巣ごもり消費でデリバリー需要高まる東南アジア | 世界の需要・東南アジアへのPR

公開日:2020年05月21日

2020年に実施予定だった東京オリンピックの追い風も受け、近年順調に伸びてきた日本のインバウンド需要ですが、新型コロナウイルスの感染拡大によりさまざまな需要に影響が現れています。

その一方で、外出自粛により人々が家に閉じこもらざるを得ない現在の状況がウェブインバウンドという新たな動きを生み出し、これからの伸びに期待が集まっています。

そこで今回は、巣ごもり消費でEC需要が高まる東南アジア向けの越境ECの展開について、PRという視点を中心にご紹介します。


コロナの影響で拡大する巣ごもり消費

新型コロナウイルスによる影響は、世界規模で私たちのライフスタイルに大きな影響を与えています。中でも顕著なのが、ロックダウンや外出自粛によって発生した巣ごもり消費の拡大です。ここではまず、世界中で拡大する巣ごもり消費の現状についてお伝えします。

巣ごもり消費とは

巣ごもり消費は、もともと2008年の年末商戦頃から広く使われるようになった言葉です。その中身はネット通販、カタログ通販、フードデリバリーなどを活用することで、外出せずに家の中での生活をたのしむ消費傾向のことを指します。

新型コロナウイルスの感染が拡大している現在では、週末や長期休暇以外の平日も家の中で過ごす人が増え、裁縫道具はじめとしたホビー商品や、体を動かすフィットネス商品、料理の手間を省く保存食品やデリバリーなどの「おうち時間」で活用できる商品やサービスが売り上げを伸ばしています。

高まる「中食」需要、デリバリーサービス・テイクアウトのこれからの可能性:世界のデリバリーサービス需要は?インバウンド対策はすべきか

新型コロナウイルス感染症の拡大による「巣ごもり消費」の影響で、テイクアウトやデリバリーの需要が増えています。全国に「外出自粛」が拡大する中、飲食店の需要は減少しており、売上を維持するためにデリバリーサービスを導入する企業も増えてきました。日本政府は補助金制度の設立などの対策を進めており、自治体にもデリバリーサービスやテイクアウトサービスの開始に対する支援策提供の動きが見られます。今回はデリバリーが進む世界の状況を紹介し、新型コロナウイルス収束後、盛り返しが期待されている食のインバウンド市場...

世界で巣ごもり消費の需要高まる

新型コロナウイルスによる巣ごもり消費の拡大は、すでに数字の上にも表れています。

国境を超えて行われるECサイトの取引である越境EC対応を実現するサービス『WorldShopping BIZチェックアウト』利用による越境ECサイトの売上高推移を見ると、2019年7~9月にと比較すると2020年1~3月の売上高が143%上昇しています。

その中で伸び率の激しい商品の内訳を見ると、現在は防塵マスク、かぜ薬、紙ナプキンといった新型コロナに備えるための生活用品の注文が増加しています。

アプリの巣ごもり消費も増加

今回の新型コロナ騒動を受けて巣ごもり消費が拡大していることは、スマホやアプリの活用状況に顕著に表れています。

株式会社トレンドExpressが、中国のSNSなどから抽出した「外出禁止中に家の中でしていること」ランキングトップ10」を見ると、次のような結果になっています。

1位 スマホを見る
2位 ゲームをする
3位 仕事をする
4位 SNSを見る
5位 動画を見る
6位 映画を見る
7位 ドラマを見る
8位 寝る
9位 ネットサーフィン
10位 ネットで買い物

▲引用:トレンドExpress

この調査結果を見ると、人々が家の中でスマホやパソコンに依存した生活を送っていることがわかります。

またスマホユーザーのアプリダウンロードなどを分析している米アップアニーによると、2020年3月15~21日の全世界のアプリダウンロード数(ゲームを除く)は、1カ月前の同時期に比べて14%増となっています。

