トリップアドバイザーが人気旅館ランキング発表、静岡県「日の出屋」が首位に【旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の旅館 2020】

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世界各地で新型コロナウイルスの感染が拡大し、日本を含めた各国で入国制限の措置が取られています。この影響を受け訪日外国人客数が増加していた日本でも、外国人観光客の姿をあまり見かけなくなりました。

しかし来年には東京オリンピックの開催が予定されていることもあり、新型コロナウイルスの収束後、リバウンド的にインバウンド需要が高まることが予想されます。インバウンド需要拡大に備え、今のうちからインバウンド対策に着手する必要があるでしょう。

今からできるインバウンド対策の一つとしては、インバウンドから人気を得た他社の事例から、インバウンドが何を求めているのかを知るというものがあります。

そこで、この記事では、4月28日にトリップアドバイザーから発表された「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の旅館 2020」をもとに、訪日外国人観光客に人気の旅館とその理由を紹介します。

《注目ポイント》

  1. 3軒が7年連続ランクイン
  2. 4軒が初登場
  3. 全体の約1/3(7軒)が京都市内

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外国人に人気の日本の旅館2020

トリップアドバイザーは、「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の旅館」の最新版を2020年4月28日に発表しました。

このランキングは、2019年の1年間にトリップアドバイザー上で日本の旅館に投稿された外国語の口コミの評価・投稿数などをもとに、独自のアルゴリズムで集計・作成されています。

1位は2年連続で、「伊豆高原・日の出屋」となりました。他にも3軒の旅館が7年連続でランクインする一方、初登場の旅館も4軒ありました。さらに、ランキングの約3分の1(計7軒)を京都市内の旅館が占めるという結果となりました。

今回のランキングで上位にランクインした旅館の共通点としては、「日本文化の体験」「立地のよさ」「旅館や宿自体の魅力」「日本ならでは・その土地ならではの料理」の4点がありました。

ホテルではなく旅館を選ぶ訪日外国人観光客の中には、「日本ならでは」の体験をしたいと考える人も多いといえます。そのような訪日外国人観光客は、旅館をただ寝泊まりする場所としてではなく、貴重な日本体験や思い出作りができる場所として選んでいるのだと考えられます。

しかしながら、訪日外国人観光客から支持されるためには「日本ならではの体験ができる」ことだけでは十分ではありません。立地の良さ・多言語対応など、観光の拠点として、さらには生活の拠点として必要な要素がしっかりとそろっているかどうかも重要なポイントであることがランキングから明らかになりました。

以下では、人気旅館のランキングと、ランクインした旅館の魅力について解説していきます。

1位:伊豆高原・日の出屋(静岡県伊東市)

静岡県伊東市の「伊豆高原・日の出屋」は、伊豆高原から徒歩5分の好立地にあるリーズナブルな旅館です。5年連続でランクインし、2年連続でトップとなりました。

旅館の特色として、立地の良さ・送迎サービス・食事・施設内設備の充実の4点が挙げられます。周囲には釣りスポットやレジャー施設、ゴルフ場などが充実しており、またコンビニも近くにあるため利便性も高いといえます。

更に「伊豆高原・日の出屋」には、このような特色以外にも訪日外国人観光客を惹きつける点が多くあります。それが、浴衣を着られるサービスや従業員の親切丁寧な多言語の接客、リーズナブルな価格です。浴衣は無料で貸し出しており、手軽に日本の伝統文化を体験できます。

2位:京町家 楽遊 堀川五条(京都府京都市)

京都府京都市の「京町家 楽遊 堀川五条」は、繁華街である四条河原町からほど近い場所に位置する京町家スタイルの旅館です。今回で4年連続のランクインとなりました。

特色として、最新の設備の充実と町家としての魅力が挙げられます。暖簾や照明・器・京版画・格子・揚げみせ・犬矢来などの京都ならではの魅力や日本の伝統を味わえます。

その他訪日外国人観光客の人気を集めている理由として、朝食・従業員の親切丁寧な接客・宿の目の前にある銭湯・アクセスの良さが挙げられます。

英語などの語学が堪能な従業員が多く、丁寧な観光案内が好評を得ています。バス停や駅も近いため、周辺観光の際に便利であるというのも人気を集める大きな理由の一つでしょう。

3位:料理旅館 白梅(京都府京都市)

京都府京都市の「料理旅館 白梅」は、祇園白川のほとりにある老舗高級旅館です。2014年から7年連続でランクインしており、毎回3位以内に入るという大変人気の旅館です。

