外国人観光客が選ぶ人気観光地ランキング/不動の首位「伏見稲荷大社」をおさえ「広島平和記念資料館」がトップに!

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新型コロナウイルスの影響が世界各地に広がり、日本でも入国制限を行っているため、訪日外国人観光客が国内を観光している姿を見かけなくなりました。

来年に延期となった東京オリンピックを控えた今、収束後に狙いを定めたPRをいかにして行うかがこれからのインバウンド需要の獲得に重要といえるでしょう。

2020年4月28日、トリップアドバイザーから「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット」の最新版が発表されました。

今回は、トリップアドバイザーのランキングをもとに、訪日外国人観光客に人気の観光地とその人気の理由を紹介します。

《注目ポイント》

  1. 不動の1位だった伏見稲荷大社が2位に
  2. 広島平和記念資料館が1位に
  3. 初登場スポットは美術館・博物館が多い

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外国人観光客が選ぶ日本の観光地ランキング2020

トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット」の最新版が2020年4月28日に公開されました。

2009年から行われ今年で12回目となるこのランキングは、毎回その年に訪日外国人観光客から人気のあった日本国内の観光スポットを紹介しています。

このランキングは、2019年の1年間にトリップアドバイザー上で日本の観光スポットに投稿された外国語の口コミの評価、投稿数などをもとに、独自のアルゴリズムで集計・作成されています。

今年は昨年まで6年連続で1位となっていた「伏見稲荷大社」が2位にランクダウンし、 昨年は2位だった「広島平和記念資料館」が1位に上がりました。

その他、初登場のスポットが5か所、昨年圏外だったスポットが10か所ランクインしました。2020年のランキングは以下の通りです。

1位:広島平和記念資料館(原爆ドーム、平和記念公園等含む)(広島県広島市)

広島県広島市にある広島平和記念資料館は、原爆の悲惨さや平和の大切さを現在に伝える資料館です。1945年8月6日に広島に落とされた原爆で犠牲となった被爆者の遺品や、当時の写真、資料を展示しています。

2006年に広島市内の世界平和記念聖堂とともに重要文化財に指定され、現在までに7,400万人以上の人が広島平和記念資料館を訪れています。2019年度には、52万人の訪日外国人観光客が訪れました。

広島県では訪日外国人観光客に原爆遺跡を巡ってもらい平和について考えてもらう「ピースツーリズム」を広島のインバウンド観光に組み込むという取り組みも行っています。

インバウンド人気観光スポットランキング3位「広島平和記念資料館」の人気の理由・インバウンド対策とは

広島平和記念資料館は、広島県広島市中区に位置する博物館です。太平洋戦争時の被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料が展示してあり、多くの訪日外国人が訪れます。

2位:伏見稲荷大社(京都府京都市)

京都府京都市にある伏見稲荷大社は、全国におよそ3万ある「稲荷神社」の総本宮であり、1,300年もの歴史を持っています。

一説によると、「稲荷」の起源は現在の京都府南部にあたる山城国の歴史や文物を記した地誌「山城国風土記」に由来しているといわれています。

伏見稲荷大社は、商売繁昌・五穀豊穣の神として多くの人から信仰されています。何重にも重なっている朱色の鳥居がトレードマークであり、多くの訪日外国人観光客が着物を着て鳥居の写真を撮っている姿が見受けられます。

インバウンド人気観光スポットランキング1位「伏見稲荷大社」の人気の理由・インバウンド対策とは

伏見稲荷大社は、京都府京都市伏見区深草藪之内町68に位置する神社です。朱色の鳥居が連なる伏見稲荷大社は、その幻想的な雰囲気から訪日外国人にとって人気の観光スポットとなっています。

3位:箱根彫刻の森美術館(神奈川県箱根町)

箱根彫刻の森美術館は、神奈川県箱根町にある美術館です。

日本で初めて野外に造られ、7万平方メートルの庭園のなかには近現代の著名な彫刻家の作品がおよそ120点ほど展示されています。 屋外では、訪れる時間・天候・季節によって展示されている作品の表情が変わることが魅力の一つです。展示は屋外だけでなく、ピカソの作品を多数展示する「ピカソ館」などの室内展示場も5つあります。

