韓国人は英語ができるが話すのは苦手?韓国で必要なのは勉強のための英語力だった

公開日:2020年01月09日

韓国人は日本人よりも英語ができる、というイメージがある方も多いのではないでしょうか。

韓国では日本よりも英語教育を重視しており、韓国人は日本人よりも積極的に英語を習得しようとしている印象を受けます。

この記事では、韓国人の英語力について知り、訪日韓国人へのインバウンド対策を考察します。

韓国の言語

韓国の公用語は韓国語で、北朝鮮の公用語と合わせて朝鮮語と呼ばれています。大多数の韓国語話者は朝鮮半島の母語話者で占められています。

国としては日本だけが日本語を公用語としているのと同様に、韓国(と北朝鮮)以外では韓国語を公用語にしている国はありません。

公用語は韓国語

民族固有の文字を持たなかった朝鮮半島では、中国の漢字を文字として使用していたようです。

1446年に李氏朝鮮第4代王の世宗が「訓民正音」という名前でハングルを世に送り出しました。

日本語の発音はすべて母音を伴いますが、英語は子音で終わる語もたくさんあります。

韓国語にも母音の後につく「パッチム」と呼ばれる子音で終わる語があるので、日本人よりも英語の発音はしやすいと言われています。

韓国で英語は通じる?

日本よりも英語ができるイメージがある韓国ですが、英語が通じるのはソウルなどの大都市がほとんどで、地方都市ではあまり通じないと考えた方がよいでしょう。

観光地では英語が通じるところが多く、ソウルのホテルではフロントデスクなどのスタッフは英語が話せる人が多くいますし、駅やインフォメーションセンターでは英語スタッフが常駐しているところもあります。

しかし、地元の人が多く行くようなレストランや、観光名所以外の街中のタクシーでは英語がほぼ通じないと考えていた方が良いでしょう。

日本語習得者も多数

電通と国際交流基金が2016年12月に共同で発表した「日本語学習者に関する調査」によると、日本語学習者数は493~654万人と推定されています。

日本のアニメやキャラクター人気がきっかけで日本語を学習する若い世代も多く、場所によっては英語よりも日本語の方が通じる場合もあります。

ソウルや大きな観光地ではレストランに日本語メニューがあったり、ホテルや観光施設では日本語スタッフがいることも珍しくありません。

特に、韓国旅行をする日本人が一度は観光で訪れる「明洞」や「南大門」「東大門」のショッピングモールなどでは、日本語で呼び込みをしているお店も多数あります。英語の他に日本語表記をしているお店も多く見られます。

韓国人の英語力とは?

韓国を訪れて観光をする場合、街中で見る韓国人の英語のスピーキング力は日本人と同じくらいに感じます。しかし、韓国では日本以上に英語の学習に積極的で、TOEICの平均点は日本を大きく引き離してアジアの中でトップクラスです。

その背景には、小学一年生から始まる英語の早期教育や韓国の激しい競争社会があります。

TOEIC平均は日本より高いが、話せない…

TOEICは毎年、公式サイトで「TOEIC Listening & Reading Test」の平均スコアを公表しています。

TOEICを主催するTOEIC® Listening & Reading Test 国別平均スコア(2018年)では18位でした。

平均点は日本の520点に対して韓国は673点となっており、実に150点以上の差があります。

採用試験では多くの韓国企業が高い英語力を求め、TOEICがその基準を担っています。

しかしTOEICのテストはリスニングとリーディングテスト能力をはかるテストであるため、点数が高いからと言って英語でのコミュニケーションができるとは限りません。

スピーキング能力も求められるTOEFL(iBT 2017年)では、韓国のスピーキング能力は170カ国・地域の平均以下である125位でした。

教育

日本も学歴社会・競争社会と言われますが、韓国の若者は日本よりも激しい競争社会に身を置いています。

毎年11月に行われる「大学就学能力試験」は日本のセンター試験のようなものですが、この試験の結果により人生が左右されるくらいに重要な試験です。その試験での英語の比重は高く、韓国の学生は英語学習に力を入れます。

韓国では1997年より小学校3年生で英語学習を取り入れ始め、2018年3月までは希望する公立の幼稚園や小学校1〜2年生は放課後に英語の課外授業を受けることができました。

