JNTO(日本政府観光局)より、訪日プロモーションスケジュールが公開されました。
東南アジアは近年の経済成長も追い風となり、年々訪日者数が増加している市場です。JNTOは東南アジアにおける日本の観光地としての認知度向上のため、各国で旅行博の開催、または出展を企画しています。
コロナ終息後を見据えた「反転攻勢」をかけるべく、JNTOの訪日プロモーションスケジュールを確認しておきたいところです。
この記事では東南アジアの国ごとのプロモーションスケジュール、プロモーションのターゲットとタイミングについて解説します。
※この訪日プロモーションスケジュールは、JNTOにより4月6日に公開されたものです。今後、新型コロナウイルスの状況によって変更される可能性があります。
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東南アジア市場のプロモーションスケジュール
まず、それぞれの国ごとにプロモーションスケジュールについて解説します。同時に、JNTOが出展、または開催を予定しているイベントについても説明します。
タイ市場の訪日プロモーションスケジュール
![▲[タイ市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局) ▲[タイ市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局)](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6383/main_2020-05-05.png?auto=format)
タイでは8月にTITF(Thai International Travel Fair)が開催されます。TITFとは、毎年、夏季・冬季の年2回、それぞれ4日ずつ開催される「タイ国際旅行フェア」です。2019年2月開催の第24回TITFでは、45万人が来場しました。
出展するには、JNTOの「ジャパンゾーン」に参加するか、直接主催者TTAA(Thai Travel Agents Association)に申し込むかの2つの方法があります。
シンガポール市場の訪日プロモーションスケジュール
![▲[シンガポール市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局) ▲[シンガポール市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局)](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6384/main_2020-05-05__1_.png?auto=format)
シンガポールでは、7月~8月ごろにNATAS Holidaysが開催されます。NATAS Holidaysとは、シンガポール最大規模のBtoCの「シンガポール夏季旅行博」です。冬にはNATAS Travel(シンガポール冬季旅行博)も開催されます。
シンガポールのハイシーズンは11月~12月の学校休暇の時期です。このシーズンに向けた旅行先を夏ごろ決めると考えられるため、ハイシーズンの需要に目標を定めた旅マエへのアプローチが可能です。
マレーシア市場の訪日プロモーションスケジュール
![▲[マレーシア市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局) ▲[マレーシア市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局)](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6385/main_2020-05-05__2_.png?auto=format)
マレーシアでは、7月に中華系団体旅行層(ペナン等地方主要都市)向けにMITM(MALAYSIAN INTERNATIONAL TRAVEL MART)が開催されます。MITMはマレーシアで中国人観光協会が主催する、BtoC向けの旅行博です。
ペナンは訪日旅行送り出し有力地方都市の1つであり、首都のクアラルンプールに比べ現地旅行会社手配による団体旅行の割合が高いという特徴があります。
また、3月には中華個人旅行層(おもに20~30代)、中華系団体旅行層(首都クアラルンプール)、ムスリム層(人口ボリューム層)向けにMATTA(MALAYSIAN ASSOCIATION OF TOUR & TRAVEL AGENTS)が開催されます。
インドネシア市場の訪日プロモーションスケジュール
![▲[インドネシア市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局) ▲[インドネシア市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局)](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6386/main_2020-05-05__3_.png?auto=format)
インドネシアにおいてJNTOは、7月~9月の間に、ジャカルタでの旅行博出展、3都市(ジャカルタ・スラバヤ・メダン)商談会、地方都市(スラバヤ・メダン)での旅行博出展、オンライントラベルプロモーションを予定しています。この7〜9月の夏季のタイミングに、インドネシア市場のターゲットとしている全ての層に対するプロモーションが実施される見通しです。
フィリピン市場の訪日プロモーションスケジュール
![▲[フィリピン市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局) ▲[フィリピン市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局)](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6387/main_2020-05-05__4_.png?auto=format)
フィリピンでは、7月にTME(Travel Madness Expo)への出展、8月にJapan Travel Festival、7月~8月にLuxury Travel Expoの開催を予定しています。
10月~12月にはJNTO主催のJTF(Japan Travel Fair)があり、さらに1月~2月に地元の旅行博出展と続きます。
ベトナム市場の訪日プロモーションスケジュール
![▲[ベトナム市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局) ▲[ベトナム市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局)](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6388/main_2020-05-05__8_.png?auto=format)
ベトナムでは、7月に日越文化交流フェスティバルが開催されます。このイベントは、2014年から毎年ダナンで開催されており、5回にわたって訪問者が10万人を超えています。
また、9月にはITE HCMC(International Travel Expo Ho Chi Minh City)に出展を予定しており、JNTOは2019年は共同ブース出展を募集していました。
さらにJNTOは、11月にViet Nam International Travel Mart(ベトナム地方都市)、1月~2月ごろにJapan Vietnam Festival、3月にViet Nam International Travel Mart(ハノイ)への出展を計画しています。
インド市場の訪日プロモーションスケジュール
![▲[インド市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局) ▲[インド市場 訪日プロモーションスケジュール]:JNTO(日本政府観光局)](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6389/main_2020-05-05__7_.png?auto=format)
JNTOは、インドを日本に誘致したい事業者向けに、7月~8月にセミナー・ネットワーキング(ウェディング・ハネムーン)を開催する予定です。
6月ごろからは、東北復興に関する、広告宣伝、メディア招請、共同広告のプロジェクトが始まります。
また、現地旅行会社向けの【初級・中級】E-ラーニングは年度を通じて予定しており、現地の旅行会社に対する日本旅行の認知向上を図りたい姿勢がうかがえます。
プロモーションのターゲットとタイミングは?
