2020年4月に中国人向けビザが電子化|これまでの違いと効果的なインバウンド対策とは?

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インバウンド市場を日本経済成長のための柱として考える政府は、2020年4月より訪日中国人のビザ申請について電子ビザを導入し、オンラインでのビザ申請手続きが可能となる予定です。

政府は電子ビザの導入によってさらなる訪日中国人獲得をねらっており、この記事では、電子ビザの概要、手続きの方法、訪日中国人向けインバウンド対策について解説します。

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手続きの方法

一般的な手続きの流れとしては、まず招聘人および身元保証人が、日本国内で用意すべき書類の準備をしてビザ申請者宛に送付します。

ビザ申請者は、中国国内で用意すべき書類の準備があるため、招聘人からの書類を待つ間に並行して準備を進めるとスムーズです。

双方の書類が揃った段階で、申請人は日本大使館、または総領事館指定の代理申請機関でビザ申請をすることができます。

申請者の条件

在中国日本大使館では、ビザ発給に関しての必須要件を以下のようにまとめています。

  1. 申請人が有効な旅券を所持しており、本国への帰国又は在留国への再入国の権利・資格が確保されていること。
  2. 申請に係る提出書類が適正なものであること。
  3. 申請人の本邦において行おうとする活動又は申請人の身分若しくは地位及び在留期間が、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以下「入管法」という。)に定める在留資格及び在留期間に適合すること。
  4. 申請人が入管法第5条第1項各号のいずれにも該当しないこと。

上記の要件を満たした上で、ビザの発給が適当であると判断された場合にビザが発給されます。

目的別に見る申請方法の違い

ビザを申請する際には、訪日目的によって必要書類や申請方法に若干の違いがあるため、それぞれの訪日目的に適した書類や申請方法に則って手続きを進める必要があります。

主な違いには、以下のような点があります。

  • 訪日目的が親族や知人訪問の場合、日本に在留する親族や知人が招聘人、身元保証人となり招聘理由や滞在中の予定を示す書類が必要。招聘人および身元保証人は、1人が兼任することも可能。
  • 訪日目的が短期商用の場合、招聘機関についての登記簿謄本や会社・団体概要説明書、事業内容に関する案内資料などが必要。
  • 訪日目的が観光の場合、中国国内の旅行代理店を通じて申請する必要がある。旅行代理店経由での申請という点は団体旅行、個人旅行のいずれも共通です。ただし、団体で申請した場合は添乗員なしの個人行動は不可。

電子ビザの概要

政府は、2020年4月から中国人向けに発給するビザについて、オンライン申請の受付を開始し、電子ビザ導入を予定している旨を発表しました。

電子ビザ導入の主な目的は、手続きの簡素化によるや在外公館の業務負担軽減で、オンライン申請が可能になることによりさらなる訪日中国人の増加が期待されています。

また、電子化の対象となるのは観光を目的とする団体や個人の旅行者で、1度のみ入国を許可する一次ビザです。

外務省によれば、直近17年間における中国人向けビザの内、約6割は観光を目的とした一次ビザであり、まずは観光客向けの一次ビザを電子化することで、その後の運用について検討するねらいです。

将来的には、観光目的以外のビザや中国以外の国からの渡航者が申請するビザについても電子化を進めていくとの考えを示しています。

現時点でのビザとの違い

まず、電子ビザの対象となるのは90日以内の短期滞在ビザのみであるという点に注意が必要です。

さらに細かい区分分けをすると15日以内の団体旅行に必要な団体観光ビザ15日か30日以内の個人旅行に必要な個人観光一次ビザとなります。

現行の個人観光ビザの一種である沖縄県数次ビザや東北六県数次ビザ、十分な経済力を持つ者向け数次ビザ、相当な高所得者向け数次ビザなどは、電子化されないため、これまで通りの方法で査証を取る必要があります。

