最近よく聞く「知日派」とは?親日派との違い・複雑化する国際関係での役割を解説

公開日:2019年12月10日

韓国をはじめとしたアジア諸国との外交問題は複雑化する一方で、日本はこれまでにない厳しい姿勢を貫いています。

このような国際政治が舞台となる時、「知日派」という言葉が度々登場してきます。

日本ではポジティブな意味を持つ語として浸透していますが、実際「知日派」はどのような人物のことを指しているのかわかりやすく解説します。

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知日派とは?親日派との違いは?

「親日」という言葉を耳にする機会はあっても、知日との違いは曖昧だという人は少なくないでしょう。

2つの言葉の定義は日本語ではっきり区別されていても、海外に出ると全く異なる意味として捉えられることも珍しくありません。

ここではそんなややこしい「親日」と「知日」の違いについて解説します。

知日とは?

外国人であっても日本の文化や伝統を理解し、社会情勢などに通じていることを知日と言います。

特に国際政治の面で多用される言葉であり、日本に精通しているが故に、知日派の政治家が外交問題で交渉人に指名されることも珍しくありません。

また単純にジャパンハンドラー(日本を飼い慣らした人物)を指す表現としても使われ、 韓国では日本語の「親日」の定義を「知日」に当てはめる傾向にあります。韓国の場合は親日=国の裏切り者というニュアンスがあるため、親日という表現を避けたいという心理があります。

知日と親日は全く違う

「知日」と耳にするとあたかも日本のことが好きで詳しくなった、政治家であれば日本に有利な外交交渉を行ってくれるだろうと思いがちです。

しかし知日は日本に精通しているのであって、必ずしも「日本を好き」というわけではありません。

日本に対して強硬的な姿勢を取ってくる政治家は、知日の人が多いのもこのためです。

一方で「親日」は日本文化や日本人を含めて好意的な言動を示す外国人を指しています。

訪日外国人や海外旅行の際に、日本人というだけで歓迎してくれるような国は「親日派」ということになります。

反日主義者による襲撃事件

先述のように韓国では「親日」という言葉には、裏切り者や背信者といったニュアンスが含まれています。

「反日種族主義」という著書を執筆した韓国人の李宇衍(イウヨン)氏は著書の中で「慰安婦問題と徴用工問題では、事実を歪められ、日本を非難するための道具にされてきた」と韓国の日本に対する姿勢を非難しました。

そのため李氏は「親日派」と見なされ、メールや電話で脅迫を受けた挙句、勤務先で突然見知らぬ男から唾を吐きかけられるなど、身の危険を感じるほどの批判を受け続けています。

ただ、「真実に向き合うといった意味では正しい」と支持する世論もあり、李氏の広げた波紋は日本にまで広がっています。

各国の「知日派」代表人物は?

知日派=日本好きとは限りませんが、それは日本のことが嫌いだという意味ではありません。日本に対しての理解が深いため、友好的な態度を示す人が多いのも事実です。

世界各国に知日派の政治家や文化人は多数存在し、日本に関わる職務に就いたり、情報発信する機会も多数あります。 その一部を具体的に紹介していきます。(肩書はいずれも2019年12月現在)

知日派韓国の代表格:李洛淵(イ・ナギョン)首相

韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相は知日派として知られています。李洛淵(イ・ナギョン)首相は新聞記者として日本に赴任した経歴もあり、その後国会議員となってからは2002年の日韓共催ワールドカップの国会議員連盟長と務めるなど日本と深い関わりを持つ役職を歴任してきました。

その他、韓国の全羅南道と高知県の姉妹都市協定を結び、自治体レベルでの交流促進にも貢献しています。

しかし日本政府の動きに対し無条件に肯定的な観点を持っているわけではありません。近年では日本の韓国に対する外交姿勢を批判し「日本の指導者らが国内政治的な目的で自国民の反韓感情を刺激し、利用しようとしているとの見方がある。この事実を日本の指導者に知ってほしい」とも発言しています。

