巣ごもり消費で中国の消費需要が急増|新型コロナの今だからこそやるべき越境ECとは

公開日:2020年06月03日

新型コロナウイルスの影響を受けて、我々を取り巻く環境も大きく変わっています。外国人の受け入れにも規制がかかり、インバウンド需要も軽減されています。

そんな状況下だからこそ売り上げが伸びているビジネスがあります。それが海外から商品を取り寄せる越境ECを活用したインターネットショッピングです。

中国では家から外出しない生活の影響で巣ごもり消費が増えており、インバウンド消費の新しい可能性が見えています。そのような中国人に向けて、日本の商品をインターネット上で販売するのが越境ECです。

越境ECは訪日客が多い中国に対して効果的で、リピーターへのセールス手法として売上をあげることができます。

今回は中国の巣ごもり消費の現状と、中国をターゲットとした越境ECについて解説します。


世界に広がる「巣ごもり消費」

新型コロナウイルスの影響で、外出自粛が続いています。多くの人が自宅での生活を余儀なくされ、自宅での時間をいかに充実させるかを考えています。

そんな家での時間を充実させるために、インターネットショッピングを利用した「巣ごもり消費」をする人が増えています。

ここでは、巣ごもり消費による消費傾向の変化について解説します。

巣ごもり消費とは

新型コロナウイルスの感染拡大によって外出を控えている人が増えており、自宅内での過ごし方の質を向上させようとする人が多くいます。

トレーニングや料理など、自宅で充実した時間を過ごそうと感じており、それに伴った商品やサービスの売り上げが上がっています。こうした消費トレンドが「巣ごもり消費」です。

このような動きから、各社が「巣ごもり消費」を意識した商品の販売を強化しています。インターネットでの商品やサービスの販売だけに限らず、飲食店でのテイクアウトやデリバリー、ドライブスルーも増加しています。

日本国内では

日本国内でも「巣ごもり消費」が起きていることが、各社の売り上げデータからわかります。

新型コロナウイルスの影響を受けて、書店を展開する三洋堂ホールディングスは、3月におけるTVゲームの売り上げが前年同月比81%増加したと発表しました。新発売の人気ゲーム以外にも中古品が売れており、参考書や子供向けの本などの売り上げも急激に増加しました。これは、休校で家で過ごす子どもが増加したことによる「巣ごもり消費」であるといえます。

また、ドン・キホーテグループは、これまで一部の店舗では8割近くの売り上げが免税商品によるものなど、訪日外国人によるインバウンド消費が盛んでした。この新型コロナウイルスで訪日外国人が激減し、一時は売り上げが落ち込んだものの、国内の「巣ごもり消費」が増加した影響で、2月の売り上げは前年同月と比べ1.2%増加となりました。

売り上げが上がった商品としては、カップ麺や冷凍食品などの売り上げが上がり、出来るだけ外出を控えるように長期的に保存できる食品が売れていく傾向が見えます。

中国で日本商品の売れ行きが好調

隣国の中国でも「巣ごもり消費」が盛んになっており、国内でのECだけでなく、自国から他国へと商品を販売する越境ECが人気となっています。日本の商品も売れ行きが好調で、国境を超えて日本商品を売り出すのに良いタイミングであるといえます。

ここでは、世界における越境ECの現状や、中国人はなぜ日本の商品に注目したのかについてお伝えします。

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国内だけでなく越境ECも盛り上がりを見せている

日本だけではなく、世界中で越境ECの利用が加速しています。

越境EC支援サービス「WorldShoppingBIZ」を運営するジグザグの調査によると、同ECサイトでは、2020年1〜3月の売上高が2019年7〜9月と比較して約143%上昇していることが明らかになりました。

世界における出荷数ランキングはアメリカが1位、香港が2位、3位が中国となっています。特に中国での越境ECの動きとしては、海外への団体旅行が規制された1月27日から、越境ECサイトで日本製品を購入する動きが増えています。

JC Connectが運営する中国越境EC構築支援サービス「ShopCN」が実施した調査によると、2020年1〜3月の取引高と注文件数は、2019年10〜12月と比較するとそれぞれ220.5%増加、206.5%増加となっています。

中でも化粧品などの美容関連商品やアニメ関連の商品の売れ行きが好調です。

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新型コロナウイルスによる中国消費者の動向

中国でも「巣ごもり消費」による需要が高まっていることが、中国のSNSデータの分析結果からもわかります。

中国を中心とした消費者ビッグデータをもとに、国際間マーケティングや越境EC事業を行っているトレンドExpressが発表した新型コロナウイルス関する中国人消費者の消費動向調査によると、中国人が「家でしていること」のランキングは以下の通りとなりました。

1位:「スマホをみる」

2位:「ゲームをする」

3位:「仕事をする」

4位:「SNSをみる」

5位:「動画をみる」

上記のランキングから、スマホやインターネットを利用した過ごし方が上位となっています。その他にも、「ヨガ」や「料理をする」などもランクインしており、自宅で時間を潰す方法を模索している様子がうかがえます。

このような需要を受けて、中国では、様々な企業がショートビデオアプリ「抖音(TikTok)」でのライブ配信を通して、自社のサービスや商品をアピールしています。4月21日の「抖音(TikTok)」の発表によると、地方政府による地元の特産品を紹介するライブ配信や、大学などの教育機関による教育に関連するライブ配信、桜を鑑賞するバーチャル旅行体験やフィットネス関連のライブ配信などが盛んになっています。

