世界1億人がドイツ語を話しても、ドイツ人が「英語」を選ぶ理由

公開日:2019年12月13日

1989年にベルリンの壁が崩壊してから30年がたち、11月9日ベルリンなどドイツ各地で記念式典が行われました。

インバウンド市場の盛り上がりにより、近年はドイツ人など英語以外の言語を母国語とする訪日外国人観光客の割合も増えてきています。

この記事では訪日ドイツ人観光客は英語をどの程度話すのか、またドイツ人の英語力は国際比較でどのくらいの水準なのかを解説します。

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ドイツ人の英語力は非常に高い!

ヨーロッパの中心部に位置し、ヨーロッパ経済の中心でもあるドイツでは、ドイツ語が公用語として話されています。

公用語はドイツ語ですが、観光客が大勢訪れるような観光地や都市部では基本的に英語は通じると考えて良いでしょう。

ドイツでは小学校からスピーキングやリスニングを強化するような実践的な英語教育が始まるので、若い世代では流暢に英語を話す人も多くいます。

TOEFLを運営するアメリカのETSが2017年に行った調査によると、ドイツ人の「TOEFL iBT」の平均スコアは120点満点中97点でした。

これは、ヨーロッパの中ではオランダ、スイス、オーストリア、デンマークに次ぐ高水準となっています。

また、2018年の「EF EPI」という世界最大の英語能力ランキングでは、ドイツの英語力は88ヶ国中10位と非常に高いレベルです。

ドイツ人の英語力が高い理由としては移民や外資系の企業が多く、英語でのコミュニケーションが不可欠なため特に若い世代では英語は必要言語と考えられていることが挙げられます。

ドイツとは

かつて西ドイツと東ドイツに分かれていたドイツは、1989年の民主化運動からベルリンの壁崩壊を経て1990年に再統一されたヨーロッパの政治と経済を主導する先進国です。

EU加盟国で最大の人口を有する国には豊かな自然や文化の歴史があり、世界でも有名な哲学者・科学者・芸術家・音楽家・発明家などを数多く排出しています。

ヨーロッパの中心部にある国

16の州から成るドイツの面積は35.7万平方キロメートル、人口は約8,302万人、首都はベルリンです。

主としてドイツ語を母国語とするゲルマン系のドイツ民族が住んでいますが、近年では中東やアフリカからの相当数の不法移民が流入して混乱をきたしています。

歴史的にドイツは「詩人と思想家の国」と呼ばれてきました。

哲学をはじめとするさまざまの学問分野で優れた業績を生み、音楽や文学などの芸術分野でも多くの巨匠や天才を生み出し、世界の文化に多大な影響を与えてきました。

サッカーやウィンタースポーツをはじめとするスポーツの分野でも優れた成績を残しています。

公用語はドイツ語

ドイツ語はドイツだけで話されているのではなく、ヨーロッパで約1億100万人がドイツ語を母国語として話しています。

ドイツ語が公用語となっている国の中でも、ドイツ・オーストリア・リヒテンシュタイン・ルクセンブルクでは、国民のほとんどがドイツ語を話ます。

スイスでは国民の半数以上がドイツ語母語者であり、ベルンやチューリッヒ周辺の国の中央部と東部で広く話されています。

ドイツ国内では、東部の国境沿いにはスラブ語を話す人たちもいます。

アフリカのナミビアの現在の公用語は英語ですが、1884年から1990年のドイツ領時代及び南アフリカ領時代はアフリカーンス語とドイツ語でした。

訪日ドイツ人のデータ

2018年に訪日したドイツ人客数は215,336人で訪日客全体の0.7%、消費額は409億円でした。

訪日中の消費額のうち宿泊に使用する額が多いのが特徴です。

次に多いのが飲食費と交通費であり、ショッピングに使う費用を抑えて宿泊や食事、観光に重きを置いて観光をしていることがうかがえます。

訪日ドイツ人観光客の属性で最も多いのは20~39歳です。

ヨーロッパからの訪日客は男性の占める割合が多く、訪日ドイツ人観光客も約7割が男性という結果になっています。

また、個人旅行で訪日する割合が高く、約9割は個人手配で訪日しています。

ドイツ人観光客向けのインバウンド対策は、20~39歳の男性の個人旅行客をターゲットにすると効果的でしょう。

データでわかる訪日ドイツ人観光客

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多言語対応でインバウンド対策を

上記のデータから、訪日ドイツ人観光客には20~30代の若い世代が多いことがわかりました。

つまり、英語を話す世代が多く訪日しているということです。

多言語対応をしている企業や自治体でもドイツ語に対応しているところはまだ少ないですが、英語に対応をすれば訪日ドイツ人観光客にもリーチできる可能性が高いと考えられます。

