秒拍(Miaopai:ミャオパイ)とは、2013年に誕生し2016年には一日の再生回数が17億回を超え、8,000万人以上のユーザーがいるといわれている中国の動画配信サービスです。
日本貿易振興機構(ジェトロ)が2017年に発表した「中国の動画配信市場調査」によると、中国のネット動画有料視聴のユーザー数と市場規模は増加傾向にあり、2016年時点での売上は約117.54億元(約1,800億円)となっています。
動画配信サービスを利用することで訪日中国人に向けて効果的なプロモーションが可能になります。
今回は動画配信サービス「秒拍(ミャオパイ)」をインバウンド向けプロモーションに用いるメリットや事例について解説します。
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秒拍(ミャオパイ)とは
秒拍(Miaopai)とは、中国の動画配信サービスです。10秒の短い動画を撮影、編集、配信することができます。中国最大級のSNSであるWeiboと連携しており、Weiboで動画が共有されることで多くの中国人ユーザーへの拡散が期待できます。
なお読み方は、「ミャオパイ」、英語では「Miaopai」です。
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どれぐらい使われている?
2013年に誕生した秒拍(ミャオパイ)は、2016年には一日の再生回数が17億回を超え、8,000万人以上のユーザーがいるといわれています。
この爆発的成長を支えているのは、中国最大のSNSのWeiboと秒拍(ミャオパイ)の親会社であるYixia Technology(一下科技)による戦略的投資です。
動画の投稿者もメディア専門企業だけでなく、YouTuberの様な個人クリエーターも登場しています。
秒拍(ミャオパイ)をインバウンド向けプロモーションに用いるメリット
人口の多い中国からのインバウンド誘致を検討する上で、多くの中国人に届くプロモーション方法の検討は重要です。
8,000万人ものユーザーを持つ秒拍(ミャオパイ)をより効果的に用いる方法について、紹介します。
多くの中国人の興味・関心を引ける
現在、中国では社会現象になるほど動画配信アプリが人気を博しています。
特に秒拍(ミャオパイ)は人気が高く、8,000万人以上のユーザーを抱える秒拍(ミャオパイ)を効果的に利用することで、多くの中国人の関心を引くことができます。
中国版Twitter「Weibo」との連携が可能
秒拍(ミャオパイ)の強みの一つは、拡散性の高いWeiboと連携していることです。2019年6月時点の公式サイトの情報では、Weibo全体のユーザーは7億人程度ともいわれており、動画が拡散されれば高い宣伝効果が期待されています。
また、中国では買い物など意思決定を行う際に、信用できる人物からの口コミを重要視する傾向があります。現代では、家族や親戚からの口コミだけでなく、人気ブロガーなどインフルエンサーによる口コミが強い影響力を持っています。
Weiboで中国のインフルエンサーを通じて商品を宣伝することができれば、大規模な情報拡散が期待できます。
自動再生で、目にとまりやすいシステム
秒拍(ミャオパイ)の動画は、タイムラインに流れると自動再生されるため、秒拍(ミャオパイ)を通じて発信される情報は多くの人の目にとまります。動画の長さは10秒なので、最後まで見てもらえる可能性が高いことも特徴です。
自撮りで商品を紹介するような動画でも人気を博すことがあり、高度な映像制作技術がなくとも宣伝効果の高い動画をつくることは可能です。
秒拍(ミャオパイ)を用いたインバウンド向けプロモーション事例
既に日本でも、拡散性が高く人々の目にもとまりやすい秒拍(ミャオパイ)の特徴を生かした取組が行われています。
ここでは、二つの事例を紹介します。
神戸市の公式観光サイト、中国人インフルエンサーを起用してPR/Weiboで動画シェア
兵庫県神戸市の神戸国際観光コンベンション協会は、海外からの観光客誘致を目的に神戸公式観光サイト「Feel KOBE」にて英語のプロモーション動画などを配信しています。
2017年3月、それまでの英語のPRに加え、秒拍(ミャオパイ)を用いて中国語圏への情報発信を強化しました。
具体的には、これまでの英語のPR動画を中国語に翻訳し、秒拍(ミャオパイ)に投稿、「旅行」や「日本」等のトピックに強い中国人インフルエンサー15人にWeiboでシェアをしてもらいました。
すると、秒拍(ミャオパイ)やWeiboにおける動画の再生回数が3日間で320万回を突破しました。神戸国際観光コンベンション協会は、まだ神戸を知らない、行ったことのない多くの中国人の関心を集めることに成功しました。
中国向け日本情報配信専用インフルエンサー、インバウンドプロモーション動画制作・配信サービスを開始
Weiboには、「日本零君(通称 ゼロくん)」という、日本に関する情報を発信するインフルエンサーのアカウントがあります。
この「日本零君」は、2019年4月1日現在、Weiboのフォロワー数は約398万人、秒拍(ミャオパイ)での一投稿当たりの動画閲覧数が数百万回にのぼる、中国で絶大な影響力を誇るアカウントです。
2019年5月、日本のINTECH株式会社は、「日本零君」の動画配信アカウントの日本総代理店として、「零醤的日本攻略(ゼロちゃんの日本攻略)」の配信を開始しました。
「零醤的日本攻略(ゼロちゃんの日本攻略)」とは、中国語圏向けプロモーション動画撮影・配信サービスであり、日本の観光地やメーカー等のPRを代行します。在日中国プロカメラマンが中国人視点から撮影・編集を行うため、中国人インバウンドのニーズに沿ったプロモーション動画が制作できます。
日本の自治体やメーカーが個別のアカウントで情報発信を行うより、フォロワーが多くすでに知名度のある「日本零君」のアカウントを用いることで、より多くの中国人への情報発信が期待されています。
秒拍(ミャオパイ)は、中国で人気の動画配信プラットフォーム/インバウンドPRにも活用できる
この記事では、秒拍(ミャオパイ)のサービスおよび、秒拍(ミャオパイ)を用いたインバウンド誘致について紹介しました。
10秒動画を大規模SNSであるWeiboと連携させて配信できる秒拍(ミャオパイ)は、13億人超えの人口を擁する中国巨大市場に対して、効率的に多くの人にPRする重要なツールであるといえるでしょう。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】
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