箱根の山々を背景として自然を感じながら展示を楽しむことができ、カップルから家族連れまで、幅広い層の人が楽しめる空間です。

インバウンド人気観光スポットランキング9位「箱根彫刻の森美術館」の人気の理由・インバウンド対策とは

箱根 彫刻の森美術館は、神奈川県足柄下郡箱根町に位置する彫刻展示を目的とした美術館でです。国内のみならず海外からの観光客からも人気のスポットとなっています。

4位:東大寺(奈良県奈良市)

東大寺は、奈良県奈良市にある華厳宗大本山の寺院です。奈良時代に聖武天皇が創建し、1998年に世界遺産に登録されました。

「奈良の大仏」とも呼ばれる盧遮那仏を本尊としており、その巨大な大仏を一目見ようと多くの訪日外国人観光客が訪れています。また、境内では多くの鹿と触れ合うこともでき、それも訪日外国人観光客から人気を集める理由です。

インバウンド人気観光スポットランキング5位「東大寺」の人気の理由・インバウンド対策とは

東大寺とは、奈良県奈良市雑司町に位置する華厳宗大本山の寺院です。日本最大の大仏で有名な東大寺には毎年多くの訪日外国人が訪れています。

5位:兼六園(石川県金沢市)

兼六園は、石川県金沢市にある江戸時代の代表的な大名庭園です。加賀藩前田家の庭園として造られたもので、1863年にほぼ現在の姿になりました。

兼六園は、岡山県の後楽園、茨城県の偕楽園と並んで、日本三大名園として数えられており、その美しい景観は日本人のみならず訪日外国人観光客からも人気があります。

インバウンド人気観光スポットランキング14位「兼六園」の人気の理由・インバウンド対策とは

兼六園とは、石川県金沢市にある日本庭園です。国の特別名勝にも指定されており、多くの訪日外国人に人気の観光スポットとなっています。

6位以下を紹介

6位以下は表で紹介します。

順位 観光地

6位

新宿御苑(東京都新宿区)

7位

日光東照宮(栃木県日光市)

8位

人形ミュージアム(石川県金沢市)

9位

姫路城(兵庫県姫路市)

10位

高野山 奥之院(和歌山県高野町)

11位

東京都庁展望室(東京都新宿区)

12位

永観堂禅林寺(京都府京都市)

13位

縮景園(広島県広島市)

14位

金閣寺(京都府京都市)

15位

愛宕念仏寺(京都府京都市)

16位

大本山 大聖院(広島県廿日市市)

17位

久保田一竹美術館(山梨県富士河口湖町)

18位

宮島 (厳島)(広島県廿日市市)

19位

地獄谷野猿公苑(長野県山ノ内町)

20位

根津美術館(東京都港区)

21位

奈良公園(奈良県奈良市)

22位

三十三間堂(京都府京都市)

23位

浅草寺(東京都台東区)

24位

京都鉄道博物館(京都府京都市)

25位

忠霊塔(山梨県富士吉田市)

26位

長谷寺(神奈川県鎌倉市)

27位

栗林公園(香川県高松市)

28位

中山道馬籠宿(岐阜県中津川市)

29位

奥入瀬渓流(青森県十和田市)

30位

弥山(広島県廿日市市)

外国人観光客が注目!初ランクインの観光地

今年で12回目となるこのランキングですが、今回初登場となるスポットもいくつか登場しています。

比較的新しい美術館や博物館のような展示形式のスポットが多く初ランクインしました。ここからはその注目のスポットを3つ紹介します。2020年初登場のスポットは以下の通りです。

  • 8位:人形ミュージアム(石川県金沢市)
  • 17位:久保田一竹美術館(山梨県富士河口湖町)
  • 24位:京都鉄道博物館(京都府京都市)
  • 28位:中山道馬籠宿(岐阜県中津川市)
  • 29位:奥入瀬渓流(青森県十和田市)

人形ミュージアム(石川県金沢市)

人形ミュージアムは石川県金沢市のにし茶屋街にある、様々な工芸的手法を使って作られた日本各地の人形を展示しているミュージアムです。

2019年7月5日にオープンし、初年度からランキングに掲載された注目の観光スポットです。

館内には伝統的な日本の人形だけでなく、日本にルーツがあるとされるロシアのマトリョーシカも展示されています。

展示では日本語と英語が併記されており、英語でのガイド付きツアーがあることや「こけし」や「マトリョーシカ」の色付け体験ができることも外国人から人気を集める理由となっているようです。

久保田一竹美術館(山梨県富士河口湖町)

