東京や京都に次いで、インバウンドに人気の観光地として広島があります。もともと、戦争の歴史を色濃く持つ土地として欧州からの関心は高くなっていました。
近年注目を集めているのが、人気の観光スポットである厳島神社などを船上から楽しめる瀬戸内海クルーズです。
今回は、瀬戸内海クルーズの見所やプランについて紹介します。
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瀬戸内海クルーズとは
瀬戸内海では、クルーズを楽しめることで国内外から密かに人気を集めています。訪日外国人向けのクルーズプランなども増加傾向にあり、インバウンド対策が進められています。東洋のエーゲ海と呼ばれる瀬戸内海
瀬戸内海は、中国山地と四国山地から流れてくる乾いた風が瀬戸内海にやってきます。全国の平均以下の少ない降水量と、日照時間の長さが特徴です。
特徴的なのは、日本の海特有の「磯の香り」がしない点です。大小さまざまな河川が海に流れ込んでおり、瀬戸内海では海水と淡水が混じり合っているため、このような環境となっています。
気候が通年通して安定している瀬戸内ですが、季節によって見せる表情が異なります。夏は、水温の上昇に伴ってプランクトンが増殖しエメラルドグリーン色になります。冬になると、透明度が高まり青色になります。季節により変わる美しい景色を楽しめるのが瀬戸内海です。
瀬戸内海の人気スポット
瀬戸内海には、様々な人気スポットが密集しています。国内旅行客はもちろんのこと、訪日外国人に人気のスポットも数多くあります。瀬戸内海の各人気スポットを紹介します。
1. 厳島神社
訪日外国人から根強い人気がある宮島にある神社です。海の中にそびえ立つ鮮やかな朱色の鳥居は宮島の代名詞ともいえます。
多言語対応スタッフの配置や無料Wi-Fiの提供など、インバウンド対策に力を入れている観光スポットでもあります。
2. 角島、角島大橋
下関豊北町の沖に浮かぶ小さな島です。中国地方と角島大橋を繋ぐ角島大橋からは、美しい瀬戸内海の景色を楽しめます。島内にある北長門海岸国定公園では、潮風に吹かれながら、瀬戸内の自然を堪能できるスポットです。
3. しまなみ海道
しまなみ海道は愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ60kmにもなる自動車道です。自転車歩行者専用道路があるので、自転車や歩きで渡ることもできます。眼下には美しい島々の景色を楽しめます。
4. 関門海峡
九州と中国地方を結ぶ約700mの海峡です。昔から多くの船が行き交ってきた地であり、現在も1日で美しい約700隻もの船が行き交っています。美しい風景に加えて、汽笛の音がさらなる風情を増しています。
5. 寒霞渓(かんかけい)
香川県の小豆島にある渓谷です。日本三大渓谷美として、瀬戸内海が誇る景勝地となっています。瀬戸内海の中心に位置し、ロープウェイから瀬戸内海の自然を堪能できます。
6. 直島
直島は、大小27にも及ぶ島々の総称です。様々なアート作品があり、自然とアートが調和した島です。直島で毎年開催される瀬戸内国際芸術祭には、多くの訪日外国人がこの地に訪れます。
7. 明石海峡大橋
橋長3,911mに及ぶ、世界最大級のつり橋です。夜になると、イルミネーションで彩られます。
8. 瀬戸大橋
本州と四国を結ぶ10もの橋の総称です。「世界一長い鉄道道路併用橋」として、2015年にはギネス世界記録に認定されました。壮大なスケールの橋と瀬戸内海の自然とのギャップが人々を魅了します。
9. 来島海峡大橋
愛媛の今治市から大島を結ぶ全長4kmの橋です。瀬戸内海では、3月~7月に霧が発生することが多く、展望台から霧に包まれた瀬戸内海を見ることができます。
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いくつものクルーズプラン
瀬戸内海クルーズには、様々なクルーズ船のプランが用意されています。瀬戸内クルーズのプランとその提供会社について紹介します。1. 昼の瀬戸内感動クルーズ:フェリーさんふらわあ
