【日中比較】新型コロナで売れた・売れない商品ランキング 「口紅」明暗分かれる

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新型コロナウイルス流行による外出自粛が影響し、小売業界では商品のジャンルにより「売れた」「売れない」の差が顕著に表れています。

経済産業省が公開している小売業のPOSデータを見ると、それぞれの商品の販売金額から実際に売れた商品・売れなかった商品の傾向が読み取れます。

例年のインバウンド市場に目を向けると、これまでの訪日中国人観光客の「爆買い」に代表されるように、日本人に人気を博した商品は訪日外国人観光客の注目も集めるという傾向がありました。

したがって、コロナ禍のいま日本人に売れている商品を分析することは、新型コロナウイルス収束後の訪日外国人観光客の「モノ消費」市場を占うことにもつながります。

今回は、コロナ禍の日本・中国それぞれで売り上げが伸びた商品、または話題になった商品をとり上げ、そこからアフターコロナインバウンドモノ消費市場で注目される商品ジャンルを展望します。

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コロナ禍の消費、スーパー、コンビニ、ホームセンターで「食品」「雑貨」「ヘルスケア」に大きな伸び

政府が進めている統計改革の一環として、「ビッグデータを活用した新指標開発事業」というものがあります。

これは、景気の動向を可能な限りリアルタイムで把握するための事業で、そのために経済産業省はPOSデータをはじめとした、あらゆるデータを活用しています。なお、データの一部はホームページにおいて試験的に公開されています。

今回の分析に利用したデータは主に前年比と、2015年を基準年とした名目金額指数である販売金額指数で表されています。

このデータでコロナ禍における日本での小売業界の商品販売状況を見ると、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンターなどで「食品」「雑貨」「ヘルスケア」といった種別の商品の売り上げが、前年同月に比べ伸びていることがわかります。

3〜5月にかけて需要の伸びが顕著に

この理由としては、3月下旬に都市部で出された週末の外出自粛要請や、4月7日に発令された緊急事態宣言の影響が考えられます。

その頃から自宅にとどまる人が増え、まず食品の需要が高まりました。

さらに、在宅時間が長くなることにより、自宅で過ごす時間をより快適なものにしようと、雑貨類の消費が増加しました。また、外出しないことで運動不足を感じる人も増え、健康グッズやトレーニンググッズなどのヘルスケア商品の需要も高まったと考えられます。

マスク、トイレットペーパー以外にも売れた商品が

日本国内で新型コロナウイルスの発症例が見られた頃から、マスクの需要が急速に高まりました。また、トイレットペーパーが買い占められ、一時店頭から姿を消したことは記憶に新しいでしょう。

データを見ると、実際に2~3月の「健康関連品」「紙製品」の販売額はそれ以前の時期に比べ大きく上昇していました。例えば2月24日の週のドラッグストアにおける「紙製品」の売り上げは、前年同週の約2.5倍でした。

全国の学校へ一斉休校の要請が出された2月末には、パンなどの手軽に食べられる食品がスーパーマーケットの店頭からなくなったと話題になりました。

データでは、実際に2月24日の週に大分類「食品」の中の「主食」「加工食品」の販売額が跳ね上がっています。この傾向は一時は落ち着いたものの、「主食」「調味料」「加工食品」の販売額は3月末からまたしても上昇傾向にあり、5月現在でも高い水準を保っています。

外出自粛要請により在宅時間が長くなったことで、手軽に食べられるパン・インスタント麺などをはじめとした食品の需要が高まったと考えられます。

春節の訪日客激減の影響か、「化粧品」指標がダウン、しかし...?

中国の旧正月春節期間には、毎年多くの中国人観光客が日本を訪れます。しかし今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国政府が海外での団体旅行の禁止を命じたことなどから、例年よりも訪日中国人観光客の数が減少しました。

その影響もあってか、1~2月の「化粧品」の販売額は例年よりも若干減少していることがわかります。

「基礎化粧品」は例年並みを維持

大分類「化粧品」の売り上げは5月現在までおおむね減少傾向にありますが、中分類にまで目を向けると、ドラッグストアでの「基礎化粧品」の販売額は、以前と変わらない水準をキープしています。

「基礎化粧品」とは洗顔クリーム、化粧水、保湿パックなどの肌をケアするための製品を指し、外出する機会が減少してあまり化粧をしなくなっても、肌のケアは普段通り行うという人が多いのだと考えられます。

訪日中国人観光客によるドラッグストアでの「爆買い」は例年見られる現象であり、アフターコロナの訪日市場においても、日本でよく売れた基礎化粧品が爆買いの対象となることも十分考えられるでしょう。