ここでは、JNTOのスケジュールに合わせた、効果的なプロモーションのターゲットとタイミングについて解説します。
9月~10月にFIT向けのプロモーションが効果的か
タイやシンガポールでは、例年12月が訪日のピークとなっています。
シンガポールでは9月ごろ、タイでは10月31日~11月1日にFITフェアが開催されます。そのため、9月~11月はこれらの市場に対するFIT(個人手配の訪日外国人観光客)向けのプロモーション施策が効果的です。
コロナ終息後、旅行形態において団体よりFITの方が回復が早いと考えられます。FITはリピーターも多く、日本に関する情報収集にも慣れています。そのため、情報の真偽を自分で確かめ、訪日する時期も個人で判断します。
同時期にJNTOがWebサイト上で冬季特集を行うため、Web上の特にウインターシーズンに関連したコンテンツに注目が集まると考えられます。したがって、FIT向けにSNSやWebサイトでのプロモーションは高い効果が期待できるでしょう。
8月~9月はインド富裕層へのリゾートウエディングPRのチャンスか
インド市場では8月〜9月ごろにセミナー・ネットワーキング(ウェディング・ハネムーン)が行われます。
インドの結婚シーズンは10月~2月ごろで、セミナーが行われる2〜3か月後となっています。インドでは結婚式を人生最大の儀式と考えており、とても高い金額をかける傾向にあります。特に富裕層では、結婚式に数千万円を使うとのデータもあり、中間層であっても年収の4倍近い金額を使って3日間に渡って祝うのが通例とされています。
そのため、JNTOはインド市場向けにリゾートウェディングの誘致を試みています。このセミナーが開催される7月~8月ごろにインド市場向けにリゾートウェディングの情報発信を行うと、効果が期待できるかもしれません。
予算なんと数千万円!3日間続くインド人富裕層の結婚パーティを沖縄へ誘致するヒント
オーシャンビューのリゾート婚は、世界中で人気があるウェディングスタイルです。日本で海辺のチャペルがある沖縄のリゾートウェディングも人気があり、国内外に向けて多様なウェディングスタイルが提案されています。目次注目!インバウンドの日本婚、人気ナンバーワンは沖縄海外ウェディングに興味があるインドの富裕層インドの結婚式は人生最大の儀式豪華な結婚式インド料理は必須沖縄で人気のリゾートウェディング1. オーシャンビューのチャペルウェディング2. 海が見えるリゾートホテルでガーデンウェディング3. 沖縄...
FIT向け情報発信のタイミングを逃さずに
JNTOの公開した訪日プロモーションスケジュールの内容によると、近年増加傾向にあるFITに向けたイベントやセミナーの取り組みも計画されていることが分かります。新型コロナウイルスの感染状況の収束後、戻りが早いのは団体客よりもFITであることが考えられるため、FITに向けたプロモーション、情報発信のタイミングは逃さないようにしたいところです。
そのほか、JNTOはWebサイトやSNSを用いたデジタルでのプロモーションは年度を通じて行う計画であることもわかりますが、その中でも日本への注目が集まるのは、やはり展覧会やイベントが集中する7月〜9月と1月〜3月と考えられます。
観光客が日本旅行に行ったら何をするかを考えたり、旅行の計画を立てる期間を旅マエといいます。情報を届けたい国・地域とターゲット層を明確に定めた上で、こうした旅マエへのアプローチを適切なタイミングに行うことで、より効果的なプロモーションができるでしょう。
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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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