欧米でも起こった「コロナ買い占め」実際には不要な理由:ロックダウンでも「買い出し」はできる

公開日:2020年04月02日

新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。2020年4月2日現在、国内では2,149名の感染者と、66名の死亡が報告されています。

人口も多く、首都圏から多数が通勤している東京都でも、連日40名以上の新規感染者が確認されています。小池都知事が週末の外出を自粛するよう要請するなど、感染者数の増加を抑えるための努力が続けられています。

外出自粛要請により不安が高まったのか、都内のスーパーマーケットでは買い占めによる品薄が起こりました。会見が行われた先週水曜の夜には、米や麺などの食料品やトイレットペーパーなどの生活必需品が棚から消えてしまった様子が、数々のユーザーによりSNS上にアップされています。

このような買い占めの現象は都内のみならず、日本全国や欧米諸国においても起こっているようです。

しかし、日本の買い占めと欧米諸国の買い占めは、買い占めの動機が異なるようです。

今回は日本と欧米諸国、それぞれで買い占めが起こる理由を分析するとともに、本当は生活に必要な品々を買い占める必要がない理由についてまとめます。

週末の外出自粛要請で危機感?都内を中心にまたも買い占めか

先週3月25日、小池都知事が週末の外出自粛要請を発表しました。これに続き、神奈川県、千葉県、埼玉県、山梨県、大阪府の各知事も相次いで週末の外出自粛要請を発表しています。

小池都知事の会見では、平日の在宅勤務を推奨し、密閉、密集、密接の「3密」を避けることについても強調しました。

この発表を受け、一部のスーパーマーケットで買い占めが起こってしまったようです。Twitterでは普段より多めに買い物をしたという声や、買い占めを目撃して落胆する声など、買い占め問題に関するさまざまな声がツイートされています。

今回の買い占めは先述した週末の外出自粛要請だけでなく、都市封鎖(ロックダウン)に小池都知事が言及したことも原因の一つとして考えられます。

都市封鎖が起こった場合には食料品や生活雑貨が不足したり、外出できなくなることで買えなくなるかもしれない、当面の生活物資を買っておこうという人が多く現れたようです。

このような形の買い占めは、以前見受けられたトイレットペーパーの買い占めと性質が異なっています。

【速報】小池知事緊急会見「週末の外出自粛要請・解除は4月12日までで判断」新型コロナ最大の41人感染をうけ

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「トイレ紙品薄」のデマ

トイレットペーパーの買い占めは、「トイレットペーパーは中国産であるため、中国の工場が停止すると流通がなくなる」というデマにより起きています。

実際には日本のトイレットペーパーの約98%は国内で生産しており、原材料も国内産です。在庫も十分に確保しつつ生産が続けられているため、日本国内の工場の稼働がストップしなければ、トイレットペーパーが購入できなくなるという事態は考えづらいでしょう。

ところが、SNSでこの「トイレットペーパーがなくなる」というデマが拡散され、更にはその様子がテレビでも放映されたことから、多くの人が買い占めに走る結果となってしまいました。

実際にスーパーマーケットのトイレットペーパーが品薄になっている様子を見た人が、この先も続くかもしれないと考え、自宅にまだ十分にストックがあってもさらに買うというケースもあったと考えられます。

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欧米圏でも買い占めは起こっている

一方、欧米諸国でも2月末頃から買い占めが見られるようになりました。

欧米諸国で主に買い占められているのは米、パスタ、缶詰、冷凍食品、チョコレートなどの食料品や、トイレットペーパー、マスクなどの生活必需品ですが、併せてありとあらゆる品物が品薄になっています。

これを受け、SNSでは欧米諸国ユーザーにより「#StopHoarding(#買い占めをやめよう)」というハッシュタグが作られ、FacebookやTwitterなどで拡散されています。

買い占めの背景に、罰金を伴う外出禁止

欧米諸国で買い占めが起こった理由は、各国で実際に、非常事態宣言が出されたり、外出制限措置がとられたことに端を発します。

アメリカは3月14日に非常事態宣言を発動し、州によっては外出の制限が設けられています。

また、イタリア、スペインをはじめとする欧米諸国でも非常事態宣言が発令され、一部の地域では国民の外出や移動を制限する「都市封鎖(ロックダウン)」の措置がとられています。

各国は、世界中でもとびぬけて新型コロナウイルスの感染者や死亡者の数が多くなっています。

今後も感染が拡大し商品の供給が途絶えるかもしれないという懸念や、外出に伴う感染のリスク、また外出による罰金も科されるため、「中長期にわたって外出しなくても済むように準備して安心したい」という心理が生まれていると考えられます。

日本でも同様の不安を抱えている人もいると考えられますが、実際には感染拡大の脅威や自分自身が感染するリスクの認識、外出を自粛するべきという考えのいずれも、これらの国よりも社会全体ではそこまで大きくないといえるでしょう。

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デマにまどわされないように/買い占める必要はない

「トイレットペーパーが供給されなくなるかもしれない」というデマがきっかけで、トイレットペーパーの一時的な品薄が見受けられましたが、前述した通りトイレットペーパーは現在でも通常通りの生産が国内で続けられています。

また、現時点で国内の物流は正常に機能しているほか、万が一都市封鎖(ロックダウン)となった場合でも生活に必要な品物の販売や物流は維持されます。通常の備蓄があれば、ここで追加して購入する必要はないはずです。

各国の先行事例でも、都市封鎖(ロックダウン)が実際にとられている中でも食料品や生活必需品の買い出しは許可されています。

食料品については徐々に消費者にも冷静さが取り戻されてきたようですが、マスクや消毒、除菌をうたった関連製品の都内での品薄は続いているようです。

現在、手元に製品がある場合には過剰な購入に走らず、商品の供給が正常に戻ってから購入するべきでしょう。

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訪日ラボ編集部

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