中国市場の「巣ごもり消費」に対するアプローチのひとつとして、このようなSNSの活用も一つの手段といえます。

越境ECを始める際の注意点と手順

越境ECの利用や越境ECで日本製品を注文する中国人が増加傾向にあり、越境ECの導入は中国人の顧客獲得に有効であるといえます。

ここからは、越境ECをスタートする上での方法やポイントについて解説します。

越境ECの方法

初めて越境ECをスタートする事業者の方は、まず最初にその始め方を知る必要があります。

事業者の方が0から越境ECをスタートする方法は、大まかに6通りあります。

  1. 日本国内で独自のECサイトを構築する
  2. 日本国内で海外対応可能なECプラットフォームに出店する
  3. 進出しようと考えている国の現地のECプラットフォームに出店する
  4. 保税区活用型出店としてECサイトに出店する
  5. 一般貿易型EC販売をする
  6. 進出しようと考えている国で独自のECサイトを構築する

しかし、越境ECを開始するにはECサイトに関する多くの知識やノウハウを必要とします。そのため、初めてであれば「日本国内で独自のECサイトを構築する」か「日本国内で海外対応可能なECプラットフォームに出店する」ことで慣れていく方法がよいでしょう。

注意すべきポイント

越境ECを運営していく上で注意すべきポイントは3つあります。

  1. 多言語に翻訳する
  2. 調査やアンケートでターゲットのニーズを知る
  3. ターゲットに適した決済の手段を確保する

越境ECは外国人がターゲットであるため、自社の商品やサービスの説明を翻訳しておくことが重要です。また、ターゲットに合わせた言語選びも重要であり、英語以外の言語も必要になる可能性があります。

また、越境ECにおける消費者へのカスタマーサービスの際には、消費者とやり取りするための通訳も必要となります。しかし、企業の中の人員だけで多言語の問い合わせに対応することは困難なケースもあるため、通訳・翻訳サービスを導入することも選択肢に入ります。

次に、ニーズを調査するためにターゲットに向けたアンケートなども必要です。アンケート結果によって、ターゲットにより響くような広告戦略や商品改良など、業績をあげるアイデアに役立てましょう。

最後にターゲットが外国人である以上、決済方法についても検討しなければいけません。先進国であればクレジットカード決済で対応可能ですが、世界的に見るとローカルな決済方法や銀行振込に対応する必要があります。

例えば、中国の銀聯カードはデビットカードと似たシステムを導入しており、決済と同時に預金から引き落としがあります。

日本ではこの銀聯カードにあまり馴染みがありませんが、中国においては、デビットカードタイプの銀聯カードは現在30億枚以上発行されており、主流な決済方法の一つといえます。そのため中国人をターゲットとする越境ECを運営する場合は銀聯カードでの決済は必要不可欠となります。

このように、ターゲットとなる国や地域で取り扱われている決済方法について知り、導入しておくことは越境ECを運営するうえで重要なポイントとなります。

越境EC導入の流れ

越境ECの導入までの流れは以下の通りです。

  1. 商品が進出先の国で販売できるかや関税の確認
  2. サイトに申し込む(もしくはサーバーを借りる)
  3. 配送会社の準備
  4. ページの作成・決済に関する申し込み
  5. 販売開始

まずは取り扱い予定の商品が海外に向けて販売可能であるか、関税がどのくらいかかるのかをチェックする必要があります。

商品に取り扱いに関しては「JETRO」や「日本郵便のEMS」、関税に関しては郵便局の関税率のページを確認することが必要です。

続いて、自社商品を販売できるサイトへの申し込みサーバーをレンタルする必要があります。初めから海外のサイトを利用することもできますが、まずは国内・海外両方での販売に対応している日本のサイトに申し込みをするほうがよいと考えられます。

楽天市場などの大きなサイトは国内外への販売に対応しており、国内のECに関する経験を経たのち、そのまま海外に進出することができます。

同様に、配送に関する準備も必要です。海外への配達は転送会社と契約して配達する形になります。

最後に、商品やサービスのページを作成する必要があります。ここでは、ターゲットに合わせた言語対応やページの工夫も必要です。また、ページ作成と同時に決済方法の導入についても進めておくと、円滑にページ作成が進みます。

このような準備を経て、越境ECでの販売が可能となります。

巣ごもり消費の今だからこそ海外のユーザーを増やすチャンス

新型コロナウイルスの影響を受けて、巣ごもり消費が世界中で増えています。日本国内でも自宅での時間をより充実したものにしようと、「料理関連」や「トレーニング関連」の商品が売れています。

世界中でも同様の動きが見られており、外出自粛をしている外国人に向けて越境ECを始め、自社の商品やサービスをアピールしておくことでアフターコロナでのインバウンド消費が見込める可能性があります。

また、越境ECを始めるにはターゲットに向けた言語対応や決済方法の導入などを行っていく必要があります。リスクをおさえて越境ECに取り組むには、国内の大手サイトを利用したり、国内のEC事業から始めとりといった手段もあります。

越境ECを活用して海外のターゲットに自社の商品やサービスを販売することは、新型コロナウイルスの影響で訪日外国人観光客数が落ち込む現在の状況下におけるインバウンド対策として有効な手段の一つとなります。

<参考>

トレンドExpress:トレンドExpress、「Weibo」「小紅書」など中国SNSデータから「新型コロナウイルス」による中国消費者の動向を分析

中国新聞網:抖音发布直播数据图谱 疫情期间教育类主播增110%


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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