4月4日に中国のECサイトやニュースサイトや検索サイトなど、著名サイトやアプリがモノクロになりました。
中国のサイトを巡回している人にとってはいつものサイトやアプリ画面がモノクロになるので、初めて見た人は驚いたことでしょう。
これは中国政府(国務院)が4月3日に、「4月4日の清明節に中国全土で新型コロナウイルスによる犠牲者に深い哀悼をささげる活動をする」と発表したことによるものです。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
主要ネットサービスがモノクロに:新型コロナウイルスの犠牲者をしのぶ
4月4日、国務院の表明を受けて、中国の主要ネットサービスのウェブサイトはモノクロになりました。
各所で掲揚される国旗も、新型コロナウイルスの犠牲者をしのび、半旗となりました。さらには、中国のオンラインゲームも遊べなくなりました。
サイトがモノクロになるのはこれが初めてではありません。モノクロになったのは、2008年5月12日に発生した四川大地震での被害者を追悼したことに始まります。
当時、地震発生から1週間後の19日から21日までの間は、全国哀悼日として、多くのポータルサイトのトップページがモノクロとなりました。
2008年当時、中国で普及していたゲームはパソコンによるオンラインゲームが主流でしたが、四川での震災を理由に、中国全土でゲームができなくなりました。
四川大地震後も、青海省大地震(2010年)や、多くの中国人が搭乗したマレーシア航空墜落事故(2014年)でも、各社のサイトがモノクロになっています。
日本アニメ業界、志村けんさんへの哀悼の意も
近年では国家規模の哀悼日でなくても、サイト運営者側で特定ページをモノクロにして追悼することはあります。
例えば、京アニ放火事件の後では、関連ページがモノクロになり喪に服したほか、志村けんさんが亡くなった3月末から現在に至るまで、オンライン百科事典「百度百科」の志村さんのページもモノクロになっています。
ECの商品ページは?
ニュースなどテキストメインのページはモノクロであっても大きな問題にはならなそうです。ECサイトの商品画像や動画サイトの動画がモノクロでは使い物にならないと思うでしょうが、そこは問題ありません。
トップページはモノクロでも、商品ページや各動画ページでは、通常通りカラーで表示されていました。
オンラインゲームも禁止
スマートフォンが普及する今、パソコン用のオンラインゲームだけでなく、アプリや、WeChatのミニプログラム(微信小程序)上のゲームが広くユーザーを獲得しています。
4月4日には、こうしたゲームのタイトル画面に「本日は哀悼日」という画面が出て、遊べない状況となります。
インターネット接続不要で遊べるゲーム機が普及する日本とは異なる、中国ならではの現代式礼儀作法ともいえます。
テレビもラジオもモニター広告も哀悼日を報じ、著名サイトや企業サイトが揃って白黒になり、ゲームも遊べなくなります。
スマートフォンが普及する中国で、多くの中国人が特別な日であることを意識し、一致団結して新型コロナウイルスの犠牲者に哀悼をささげることになったことでしょう。
中国版のお盆「清明節」とは
今回の哀悼の意を示すタイミングとなった、今年4月4日の「清明節」にはどのような風習があるのでしょうか。
この日は、中国において先祖を敬い平和を祈る祝日で、日本におけるお盆のような日です。旧暦にもとづくイベントであるため、毎年日取りが変わります。今年は4月4日がそれにあたり、6日まで3連休となりました。
親族一同が集まってお墓参りをするため、この日は都市部郊外にある集団墓地や農村の先祖代々が眠る墓地に一斉に人々が向かい、大渋滞が発生しますし、広い共同墓地が人と車で埋め尽くされます。
中国のお墓はデザインが個性的
中国のお墓には故人の写真が貼ってあり、故人の名前と命日と、それに(生きている人を含む)家族の名前が刻まれていることが多いです。家族親族が故人をしのぶ墓をデザインするのでしばしば個性的で、筆者が見たものでも、パソコン好きの人が若くして亡くなったのか、Windowsのロゴを石にしたお墓もありました。
清明節では、お墓を掃除したうえで、この墓の前で、墓参りで集まった家族親族全員がひとりずつ中国式の礼拝である叩頭でひざまづいて礼をし、故人をしのびます。
お金や、故人の好きなアイテムを用意:スマホ・車・旅行券・雀卓…
お墓で礼をすることだけが中国式のお墓参りではありません。お墓で礼をした後は、お金やモノが描かれた紙を共同の焼却炉で焼きます。
これは故人があの世の暮らしでお金やモノに困らないためにそれを現世から送るというものです。
お金やモノが描かれた紙は、都市であれば郊外共同墓地の売店で、農村部であれば集落の商店でこの時期売られています。
最近ではあの世の暮らしもよくなったのか、紙で作られた家や車やスマートフォンが売られるようになりました。またよりよい生活をしてもらおうと、あの世で使える1千万元札や十億元札といった札束が売られています。
まれにあの世で使える米ドルや日本円も売られています。あの世のアメリカや日本で爆買いしてほしいという家族からのニーズがあるのでしょう。
たまに親族一同が集まるイベントでもあることから、お墓参りの後は食事をすることもよくありますし、お墓参りの後で郊外でのんびりと遊ぶということもあります。
中国では新型コロナウイルスとの戦いが峠を越えた雰囲気のなか、微博(Weibo)を見ると、「墓参りに行ってきた」という写真付きのつぶやきもあれば、「わけあって行けなかった」とのつぶやきもありました。
新型コロナでは潜在的な感染者の存在も明るみになっていますが、清明節での人の移動で再び感染が拡大しないことを願ってやみません。
2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】
2024年も残りわずかとなりました。来年2025年は大阪・関西万博が開催されるほか、中国市場の回復などもあり、今年以上の盛り上がりが予想されています。2025年に向けて、訪日旅行者へ向けたマーケティング戦略を強化していきたいと考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、株式会社movが毎月開催している「訪日ラボトレンドLIVE」をスペシャルver.としてお届け。今こそ知っておきたい「インバウンド×デジタルマーケティング戦略」を徹底解説します!
<本セミナーのポイント>
- 観光・インバウンドに詳しい専門家3名が登壇!
- 2025年に向けた「インバウンド×デジタルマーケティング」の戦略や施策について、「深掘り」した情報を「いち早く」「無料で」学べる!
-
質疑応答の時間もご用意。インバウンドに関する疑問・お悩みについて、専門家から直接「ヒント」を得られる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月後編】中国、タイの2025年祝日発表 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国、タイの2025年祝日発表 ほか:インバウンド情報まとめ【2024年11月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!