久保田一竹美術館は山梨県の富士河口湖に位置する美術館です。

「人と自然と芸術の三位一体」と「新しい文化・芸術の発信地」をテーマとしており、染色家久保田一竹が完成させた独自の染め物作品群「一竹辻が花」を常設展示しています。本館や庭園、調度品の配置も一竹の世界観に合った造りとなっています。

富士山の近くというロケーションの良さと美しい着物の展示が、訪日外国人観光客の人気を集めている理由です。

京都鉄道博物館(京都府京都市)

京都鉄道博物館は2016年に開業した、「地域と歩む鉄道文化拠点」をコンセプトとした博物館です。

博物館職員によるガイドツアーやJR西日本社員が博物館内で行うワークショップなどに参加することができ、鉄道ファンだけでなく老若男女幅広く多くの人々が楽しめます。

京都駅からも徒歩20分ほどで行けるため、京都観光の合間に訪れる訪日外国人観光客も多いようです。

2019年の人気観光地ランキングとの違いは?

ここまでは2020年のランキングを見てきましたが、2019年のランキングと比較してどのような変化があったか紹介します。

日本の人気観光地ランキング2019/外国人観光客が好きな名所や施設を理解(トリップアドバイザー調査)

トリップアドバイザーは毎年「外国人に人気の日本の観光スポットランキング」を発表しています。2019年版では6年連続で「京都伏見稲荷大社」がランクインしました。 近年高まるインバウンド需要の影響もあり、日本国内の観光地に多くの観光客が足を運んでいます。 こうした中で、日本人に人気の観光地が外国人にも人気かというと必ずしもそうではないため、海外向けの観光PRには特に注意が必要です。 反対に、特定の国の観光客に人気となっている地域もあります。例えば佐賀県はロケツーリズムの関係でタイ人が多く...

2019年のランキング

2019年のランキングは以下の通りです。

順位の変動はあるものの、30個中20個は2019年にランクインしたスポットが2020年もランクインする形となりました。

今年初めてランクインした観光スポットから、美術館や博物館の人気が前年より高まっているといえます。

順位 観光スポット

1位

伏見稲荷大社(京都府京都市)

2位

広島平和記念資料館(広島県広島市)

3位

宮島(広島県廿日市市)

4位

東大寺(奈良県奈良市)

5位

箱根彫刻の森美術館(神奈川県箱根町)

6位

新宿御苑(東京都新宿区)

7位

三十三間堂(京都府京都市)

8位

高野山 奥之院(和歌山県高野町)

9位

姫路城(兵庫県姫路市)

10位

金閣寺(京都府京都市)

11位

兼六園(石川県金沢市)

12位

成田山 新勝寺(千葉県成田市)

13位

長谷寺(神奈川県鎌倉市)

14位

奈良公園(奈良県奈良市)

15位

日光東照宮(栃木県日光市)

16位

縮景園(広島県広島市)

17位

大本山 大聖院(広島県廿日市市)

18位

河口湖(山梨県富士河口湖町)

19位

白川郷合掌造り集落(岐阜県白川村)

20位

書寫山圓教寺(兵庫県姫路市)

21位

浅草寺(東京都台東区)

22位

明治神宮(東京都渋谷区)

23位

白谷雲水峡(鹿児島県屋久島町)

24位

愛宕念仏寺(京都府京都市)

25位

忠霊塔(山梨県富士吉田市)

26位

京都駅ビル(京都府京都市)

27位

平等院(京都府宇治市)

28位

永観堂禅林寺(京都府京都市)

29位

栗林公園(香川県高松市)

30位

東京ディズニーシー(千葉県浦安市)

外国人観光客が選ぶ観光地ランキングからインバウンド需要をとらえる

今もなお世界全体で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、各地で旅館や観光地にも休業要請が出るなど、インバウンド業界は大きな打撃を受けています。

現在は日本人も含め観光客が大きく減少している状況ですが、既に流行が収まりつつある中国では国内限定ではあるものの旅行需要が再び盛り上がっているなど、新型コロナウイルスの流行収束後の旅行需要は再び伸長することが予想されます。 

また、今回のランキングで初めて登場する日本の観光地も多数見られ、訪日外国人の旅行ニーズが多様化、地方分散化している傾向もうかがえます。

思うように通常の営業ができない今だからこそ、ランキングを参考に訪日外国人観光客の好みや人気スポットの傾向をおさえておくとともに、新型コロナウイルスの流行収束後に戻るであろうインバウンド需要を取り込むための準備を進めていくことが大切です。 

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<参照>

トリップアドバイザー:旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット 2020


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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