中でも、ヘルスケアやフィットネス関連のアプリの伸びが顕著で、人々が外出禁止の中でも健康に気を遣っていることもわかります。

デリバリーが拡大する東南アジア

このような巣ごもり消費の拡大の影響は、人々の食生活にも大きく影響を与えています。

東南アジアでは、伝統的に外食文化が発展していることが知られていますが、新型コロナウイルスによる外出規制で外食がままならない状況の中、伝統的な外食文化にも変化が表れています。

収束後も自宅での食事を優先するアジア

消費者調査、ショッパー調査、販売予測サービスなどを提供するニールセンが3月中旬に、70以上の国と地域を対象に行った新型コロナウイルス感染拡大が消費習慣にもたらす影響についての世界最大規模の意識調査を行いました。その結果によると、新型コロナウイルスの影響により「家での食事が増えた、または今後増えるであろう」と回答した各国の割合は以下のようになっています。

  • 中国 86%
  • 香港 77%
  • マレーシア 62%
  • ベトナム 62%
  • 韓国 62%

▲引用:ニールセン「アジアの消費者に対する調査」

上記の数字の中には実際の変化だけではなく、「今後在宅での食事が増えるであろう」という回答も含まれているため、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いた後もこの傾向はある程度持続されると予測されます。

タイでコンビニの宅配を拡大

2020年3月22日から、バンコク首都圏で、食品スーパーやコンビニエンスストア(以下:コンビニ)以外の商業施設や外食店の営業休止が命じられたタイでは、商品の宅配サービスの拡充が始まっています。

大手コンビニ「セブンイレブン」では、2020年1月よりバンコクの約100店で試験的に商品の宅配サービスを実施し、今後は全国1万1,000店舗での展開をめざしています。

さらにタイ小売り大手セントラル・グループでは、現在営業を休止した百貨店のテナントの外食店で宅配向け営業を開始したほか、バンコクの百貨店「セントラル・プラザ」では、外食店が宅配用商品を渡す専用スペースを開設しています。

こうした動きを受け、調査会社カシコン・リサーチ・センターは、タイの飲食宅配市場が2020年に前年比17%増程度まで拡大するとの予測を明らかにしています。

タクシー配車アプリもデリバリーに参戦

東南アジアにおける配車アプリ大手のGrab(グラブ)では、従来よりグラブと同じアカウントで手軽に利用できるフードデリバリーサービス「Grab Food」(グラブフード)を展開していますが、新型コロナウイルス感染防止の観点から、ベトナム国内では初となる非接触受け渡しサービスを2020年3月19日から導入しています。

同サービスは、ユーザーが注文時に玄関前など家の外での受け渡し場所を選択し、ドライバーは注文の品を指定の場所に置き、顧客に通話またはメッセージで到着を知らせるものです。もしユーザーが安全な受け渡し場所を指定できない場合には、ドライバーがデリバリー用のバッグの上に商品を置いて2~3m程離れた場所で待機するといったきめ細かいサービスを実現しています。

東南アジアにPRするには

新型コロナウイルスの影響で、インバウンドに頼ってきた日本の観光業が大きな痛手を被る一方で、世界的に巣ごもり消費の利用が増加する中、日本製商品に対するニーズは相変わらず高く、越境ECサイトでは今回の騒動でむしろ売り上げを伸ばしているケースも少なくありません。

東南アジアで越境ECを拡大させるためには、ECサイトの海外対応インフルエンサーの活用、動画配信など、さまざまな方法でアプローチしていく必要があります。

海外対応の越境ECの導入

東南アジア向けに限らず、ウェブインバウンド需要を取り込むために第一の関門となるのが、越境ECに対応した専門サイトの構築です。

そこで最近、日本の国内向けECサイトを持っている場合には、そこに専用タグを1行挿入するだけで、多言語対応のサイトに変わる「WorldShoppingBIZ」が登場しました。