2020年4月から導入され、5月に北京の日本大使館にて発給される分の査証から電子ビザの対象となります。

電子ビザが導入されることで、現地の旅行会社はインターネットを通じて査証の発給を申し込むことができるようになります。

従来は、申請書類の提出や査証が貼られたパスポート受け取りの度に在外公館へと出向く必要がありましたが、電子ビザ導入により大きく負担が軽減されます。

ビザの電子化で増える訪日中国人に対してできること

ビザの電子化によって中国人の訪日に対するハードルは下がり、さらなる訪日中国人増加が見込まれます。

電子ビザが導入される2020年4月に向け、訪日中国人への対応を進めていくべきであると言えるでしょう。

以下では、訪日中国人の動向や特徴、中国人向けのマーケティングやプロモーションについて解説します。

訪日中国人の動向

2014年から2018年の5年間で訪日中国人の数は約3倍にまで増加しており、年間800万人以上が訪日する注目市場と化しています。

2018年時点における1人あたりの消費額で見ても224,870円と高い水準を記録しています。

年代や性別ごとの内訳では、30代男性や20代女性の訪日が多い傾向にあり、訪日中国人に対するインバウンド対応では比較的若い世代への対応が求められるでしょう。

ハイシーズンは7月から8月にかけての夏季であり、夏休みを利用して訪日旅行を計画する中国人が多いようです。

近年ではピーク時ほどの爆買いは見られませんが、1人あたり消費金額の半分ほどにあたる112,000円を買い物代に費やしており、まだまだ爆買い傾向は健在であると言えるでしょう。

また、アジア圏からの訪日客は距離が近いということもあり、リピーター率が高い傾向にありますが、こと訪日中国人のリピーター率は低く、2018年の調査結果では訪日中国人の約半数が初来日であることが明らかになりました。

中国最大の口コミサイト马蜂窝(マーフォンウォ)の紹介

马蜂窝(マーフォンウォ/馬蜂窩/Mafengwo)とは、中国国内において最大級規模の旅行口コミサイトです。

2011年4月に開始したサービスで、ユーザーは旅行記の執筆や閲覧、コメント、航空券や宿泊施設の予約手配などができます。

1億3,000万人もの登録ユーザーを獲得しており、月間アクティブユーザーは8,000万人ほどであると言われています。

マーフォンウォがこれほどまでにサービスを拡大できた要因の1つには中国人の旅行スタイルの変化があります。

以前は、団体旅行が多かったのですが、近年では徐々に個人旅行で海外旅行を手配する中国人が増えており、訪問先や宿泊先、プランなどを自ら決定する必要があるため、旅行に関する口コミサイトは重要な情報源となっています。

マーフォンウォでは、訪日旅行についての情報を充実させるために日本国内の大手グルメサイト「ヒトサラ」や一般社団法人アニメツーリズム協会との連携強化を進めています。

马蜂窝(MaFengWo)とは

马蜂窝(MaFengWo)は、中国最大級の旅行サイトのひとつです。日本では「ヒトサラ」と马蜂窝(マーファンウォー)が提携し、両社のユーザーを連携するサービスの提供を開始しています。近年、訪日中国人の個人旅行化がすすみ、訪日旅行を計画するのに马蜂窝の口コミや旅行ブログを参考にする中国人が増加しています。このような傾向から、日本でも马蜂窝での集客やPRを行っている企業があります。今回の記事では、马蜂窝(MaFengWo)の特徴や、インバウンド集客に马蜂窝を活用した事例を紹介します。Google...

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ビザの電子化を機により一層、訪日中国人を受け入れる準備を整える

2020年4月から導入されるビザの電子化に向け、訪日中国人市場は、さらに注目すべきマーケットとなるでしょう。

訪日外国人全体における国別内訳で上位を占めることの多い中国人への対策は、インバウンド対策に取り組む上で無視できない部分です。

訪日中国人の動向やニーズをおさえることでインバウンド市場の補足につながります。

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<参照>

観光庁:【訪日外国人消費動向調査】

日本経済新聞:中国人観光客のビザ申請を電子化 政府、2020年4月から

外務省:中国国籍の方が短期滞在を目的として日本へ渡航する場合

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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