「爆買い」火付け役の一つは「日本国内の人気」

訪日中国人観光客による「爆買い」の対象になる商品にはどのような共通点があるのでしょうか。

ジャンルとしてよく挙げられるのは「家電製品」「化粧品」「お菓子」などですが、その中でも売れる商品の傾向があります。

訪日中国人観光客がある商品を爆買いする際の理由の一つとして、「日本でよく売れているから」というものがあります。現地の日本人が使っているというその事実が、商品の品質を担保するブランディングのような役割を果たしているためです。

したがって、コロナ禍の日本国内でどのような商品が売れたのかを注意深く見ていくことで、アフターコロナモノ消費市場で売れそうな商品の予想が立てられます。

特に中国では、新型コロナウイルスの流行はすでに収束傾向にあり、早ければ中国の建国記念日である10月の国慶節の休暇期間にも訪日する人がいると予想されています。

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コロナ禍、中国国内で人気となった商品とは

さらに予想の精度を高めるためには、今中国国内で人気のある商品のジャンルを押さえておくことが重要です。

中国のECプラットフォーム拼多多(ピンドゥオドゥオ)」は、ロックダウン状態にあった1月〜2月頃に中国国内で特によく売れた商品のランキングを発表しました。

このランキングによると、電動バリカン、口紅、ヨガマット、卵割り器などがよく売れたということです。キッチン用品は顕著な伸びを見せており、卵割り器はその中でも特に人気が高かったようです。

さらには日本で「ヘルスケア」関連商品の売り上げが伸びたのと同様、中国でもヨガマットをはじめとした健康グッズの販売が好調でした。

口紅:中国ではトップ2、日本ではワースト2

拼多多のランキングで口紅が上から2番目に入った中国とは対照的に、東洋経済新報社が発表した「消費財の販売金額(前年比)下位30品目」では口紅は2位、つまり日本国内のランキングでは下から2番目でした。

外出自粛によって口紅の消費が落ち込むことは容易に想像できますが、なぜ中国では逆に口紅の消費が伸びたのでしょうか。

拼多多によると、一部ユーザーからは「口紅はそこまで大きな出費ではないが、物欲を満たしてくれる」「外出自粛中に気分を保つのに口紅が役立つ」という声が聞かれたということです。

これらのコメントからは、必要性からではなく、外出できない中で少しでも気分を上げるため、または消費欲を満たすために口紅を購入するユーザーが一定数いると考えられます。

日本製の「キッチン用品」「健康グッズ」「メイクアップ用品」の需要に期待が高まる

コロナ禍の中国では、「キッチン用品」「健康グッズ」「メイクアップ用品」などが特によく売れたことがわかりました。

これらの商品の需要は、新型コロナウイルス感染症が流行していたから、もしくは長らくロックダウン状態にあったからなどの理由で一時的に高まったと考えられます。

それでも、アフターコロナモノ消費市場において、これらの商品が訪日中国人観光客の購入対象となる可能性はあるでしょう。

日本国内では、これらのジャンルでどのような商品が売れているのでしょうか。

例えば、健康グッズとしては姿勢矯正サポーター・骨盤矯正ベルトなどがよく購入されているようです。楽天市場の健康グッズランキングには、これらの商品が複数ランクインしています(2020年5月時点)。

キッチン用の商品では、2015年にシャープから発売された水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」が今人気を集めています。無水調理、自動調理機能などにより調理が楽にできることから外出自粛の中で特に需要が高まっていると考えられ、2020年1~3月の販売台数は前年比で約2.5倍だということです。

▲[ヘルシア ホットクック]:SHARP公式サイトより
▲[ヘルシア ホットクック]:SHARP公式サイトより

これらの商品は「日本人の間で売れた」という理由から、今後訪日中国人観光客の注目の的となる可能性もあるでしょう。

日本で人気の商品は訪日中国人市場でも注目

過去の爆買いに見られるように「日本人の間で人気だから」という理由で、ある商品が訪日中国人観光客のモノ消費の対象となることがあります。

現在中国国内でよく購入されている商品のジャンルとしては「キッチン用品」「健康グッズ」「メイクアップ用品」などがあります。

このジャンルの中で日本人から人気を集めた商品は、アフターコロナモノ消費市場でも注目される可能性があります。

観光目的の渡航の制限はまだ解除されていませんが、コロナを経てより身近になった中国の越境ECでこうした商品を求める中国人消費者もいるはずです。

日本国内での人気商品のトレンドを掴み、来年春を見据えた商品ラインナップの戦略を練ること、さらには新たな販売チャネルでの販売を検討、開始することが、インバウンドの市場回復を待つ今できることではないでしょうか。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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