このサービスはサイトの立ち上げだけではなく、海外からの注文の受注から発送までを同社が一括対応しているもので、世界125か国に対応しています。同サービスを利用することで、既存のシステムに負荷をかけることなく、1日で越境ECサイトの導入が実現できます。

通販・越境ECのインバウンド事例集

ネットでの買い物というと、少し前までは「商品を手に取って確認できない」「ちゃんと届くかわからない」と、あまり一般的ではありませんでした。しかし現在はオンラインショッピングのサービスが向上し、多くの人がネットでの買い物を楽しむようになっています。インバウンドにおいてもオンラインショッピングはポピュラーになり、通販・越境ECを活用して旅アト(訪日後)の外国人観光客などにもアプローチする企業が増えています。このページでは、各業種における、通販・越境ECのインバウンド対策に関する事例をまとめています。

インフルエンサーの活用 

越境ECを展開する上で、インフルエンサーによる広告効果は無視できませんが、一方で費用対効果の実態がつかめないといった問題も抱えています。

そこで日本及び東南アジア圏に、約5,000名を超えるインフルエンサーを抱えるタグピク株式会社では、外出自粛が続く中、芸能人やスポーツ選手などを中心に展開されているリレー・バトンチャレンジを導入してクライアント企業の商品認知拡大キャンペーンを展開する「トランスミッション・キャスティングサービスプラン」の提供を開始しています。こうした現在の状況に合った、広告展開を試みるサービスも登場しています。

インフルエンサーとは?

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ライブ動画配信の活用 

タイ・バンコクで、イー・エージェンシーの現地日系グループ会社ICOMM AVENUグループが発表した「2019年タイ人のインターネット利用状況」によると、タイのインターネットユーザーの利用時間は、日本の2.5倍近くにのぼっています。

そこで越境ECを成功させるために効果的なのが、ライブ動画配信の活用です。同社ではライブ動画配信支援サービス「GO LINE」を展開しており、現地企業ならではの強みを生かし、費用対効果の高いライブ動画配信支援を実現させています。こうしたシステムの活用も、今や時間との勝負とも言える東南アジア向け越境EC対策として有効です。

動画・コンテンツ制作のインバウンド事例集

現在、「YouTuber」という新たな職業が人気を集めています。プロモーションの方法として以前から利用されてきた動画・コンテンツですが、近年再び注目を浴びています。インバウンドでも、自治体の制作した観光PR動画が大きな話題を呼ぶなど、現在、動画・コンテンツ制作によりインバウンド集客を行いたいという企業や自治体の方が増えています。このページでは、各業種における、動画・コンテンツ制作のインバウンド対策に関する事例をまとめています。

巣ごもり消費の拡大を事業に生かす

現在、世界規模で経済は大きな打撃を受けています。しかし落ち込む需要があれば、その需要を吸収して伸びる需要があるのが経済です。人々が在宅を余儀なくされている現状で需要が伸びているニーズ、それが巣ごもり消費です。巣ごもり消費をインバウンド需要に活用するためには、ウェブ上でのインバウンド対策が必要となります。

越境ECを実現させるためには、サイトの構築から決済方法への対応、各国の商取引に対する法対応から受注や配送まで課題は数多くありますが、現在それらの諸問題に対応した便利なサービスも登場しています。

現在の状況を打破するため、そしてアフターコロナのビジネスシーンを視野に入れた上でも、越境ECに積極的に取り組むことはこれから多くの企業で求められる姿勢だといえます。

<参考>

・ECのミカタ:WorldShopping BIZチェックアウト調査結果

・トレンドExpress:中国SNSデータから「新型コロナウイルス」による中国消費者の動向を分析

・ニールセン:新型コロナウイルス海外での影響 ~アジア市場 最新調査結果が示す食習慣の恒久的変化の可能性~

・タグピク株式会社:「トランスミッション・キャスティングサービス」提供開始。

・ICOMM AVENU:「2019年タイ人のインターネット利用状況」


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!