世界的に認知されている日本の「Matcha」はインバウンドからも人気を集めています。抹茶味のお菓子は日本のお土産リストに必ず入っているといっても過言ではありません。
12月からは東京ディズニーシーのポップコーンにも、ついに抹茶フレーバーが登場しました。東京ディズニーリゾートでは初の抹茶味ポップコーンとして、日本人はもちろん、インバウンドの来場者の注目も集めています。
本記事では今後もさらなる消費拡大が見込まれる「Matcha」のインバウンド人気の現状についてご紹介します。
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ディズニーシーに抹茶ホワイトチョコ味ポップコーンが登場
2019年12月26日より、東京ディズニーシーのポップコーンに「抹茶ホワイトチョコ味」が加わりました。ポートディスカバリー・アクアトピア横のワゴンで販売されています。2017年の東京ディズニーランド、ディズニーシーの来場客は約3000万人であり、うち外国人観光客は6~7%を占めていたそうです。2020年のオリンピックに向けて外国人が増加することを見越して、「美女と野獣」をモチーフとしたエリアや「ベイマックス」のアトラクションの建設に750億円もの投資を行っています。
今回の「抹茶ホワイトチョコ味」のポップコーンの登場からは、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーは大がかりな設備の刷新だけでなく、テーマパーク内で販売されているお菓子といった細かな点でも外国人観光客を意識していることがうかがえます。
ポップコーンを食す時間は、テーマパーク滞在の全体からいえばほんの少しの時間かもしれませんが、こうした一瞬にも「新鮮さ」「日本らしさ」を来場者に与えると考えられます。細部にわたり来場者のニーズを満たしていこうという姿勢は、レジャーランドだけでなくどんなサイズの小売店、飲食店でも取り入れられるものでしょう。
東京ディズニーランド、東京ディズニーシーは新型コロナウイルスの流行を受けて、先月末より3月15日まで休園することが決定しています。再開は16日とされているものの、今後の状況次第では予定の変更も考えられます。
再開後には、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの細やかなおもてなしに惹かれる多数のファンが、日本国内外から詰めかけるでしょう。
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訪日外国人も買っていく日本のお菓子
訪日外国人が好む日本土産といえば「お菓子」ですが、なかでもインバウンドに注目されているのが「Matcha snack」です。
お土産の約7割が菓子類
2018年の観光庁の調査によると、お土産の費目別の購入率は「医薬品」36.4%、「化粧品・香水」41.6%を押さえ、「菓子類」が68.0%を占めました。
また国籍・地域別での最も購入率が高い費目が「菓子類」という結果になったのは、韓国(82.5%)、台湾(73.6%)、香港(63.6%)、アメリカ(39.6%)でした。
買い物場所はコンビニエンスストアが71.1%と最も多く、続いて空港の免税店が59.2%、ドラッグストアが57.8%という結果でした。
買い物リストに必ず入っている「Matcha snack」
インバウンド向けのメディアで、おすすめの日本土産として高確率でラインナップされているのが「Matcha snack」です。日本のお菓子は種類が非常に豊富だと触れたうえで、「何を買うか迷ったときは抹茶味のお菓子がおすすめ」と紹介している例もあります。
具体的には「ポッキー」や「キットカット」のほか、変わり種として「カップヌードル」や「ポテトチップス」も紹介されています。
なかでも抹茶味のキットカットは訪日観光客の間で一大ブームとなりました。2004年に初の和風フレーバーとして、宇治抹茶味をコンビニ向けに発売したのが始まりです。その後も関西限定バージョンや老舗のお茶屋さんとコラボした商品、桜と組み合わせた抹茶味など、さまざまな種類の抹茶キットカットが展開されてきました。その結果、訪日観光客のブログなどを通じて口コミが広がり、徐々にインバウンドに人気のお土産となっていったそうです。
近年ではインバウンドの購買動向の変化をふまえ、コンビニや空港の免税店だけでなく、ドラッグストアやディスカウントストアなど、幅広い場所で販売されています。
「濃い抹茶味」などの新商品が発売されても、新商品に人気が偏ることなく、既存の抹茶味を含め複数の味を試そうと購入していくケースが、リピーターを中心に見受けられます。
世界各地でも人気!Matcha
Matcha人気の高まりは海外でも見受けられます。アメリカでは2008年に抹茶の健康効果がメディアに取り上げられたことから、セレブを中心に人気が拡大し、日本からのお茶の輸出が直近10年で4倍にも増加しました。
2014年頃には抹茶ラテを看板メニューとする抹茶カフェがオープンし始め、「Matcha」という単語で認知されるようになっています。2018年には抹茶を取り扱うカフェがアメリカ全土に広まり、セレブだけでなく中間層にも馴染みのある食品へと変化しました。