旅館の特色として、祇園という立地と伝統的な建物、京都ならではの料理が挙げられます。旅館は江戸期の創業当時にお茶屋として建てられた建物で、数寄屋造りの伝統的意匠に富んでいます。

「料理旅館 白梅」が訪日外国人観光客に人気の理由としても、やはり京都の風情を感じられる立地環境やアクセスの良さが挙げられます。旅館は祇園に位置するため、歴史的な建物や部屋の造りを感じながら、京都の風情ある街並み・舞妓などの京都ならではの魅力が味わえます。

旅館への入り口である橋も、訪日外国人観光客に人気のスポットです。また、京都のメイン通りの一つである四条通りへのアクセスも良く、バス停や地下鉄の駅も徒歩圏内です。

4位:若草の宿 丸栄(山梨県富士河口湖町)

山梨県富士河口湖町の「若草の宿 丸栄」は、温泉と旬彩豊かな食事が楽しめる、和の情緒にあふれた旅館です。今回で3年連続のランクインとなりました。

特色として、富士山の麓という立地と温泉の充実、旬彩豊かな食事が挙げられます。国際的な観光地である富士山とその周辺へのアクセスが抜群です。

「若草の宿 丸栄」が訪日外国人観光客に人気の理由も上記と同様です。日本ならではの魅力の一つである温泉を、世界遺産の富士山を眺めながら楽しめる点も好評を得ています。また周囲の喧騒から離れられるため、心身ともにリラックスできる点も喜ばれています。

食事も日本の旬彩を活かしており、富士を望む絶景を見ながらの食事は、訪日外国人観光客に「日本ならでは」の特別感を提供しています。

5位:星のや東京(東京都千代田区)

東京都千代田区の「星のや東京」は、様々な企業ビルが立ち並ぶ東京の街中にありながらも静かに過ごせると人気の旅館です。今回で3年連続のランクインとなりました。

旅館の特色として、日本の伝統的な和が詰まった空間と温泉が挙げられます。

畳敷きの廊下や竹細工の靴箱、お茶の間ラウンジ、畳や竹の香りを感じる客室など、日本の伝統的な和の魅力が凝縮されています。また温泉の施設も充実しており、洞窟のような通路を進んだ先にある露天風呂、天井に大きな窓がある最上階の温泉などがあります。

訪日外国人観光客に人気の理由としても、上記の特色2点が挙げられます。合わせて、人が多い東京の観光で疲れた心身を、東京のオフィス街にいながら癒せる空間も好評を得ています。

6位以下を紹介

6位以下は表で紹介します。

順位 旅館

6位

旅館 澤の屋(東京都台東区)

7位

四万温泉 柏屋旅館(群馬県中之条町)

8位

十四春旅館(京都府京都市)

9位

舞風館(京都府京都市)

10位

お宿 山久(岐阜県高山市)

11位

京町家 楽遊 仏光寺東町(京都府京都市)

12位

島屋(長野県山ノ内町)

13位

京屋旅館(愛知県名古屋市)

14位

旅館 あすなろ(岐阜県高山市)

15位

陽気館(静岡県伊東市)

16位

星のや 京都(京都府京都市)

17位

箱根湯宿 然-ZEN-(神奈川県箱根町)

18位

旅館 藤乙(長野県南木曽町)

19位

NISHIYAMA RYOKAN(京都府京都市)

20位

渋温泉 古久(長野県山ノ内町)

初登場の旅館を紹介

今年で7回目となるこのランキングですが、今回初登場となる旅館もいくつか登場しています。

初登場の旅館から、京都府内の旅館と大自然に囲まれた旅館の人気の高まりと、特選牛や飛騨牛など日本のブランド食材にも興味を持つ訪日外国人観光客の増加がうかがえます。大自然に囲まれた旅館は、日々の喧騒を忘れさせてくれると好評です。

2020年初登場の旅館は以下の通りです。ここでは、中でも注目すべき旅館を2つ紹介します。

  • 11位:京町家 楽遊 仏光寺東町(京都府京都市)(京町家 楽遊 堀川五条は4年連続ランクイン)
  • 14位:旅館 あすなろ(岐阜県高山市)
  • 16位:星のや 京都(京都府京都市)(星のや東京は3年連続ランクイン)
  • 17位:箱根湯宿 然-ZEN-(神奈川県箱根町)

旅館 あすなろ(岐阜県高山市)