また韓国には英語村と言われる体験型の英語学習施設があり、英語キャンプを行うなどの早期教育が普及しています。

このように韓国では、20年以上も前から英語教育に力を入れていました。

競争社会に必要な英語力

学歴を重視する韓国では、大企業に就職するためにトップクラスの大学に入学しようとして競争が激しくなります。

良い大学に入学したとしても、大企業に就職するための熾烈な争いに勝ち残らなければなりません。

韓国の人口は日本の半分以下で、国内のマーケットが非常に小さい国です。そのため、市場は必然的に対外貿易に頼らなければいけない構造になっており、多くの企業が海外との取引をしています。

採用試験では英語力を非常に重視する企業が多く、入社試験ではTOEICの点数や留学経験などの英語力に関する項目を厳しく見られます。

韓国人に向けたインバウンド対策

韓国人の英語力についてご紹介してきましたが、日本人よりも英語力が高い韓国人観光客へのインバウンド対策に焦点を当てます。

英語力が高いのであれば、メニューや表示などは英語のみで大丈夫な気もしますが、やはり韓国人向けには韓国語での表記があると親切です。

翻訳機などもうまく利用して、韓国人に対応した対応ができると喜ばれるでしょう。

英語のみでは不十分?

TOEICのスコアや英語の早期教育など、韓国人が日本人より英語が出来るイメージは多いですが、もちろん個人差があります。

ソウルの大企業や観光地で働いている人は比較的英語力は高いようですが、地方都市に住んでいたり英語が必要のない仕事をしている場合は英語が話せない人も多くいます。

英語力が高い人もそうでない人も、母国語ではないため英語だけではやはり伝わりにくい場合もあるでしょう。

韓国人観光客に対応するためには、英語のみでは不十分と言えます。

韓国語の併用が望ましい

2018年の訪日外国人の総数は3,119万1,856人でした。そのうち、韓国人観光客数は753万8,952人と、全体の約4分の1を占めています。

高い需要があることから、韓国語での表記や韓国語を話せるスタッフを採用するなどの対応を視野に入れても良いしょうか。

TOEICのスコアが高くても、日本人と同じで実際には英語でのコミュニケーションを苦手とする人も多く、韓国語での表記があると安心してサービスを利用できるでしょう。

データでわかる訪日韓国人

2000年代から、日本語を学ぶ学生が増えています。その理由は、日韓交流の増加により日本語が就職に有利と判断され始めていること、日本文化に対する関心が高くなってきていることなどが挙げられます。実際に、韓国の日本語学習者数は約91万人(2006年)と世界の中でもトップで、世界の日本語学習者の約3割(30.6%)を占めていることになります。


韓国語対応の翻訳機も多数

韓国語に対応することが難しいという場合には、韓国語対応の翻訳機を利用することも検討すると良いでしょう。

挨拶や短文などの対応であればスマートフォンでも充分ですが、翻訳機などを利用するとより円滑なコミュニケーションをとることができます。

韓国語に対応した翻訳機には、POCKETALK(ポケトーク)やLangie(ランジー)などがあります。

ポケトークは、世界の50言語に翻訳ができる翻訳機です。使用にはWi-Fiが必要ですが、音声認識力の高さには定評があり、翻訳したい音声が認識されないという問題がほとんどなくスムーズに翻訳できます。

ランジーはオンライン翻訳で53言語、オフライン翻訳で13言語に対応し、Wi-Fiが無くても使用できます。タッチパネルの画面で操作も簡単です。

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韓国人の英語力を理解してインバウンド対策しよう

韓国語を母国語とする訪日韓国人観光客の英語力は比較的高いと言えますが、外国語のため伝わりにくい場合があるなど個人差があります。

訪日する外国人観光客全体のうち約4分の1が韓国人であることから、すでに多くの店舗で韓国語対応が広がっています。

すぐには韓国語対応できない場合でも韓国語が翻訳できる翻訳機も多数あるので、うまく利用して韓国人に向けたインバウンド対策を取り入れると良いでしょう。

<参照>

IIBC:2018年 TOEIC® Listening & Reading Test

GLOBE+:小学校で英語必修、その先は 韓国、指導する側の模索

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!