抹茶の発祥地である中国でも、日本の抹茶を使った飲み物やスイーツが人気を集めています。日本の抹茶は中国産の緑茶粉末とは栽培方法や加工方法が異なり、工程が多いために圧倒的に高額とのことです。より質の良い日本のMatchaが、中国人には評価されているといえるでしょう。
近年日本食ブームが顕著なフランスのパリでも、抹茶味のチョコレートが話題です。毎年開催されている世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」では、日本のメーカーが販売する抹茶味のチョコレートが人気を集めています。パリでのMatchaやSakeといった和の食材の認知拡大に合わせ、徐々に抹茶を使用したチョコレートの知名度と人気も高まっていきました。
確実に変わった日本のお菓子評、インバウンド戦略にどう活かす?「サロン・デュ・ショコラ2019」レポート
2019年10月30日から11月3日に、フランス・パリにて、世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ2019」が開催されました。「サロン・デュ・ショコラ」は今年で25周年を迎えたこともあり、例年以上の賑わいを見せていました。今回は、インバウンドの日本のお菓子への注目度や訪日フランス市場の最新動向をふまえ、「サロン・デュ・ショコラ2019」に出展した日本メーカーのブースにおける、フランス人来場者の反応をレポートしていきます。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウ...
インバウンドの抹茶人気を取り込み集客に活用へ
日経トレンディの2020年ヒット予測には、インバウンドの抹茶人気をふまえ抹茶ハイがランクインするなど、今後も人気の持続が予想できるでしょう。JNTOも2016年に抹茶をキーワードにしたインバウンド誘致を行っており、今後も抹茶をフックに日本の魅力を発信していくことが期待されます。
伊藤園は、インバウンド向けに多言語対応のWEBサイトを公開し、抹茶の飲み方や同社の抹茶製品を紹介しています。今後も、まだまだ抹茶人気は広がりを見せることが予想できるため、インバウンド集客のチャンスに活かせるでしょう。
インバウンドに人気「matcha LOVE 有糖抹茶スティック」など新発売
目次気軽に楽しめる抹茶人気に対応インバウンド向けに多言語対応のWEBサイトを公開気軽に楽しめる抹茶人気に対応株式会社伊藤園は、国産かつ選りすぐりの抹茶を使用した抹茶製品「お~いお茶 宇治抹茶」と「matcha LOVE 有糖抹茶スティック」を、3月18日(月)より、新発売します。「お~いお茶 宇治抹茶」「matcha LOVE 有糖抹茶スティック」インバウンド向けに多言語対応のWEBサイトを公開「お~いお茶 宇治抹茶」は、石臼で挽いた京都府産の宇治抹茶を100%使用。色鮮やかで口当たりも良...
外国人が京都土産に「抹茶」求めるワケ/Nestle&京都府、伊藤園、製菓業界が取り組み
訪日外国人観光客の増加を背景に、国内の企業、自治体はインバウンド誘致に取り組んでいます。また、近年では、和食の世界遺産登録や人々の健康志向の高まりを背景に、日本独自の食文化をインバウンド誘致に活用しようという動きが出てきています。そのような取り組みの一環として、日本政府観光局(JNTO)は、日本食のもつ潜在性に目を付け、「Los Angeles Times」が主催する食のイベント『The Taste』のブースにおいて、「日本食」を紹介するコーナーを出店。訪日外国人観光客からも関心が高い「日...
<参照>
・TOKYO DISNEY RESORT:ポップコーン、レギュラーボックス
・TOKYO DISNEY RESORT:ポップコーン、バケット付き
・国土交通省観光庁:訪日外国人の消費動向 2018年年次報告書
・Japan Web Magazine:JAPANESE Souvenir "OMIYAGE" List 2020
・MATCHA:20 Best Food Souvenirs From Japan-Take Home Famous And Tasty Snacks
・LIVE JAPAN PERFECT GUIDE: Tokyo Station's Souvenir Sales Ranking-Most Popular Items Under $10!
・IRORIO:抹茶キットカットはなぜ外国人にヒットした?ネスレ日本に聞いてみた
・Tandem Sprint:アメリカで大ブーム人気の抹茶。人気を得るまでの軌跡。
・Searchina:中国を席巻する日本の「抹茶」、中国産の「緑茶の粉末」と値段が全然違う理由=中国
・NIKKEI STYLE:2020年食品・飲料ヒット予測 ブレイク寸前の12商品
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今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
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