中国の知日派:孔鉉佑特命全権大使

中国の孔鉉佑氏は現在の駐日中華人民共和国特命全権大使です。日本での勤続経験は15年以上となり、大学時代は日本語を専攻していたため日本語が非常に堪能です。

大使就任時は「九州や四国など機会をつくって回ってみたい」と笑顔で語る姿勢に見られるように、日本に対する思い入れの深さが話題となりました。

「新しい時代の中日関係の構築に全力を尽くす」と発言をしており、「人的にも文化的にもハイレベルな交流を行うことで安定した関係を構築できる」と、友好的な提言を日本政府に対して行っています。

知日派の大学教授であり脚本家:アレクサンドル・パノフ教授

モスクワ国際関係大学で教鞭を執り、知日派外交官としても活躍するアレクサンドル・パノフ教授が「信頼への道・日本におけるロシア人」というドキュメンタリー映画の脚本を担当しました。

原点は鎖国時代に初めて訪日したロシア人、アダム・ラクスマンを掘り下げることから始まり、日本とロシアの歴史について紹介しています。日本人ですら知らなかった事実を取り上げ、両国の在日大使館でも上映会が行われました。

「2カ国間の関係改善と相互理解を目指している」とパノフ教授は話し、モスクワで開催された日本の文化を紹介する「J-FEST」でも映画は上映されています。

知日を増やそうとする試み「対日理解促進交流プログラム」とは

2015年から対日理解促進プログラムが日本で開始されました。学生を中心にした試みであり、日本と世界各国の交流を後押ししています。

これまで日本に対しておぼろげな印象しかなかった外国人が、実際に日本と日本人に触れ合うことでどのような感想を持つようになったのか、プログラムの概要と実際の声をご紹介します。

「対日理解促進交流プログラム 」とは?

外務省が主体となっている事業であり、日本の学生を世界各国へ派遣、世界各国から外国人学生を招へいして文化交流を行い、日本への理解を深めるとともに対象国との友好関係を育むプログラムです。

これには将来的に外交を担うような人材を育成する狙いと、日本の魅力を発信することで知日派・親日派を発掘する「外交基盤」を拡充する目的があります。

被派遣者・被招へい者は自ら積極的に情報発信することで、より深い関係を築いていきます。 学生の派遣国はアジア太平洋・北米・欧州、中米に分かれ、それぞれ「JENESYS・カケハシプロジェクト・MIRAI・Juntos!」という事業名で運営されています。

どんなことをするのか?

高校生から社会人までを対象に、世界各国から招へい者を募って日本の文化に触れ合うイベントを通し、お互いの理解を深めていきます。日本から世界へ派遣される学生も同様に、他国の文化に触れながらも日本の風習や制度を紹介していきます。

参加期間はいずれのプロジェクトもおおよそ10日間ほどで、茶道などの伝統を実際に体験していくほか、日本で流行しているポップカルチャーをプレゼンテーションするなど様々です。

相手国からは宗教観や移民問題を学ぶなど、日本とは異なる側面の歴史や文化に理解を深め最終的に参加者からフィードバックを得て今後の事業内容に反映していきます。

日本についてもっと知ってもらうことが大切

文化の違いや歴史的背景により、日本と世界各国の間には、様々な階層で解決の難しい問題が残ります。中には、近い将来当事者が不在となってしまう問題もあります。

両国の国民が理解し合うことは、こじれてしまった問題の解決への一歩です。お互いの立場に理解を示すために日本が相手国の文化や歴史を学ぶことはもちろん重要ですが、日本について知ってもらうことも同程度に必要と言えるでしょう。

このような知日派や親日派を増やすことは、より良い国際関係を築くための足掛かりです。政府もこうした観点を非常に重視しており、今後も関連した取り組みが継続的になされていくと考えられます。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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