岐阜県高山市の「旅館 あすなろ」は、越後の豪農の館を移築復元し、素材であるにこだわって建てられた旅館です。

特色は、天然木のぬくもりに満ちた空間と飛騨高山のひな祭りの装飾、天然温泉、郷土料理です。

飛騨高山のひな祭りは旧暦に合わせた4月3日ですが、2月初旬から4月3日までの長い期間、様々な種類のひな人形を飾っており、宿泊客にはとても好評です。さらに食事は、地域のブランド牛である飛騨牛をはじめ、地元の旬の素材を存分に用いた郷土料理が提供されます。

訪日外国人観光客に好評を得ているのも、上記の特色4点です。中でも、木や畳などの日本ならではのぬくもりを感じながら、ベッドや椅子など西洋の家具が置かれた客室は、心身ともにリラックスできると人気です。また、駅に近く高山の観光スポットも近いという立地の良さも、好評を得ています。

箱根湯宿 然-ZEN-(神奈川県箱根町)

神奈川県箱根町の「箱根湯宿 然-ZEN-」は、東京から約1時間半の箱根の山に位置する、全9室の旅館です。特色として、特選和牛が楽しめる食事や掛け流し温泉付きの客室があります。

個室での食事には、特選和牛や地元の旬食材を用いたコース料理を提供しています。また朝食は、日本の和食の定番メニューとなっています。全9室の客室には、大自然の景色が楽しめる半露天風呂が付いています。

訪日外国人観光客に人気な理由も、やはり上記の特色2点です。特選和牛や地元食材、日本の和食の魅力を味わえ、プライベート温泉で大自然を眺めながら日々の疲れを癒せる空間が訪日外国人観光客の心を惹きつけています。

2019年のランキングとの違いは?

ここまでは2020年に発表されたランキングを見てきましたが、2019年に発表されたランキングと比較してどのような変化があったか紹介します。

2019年のランキング

以下、表で紹介します。

順位 旅館

1位

伊豆高原・日の出屋(静岡県伊東市)

2位

料理旅館 白梅(京都府東山区)

3位

若草の宿 丸栄(山梨県富士河口湖町)

4位

京町家 楽遊 堀川五条(京都府京都市)

5位

星のや東京(東京都千代田区)

6位

嵐山温泉 嵐山辨慶(京都府京都市)

7位

島屋旅館(長野県山ノ内町)

8位

旅館 藤乙(長野県南木曽町)

9位

みやじまの宿 岩惣(広島県廿日市市)

10位

四万温泉 柏屋旅館(群馬県中之条町)

11位

陽気館(静岡県伊東市)

12位

NISHIYAMA RYOKAN(京都府京都市)

13位

お宿 山久(岐阜県高山市)

14位

旅館 澤の屋(東京都台東区)

15位

亀清 旅館(長野県千曲市)

16位

湖南荘(山梨県富士河口湖町)

17位

霧の郷たかはら(和歌山県田辺市)

18位

十四春旅館(京都府下京区)

19位

旅館 山城屋(大分県由布市)

20位

京屋旅館(愛知県名古屋市)
2019年のランキングでは近畿・中国・九州地方からもランクインしていましたが、2020年のランキングでは京都府以外すべての旅館が関東・中部地方から選ばれています。観光客の多い地域にある旅館がランクインする、という傾向が今まで以上に強まったといえます。

また、2020年のランキングで1位から8位に選ばれた旅館は、順位の変動はあるものの2019年にも選ばれていた旅館でした。一方で、2019年は圏外だった6つの旅館が新たにランクインしていました。上位はなかなか変動しないものの、下位からであればランクインする余地はあると言えそうです。

ランキングを参考に訪日外国人観光客の旅館需要を捉える

今もなお世界各地で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、各地で旅館や観光地に休業要請が出るなど、インバウンド業界は大きな打撃を受けています。

現在は観光客が大きく減少している状況ですが、既に流行が収まりつつある中国では国内限定で旅行需要が再び盛り上がっているなど、新型コロナウイルス収束後の旅行需要は再び高まることが予想されます。オリンピックを控えている日本も例外ではありません。

思うように通常の営業ができない今だからこそ、ランキングとともに紹介した、訪日外国人観光客の旅館への評価ポイントである「日本文化の体験の可否」「立地のよさ」「旅館や宿自体の魅力」「日本ならでは・その土地ならではの料理」の4点を踏まえ、高まりが予想されるインバウンド需要への準備を進める必要があるでしょう。

【最新ランキング】外国人の人気観光地、不動の首位だった「伏見稲荷大社」を超え「広島平和記念資料館」がトップに!(トリップアドバイザー調べ)

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<参照>

トリップアドバイザー:旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の旅館 2020

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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