年4回限定で運航される特別便です。昼食・夕食の2食付きで、船内イベントも盛りだくさんです。客室は、一般的なクルーズ船と同じく豪華なものから大勢の部屋まで様々なタイプの部屋から選べます。
乗船する方全員、外の景色を楽しめる展望浴場が無料で利用できます。大阪のターミナルから出港し、昼から夜にかけて明石海峡、瀬戸大橋、来島海峡大橋を通るコースです。
また、オプションで「ホテルシップ」があります。ホテルシップに申し込んだ方は、翌朝まで船室に宿泊できます。
2. 瀬戸内海クルーズ:商船トラベル
商船トラベルでは、様々な顧客層に合わせて、豊富なコースを用意しています。初めてクルーズ船に参加する方には、船酔いを心配する方もいるかもしれません。
瀬戸内では、波が穏やかで揺れにくいという特徴があるので、そこまで船酔いする心配は不要です。初めての方や友達を誘って気軽に参加できるのが瀬戸内クルーズの魅力です。瀬戸内クルーズでは、明石海峡・瀬戸大橋・来島海峡大橋をはじめとする橋や、小豆島や直島といった自然豊かな島々を堪能できます。
3. せとうちおさんぽクルーズ
チャーター高速便で行く瀬戸内海クルーズです。専属マリンガイドの案内により、瀬戸内の文化や歴史についても知ることができ、瀬戸内の魅力をより楽しめるクルーズとなっています。様々なオプションプランが用意されており、プランによってはBBQを楽しんだり、ドルフィンファームしまなみに立ち寄ることができます。期間限定の様々なプランがあるので、リピーターにとっても満足のいくサービスとなっています。
小型ラグジュアリー客船の「guntu(ガンツウ)」宿泊可能で豪華なプラン
guntu(ガンツウ)は、2017年10月17日に就航した常石グループが運営する瀬戸内クルーズです。ガンツウはすでに先ほど説明した他の瀬戸内クルーズとは異なり、「豪華さ」を追求したクルーズです。瀬戸内の魅力を存分に味わうことができるクルーズは、思わず人に伝えたくなる体験となるでしょう。口コミが生まれ、地域活性化に貢献するサービスとなっていると考えられます。
瀬戸内海初の宿泊できるクルーズ
ガンツウが搭乗するまで、瀬戸内海のクルーズには宿泊できるコースは存在しませんでした。ガンツウは瀬戸内海初の宿泊できるクルーズです。1泊30万円(消費税抜き)からのと高価格であり、富裕層向けのクルーズ船です。2泊3日を中心に、3泊4日、6泊7日のコースが用意されています。
コースは世界遺産の宮島やアートで人気の直島などを巡るなど、様々なコースが用意されています。
瀬戸内の美しい景色と共に、地域の素材をつかった日本料理を楽しめるため、訪日外国人を満足させることのできる内容と言えるでしょう。
「ちいさな宿」
ガンツウのコンセプトは「せとうちに浮かぶ小さな宿」です。複数の受賞実績のある建築家の堀部安嗣氏がデザインを担当し、シンプルで落ち着きのある空間に仕上がっています。全19席の客室は、その全てがテラス付きのスイートルームです。また、共有スペースは展望デッキ、ダイニング、エステやボディケアのトリートメントルーム、大浴場などを完備した豪華施設となります。
食事も一流
「お好ききなものを、お好きなだけ。」これがガンツウの食事の基本です。都内の名店「重よし」の佐藤憲三氏が監修し、その日の天候や顧客の気分に合わせた料理を提供します。地元産の食材をふんだんに使用した、贅沢な一品です。
寿司カウンターでは、寿司がラウンジでは和菓子をその場で仕上げて提供しています。
観光資源を活かして効果的に集客を
瀬戸内海の豊富な観光資源は、クルーズ船の運航によりそのポテンシャルを大いに発揮していると言えるでしょう。
観光資源を最大限に活かす方法は、一つだけではありません。瀬戸内海クルーズのプランが多数多様なように、活かし方は各事業者の手腕にかかってきます。
瀬戸内クルーズの事例は、様々な視点から地域でのインバウンド対策を検討するための参考になるでしょう。
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