多言語対応のコンシェルジュサービス「SMILE CALL(スマイルコール)」

JR東日本が100%出資している日本ホテルは、100年以上の歴史を有する東京ステーションホテルや、ホテルメトロポリタンなど首都圏を中心にさまざまなホテルチェーンを展開しています。

駅に隣接した立地の良いホテルを多く運営しているため、国内だけでなく国外からのお客様からも人気です。

以前より、増加する外国人観光客に対応するためにスタッフの英語教育に力を入れていましたが、近年は英語圏以外からの訪日客も増えていることから、英語以外の多言語対応にも乗り出しています。

その一環として導入したのが、京都市中京区に本社を置くインデンコンサルティングの「SMILE CALL(スマイルコール)」です。

このサービスはiPhone・iPadのビデオチャット機能を利用して、直接顔を見ながら通訳するサービスで、英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語の5言語に対応しています。

「からくさホテル」は民泊向けIoTデバイス「TRIP PHONE」導入

「TRIP PHONE」は、インベスターズクラウドの子会社であるTABICT(旧 iVacation)が開発した民泊向けIoTデバイスです。

多言語対応のトリップコンシェルジュによるチャット対応や、テザリング、翻訳機能、観光音声ガイド機能などの機能を備えており、利用者は旅の利便性が大幅に向上します。

TABICTでは、これまで民泊事業者に対してのみ「TRIP PHONE」をレンタルしていましたが、2017年9月から大阪・京都の「からくさホテル」への提供を始めました(編集部注:2019年12月20日現在では解約済み)。

新しいコンセプトの観光客向け宿泊特化型ホテルとして2016年にオープンしたからくさホテルは、多言語対応の他イスラム教徒向けの「祈祷室」を設置したり全室にユニバーサルコンセントを採用して海外製電化製品に対応したりと、海外からの訪日客のインバウンドに力を入れています。

「HOTEL EMIT SHIBUYA(ホテルエミット渋谷)」にAIスピーカーを導入

「HOTEL EMIT SHIBUYA(ホテルエミット渋谷)」では、全客室とフロント・ロビーにAIスピーカーを導入しています。

クラウドベースの音声サービスを搭載したAIスピーカーはなんと17言語にも対応し、ゲストからのフロントへの問い合わせに対してゲストの利便性向上と業務オペレーションの効率化につながっています。

全客室にAIスピーカーを設置し、かつ訪日外国人向けに多言語対応チャットボットと管理画面をシステム連携してゲストへ行うサービスは、世界初・業界初です。

ゲストはフロントへの問い合わせを自動化できるほか、ホテル周辺のレストラン・観光スポット・ラジオ・交通案内、ニュースなど、さまざまな情報をAIスピーカーから得ることができます。

ドイツ人の若い世代に英語は通じやすいが多言語対応は必要

ドイツ語が公用語のドイツでも、英語教育や英語の重要性を実感している人たちが多く、特に若い世代に英語話者が多いことがわかりました。

訪日ドイツ人観光客は若い世代の男性が7割を占めるので、その属性をメインターゲットにインバウンド対策をすると効果的です。

インバウンドの集客には多言語対策が欠かせませんが、英語に対応しておけばドイツ人観光客にも情報を届けることが可能です。

「SMILE CALL(スマイルコール)」「TRIP PHONE」「AIスピーカー」など、多言語対応に便利なサービスやデバイスを活用して訪日外国人観光客の利便性を向上させることでリピーターの獲得にもつながります。

<参考>

ETS:TOEFL iBT® Tests

EF:EF EPI

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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