いよいよ2020年が始まりました。今年は言うまでもなく「オリンピックイヤー」です。
インバウンドの訪日外国人の増加が期待されます。日本政府が当初掲げた2020年までの訪日客誘致目標数は、年間4,000万人でした。昨年は度重なる自然災害や、隣国との関係悪化などが影響して訪日客が伸び悩みましたので、この目標数値達成とはいかないようです。
それでもJTBが発表した2020年のインバウンド訪日客の予測は、前年比7.9%増の3,430万人です。オリンピックが終わる夏以降の景気の冷え込みを心配する識者の声も聞かれますが、ことインバウンドに関しては、例えば今年の夏以降に羽田空港国際線の発着枠を合計1日50便増便させるなど、さまざまな景気下支えの施策が計画されています。
観光立国日本の実現に向け、2020年はエポックメイキングな年になることでしょう。 訪日客の増加と共に、訪日体験の質を向上させることが今後ますます問われます。
日本滞在中の外国人が不便に感じる要素をできるだけ排除し、訪日満足度を高めるように努力する必要があります。あまたある対策の中でも、もっとも必要とされているのが「多言語対応の強化」です。
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観光庁が2019年に実施した「訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語対応に関するアンケート」という調査資料があります。インバウンドに関する文脈でよく引用されますので、読者の皆様もご存じかもしれません。
このアンケートで、日本滞在中の外国人がもっとも困ったことの最上位は「多言語対応」に関する事柄です。
例えば、下の図は「旅行中にもっとも困ったこと」に関する回答ですが、「施設などのスタッフとのコミュニケーションが取れないこと」と「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」の2点が、それぞれ1位と2位を占めています。
![▲[旅行中に最も困ったこと]:2019年「訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語対応に関するアンケート」観光庁資料より ▲[旅行中に最も困ったこと]:2019年「訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語対応に関するアンケート」観光庁資料より](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5509/main_202001.png?auto=format)
以下の図は、「多言語表示やコミュニケーションに関して困った場面」に関する回答を施設ごとに整理したものです。その施設によって困った場面は異なりますが、商品やサービスの内容を理解し、良い判断を下したいと感じるさまざまな局面で、不便さを感じていることが分かります。
![▲[多言語表示・コミュニケーションで困った場面]:2019年「訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語対応に関するアンケート」観光庁資料より ▲[多言語表示・コミュニケーションで困った場面]:2019年「訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語対応に関するアンケート」観光庁資料より](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5510/main_202002.png?auto=format)
ちなみに、上記の5種類の施設のうち、訪日外国人がもっとも不便さを感じた場所が「飲食店」で、全体の28.5%を占めました。
後半では、「飲食店」に的を絞り、どのような多言語対応が有効なのかを具体的に考察したいと思います。
シーン別に整理!インバウンドで有効な多言語対応
上記の図2によると、飲食店を訪問する際に訪日外国人が不便さを感じる場面は、大別すると次のように整理できそうです。
- 席に案内されたり、会計をしたりする際に、基本的な仕組みが分からなかったり、店員さんとコミュニケーションができなかったりするため、困る。
- 料理を選択する際に、日本語の情報しかないため、そもそもどのような料理かが分からない。写真が付いていても、材料や味付け、ボリューム感が分からないため、困る。
- トイレや禁煙・喫煙席など、店内の設備を探す際に困る。
では、それぞれどのような多言語対応が助けになるでしょうか。シーンごとに整理しながらご提案したいと思います。
シーン1. お客様の入店から退店までの間に案内が必要なとき
日本の飲食店で食事をする場合、システムがよく分からず困惑する外国人は少なくありません。店員さんが座席まで案内してくれるのでしょうか、それとも自分で席を探すのでしょうか。会計は前払いなのでしょうか、後払いなのでしょうか。クレジットカードは使えるのでしょうか、現金払いのみでしょうか。
このような場合は、「指差し会話シート」が役に立ちます。
交通機関を利用するとき、宿泊の時、などさまざまな場面で使用できる「指差し会話シート」が市販されていますが、飲食店向けのシートは、「入店のとき」「席に着いたとき」「注文のとき」など、シーン別によく使う表現が日本語と外国語で並記されているため、該当する文章を指で指して見せるだけで、必要事項を伝えることができます。
Webサイトから無料でダウンロードできるものもあります。例えば、神奈川県が準備している「飲食店向け指差し会話シート」は、デザインもきれいで非常に使いやすそうです。対応言語も、英語はもちろんのこと、アジアやヨーロッパの主要言語10ヶ国語版が用意されており、幅広い外国人のニーズに対応可能です。
この続きから読める内容
- シーン2. 料理を選択するとき
- シーン3. 店内の設備を探すとき
- まとめ
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