人近くの人が旅行に出かけ、前年同日比73.8%まで回復したと発表しました。

同日、全国の鉄道施設もピークを迎えていました。中国国家鉄路集団によれば、利用客数は1,480万人と推定されており、新型コロナウイルス感染拡大以来の最高値を更新しました。

そして中国民用航空局によれば、全国の航空便数は14,941便、利用客数は167万人と、2019年の10月1日とほぼ横ばいを維持したことがわかりました。平均搭乗率は79.5%であり、前年同期比で5.1%減少したとされています。

この国内旅行の盛況は初日のみならず、その後もにぎわいを見せています。

下記は10月1日から3日まで、毎日の旅行者数と観光収入をまとめた表です。

日にち 国内旅行者数 観光収入
10月1日 9,700万人(前年同日比73.8%) 766億5,000万元(約1兆1,920億日本円、前年同日比68.9%)
10月2日 1億800万人(前年同日比80.3%) 765億1,000万元(約1兆1,898億日本円、前年同日比69.5%)
10月3日 1億1,100万人(前年同日比78.2%) 780億7,000万元(約1兆2,140億日本円、前年同日比66.8%)
智通財経より、訪日ラボ編集部作成

この表をみると、新型コロナウイルス感染拡大により、旅行者数も観光収入も去年と比べて落ちているものの、旅行者数においては8割近く、観光収入においては7割近くまで回復していることがわかります。

中国旅游研究院の統計によると、10月1日から4日までの4日間に、国内旅行者数は累計4.25億人に達しており、これによりもたらされた観光収入は3120.2億元(約4兆8,511億日本円)を超えています。

そして、観光スポットの予約状況データからも今年の国慶節連休の活況が伺えます。

中国の大手オンライン旅行会社「携程」(Trip.comグループ:2019年10月まで、中国国内では「Ctrip」の名称で展開)が10月4日に発表した「2020十一景区門票在線予訂報告(2020年10月1日観光スポットオンラインチケット予約報告)」によると、10月1日から4日まで携程を経由して国内観光スポットのチケットを予約した数は前年同期比で100%を超えており、2019年の水準を超えていると示されています。

一部の観光スポットでは携程経由の旅行者数は去年に比べて2〜5倍増加し、最大10倍に増えたところもあると報告されています。

きょうからGo To東京「解禁」へ 中国では8連休初日、6億人の行く先は?人気観光地はあの「武漢」

本日10月1日より日本政府の観光業界に対する支援施策、「Go Toトラベルキャンペーン」の対象に東京発着の旅行が追加されます。時を同じくして中国では国慶節連休が始まり、今年最長の連休である8連休となります。中国の大手オンライン旅行会社「携程」(Trip.comグループ、中国国内では「Ctrip」の名称で展開)の調査によると、この国慶節連休中に延べ6億人が旅行に出かけると推計されています。また、菅総理は10月1日より全世界からの訪日外国人の受け入れ条件を緩和するという方針も明らかにしており、...

中国「8連休」まもなく...「リベンジ旅行」欲高まる:長距離、少人数、レンタカーがトレンド

国慶節は中国では春節(旧正月)に次ぐ大型連休であり、この時期に多くの中国人が国内外を旅行します。2019年の国慶節の連休に旅行する中国人の総数は8億人で、そのうち750万人が中国国外への旅行をするとの推計がありました。今年は新型コロナウイルスの影響で、中国人による海外旅行が消失した一方、最長8連休の長い休暇やリベンジ消費心理の働きかけにより、国内旅行が活況を迎えています。この記事では、2020年国慶節連休における中国人の旅行トレンド予想について整理します。関連記事中国の祝日「国慶節」とは?...


コロナ震源地の「武漢」、人気観光地に

では、新型コロナウイルスの発生地と言われている「武漢」では、この大型連休中にどのような変化があるのでしょうか。

携程が国慶節連休前に行われた人気観光スポットランキングでは、武漢の黄鶴楼が上海ディズニーや西安兵馬俑遺跡など定番の観光スポットを抑えて、1位を獲得しました。

そして、前述した「2020十一景区門票在線予訂報告(2020年10月1日観光スポットオンラインチケット予約報告)」では、観光スポット予約ランキングトップ10のうち、武漢の黄鶴楼と海昌極地海洋公園がぞれぞれ2位と7位にランクインされました。

さらに、武漢市当局の発表によると、武漢の観光スポットで人出が去年を上回るところが相次ぎ、武漢園博園(園林博覧公園)では来客数が前年同期比の2倍以上を記録したとわかりました。

このような武漢への観光客の増加について、当局は「予想を超えた盛況だ」とコメントしています。

あまりの盛況ぶりを受けて、10月3日より武漢は予約可能な観光スポット数を増やしました。

中国最大のSNSWeibo」でも、武漢に旅行を出かけた投稿が多く見られており、「観光客が絶えない」「人が多すぎて最後まで辿る時間がなかった」「武漢は昔の活気を取り戻した」といった内容が見受けられています。

▲[訳:黄鶴楼、雨が降っても観光客が絶えない]:Weibo投稿より
▲[訳:黄鶴楼、雨が降っても観光客が絶えない]:Weibo投稿より
▲[訳:武漢漢街、人が多すぎて最後まで辿る時間がなかった...]:Weibo投稿より
▲[訳:武漢漢街、人が多すぎて最後まで辿る時間がなかった...]:Weibo投稿より
▲[昨日は東湖植物園の予約が取れず、今日はやっと取れて家族で一緒にいった!到着したら人がたくさんいた。この光景は久しぶりだ!武漢はようやく昔の活気を取り戻した!]:Weiboの投稿より
▲[昨日は東湖植物園の予約が取れず、今日はやっと取れて家族で一緒にいった!到着したら人がたくさんいた。この光景は久しぶりだ!武漢はようやく昔の活気を取り戻した!]:Weiboの投稿より

中国、人気観光地1位がなんと「武漢」に:上海ディズニー抑え...なぜ?

来週10月1日より、中国では国慶節という大型連休を迎えます。国慶節は、例年国内外を旅行する人が多いシーズンでした。今年は新型コロナウイルスの世界的流行によって海外旅行にいけないかわりに、延べ6億人の中国人が国内旅行に出かけると推計されています。そうした中、Trip.comの調査によると、人気の観光地1位は新型コロナウイルスの"震源地"である「武漢」が選ばれました。日本人からするとぎょっとするような現象が、現在の中国の旅行シーンで起きています。なぜ、新型コロナウイルスの発生地である武漢が一躍...

活気が戻った中国の国内旅行市場

新型コロナウイルスの影響で中国の旅行市場は一度打撃を受けましたが、今年の国慶節連休で国内旅行市場は急速な回復を見せています。

中国では武漢はもはや感染状況を危惧される土地ではなく、むしろメモリアルなスポットとして国慶節連休では一躍人気の観光地になっています。

国内のインバウンド関連事業者は、アフターコロナ時代における訪日中国人観光客の客足の回復を見据え、国慶節連休をはじめとした中国国内の旅行動向を注目し続ける必要があるでしょう。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

参照資料

智通財経:国庆假期前四天全国共接待游客4.25亿人次,同比恢复78%

人民網:国庆中秋假期首日国内旅游人次近亿 交通运行平稳有序

武漢発布:关注 | 黄金周首日武汉多景区游客量倍增,全省景区收入恢复至去年同期八成

新旅界:携程十一门票预订报告:同比增长100% 目的地景区加速回血

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに